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2022年3月9日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会にて13製品が報告され、全て承認が了承されました!このうち、4製品は前回の同部会(2022年2月25日)で時間切れになって持ち越されていたものです。
その他、2021年8月30日の同部会にて承認が了承されていたオンデキサ(アンデキサネット)が再度議題に挙がり、以前の部会審議における結論を変更する必要はないと判断されました!
経緯として、2021年8月30日の同部会通過後に申請企業から「臨床試験の一部データの取り扱いが不適切だった可能性がある」との報告があり、PMDAとデータの信頼性について事実確認していたようです。
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オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
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今回の部会で、不適切だった可能性のある臨床試験データを除いたとしても有効性・安全性が担保されていたとのことですね。
本記事では承認了承された医薬品の概要を掲載しています!
報告品目:13製品
●スピンラザ髄注12mg(一般名:ヌシネルセンナトリウム、バイオジェン・ジャパン)
:「臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症」を効能・効果とする新効能医薬品。
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スピンラザ(ヌシネルセン)の作用機序【脊髄性筋委縮症】
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脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬としては、スピンラザの他、ゾルゲンスマ点滴静注やエブリスディドライシロップ(リスジプラム)が承認されています。ゾルゲンスマは臨床症状発現前でも使用できましたが、今回スピンラザも同適応として使用可能となる見込みです。
●ヒスロン錠5(一般名:メドロキシプロゲステロン酢酸エステル)
●デュファストン錠5mg(一般名:ジドロゲステロン)
:「調節卵巣刺激下における早発排卵の防止」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
●リンパック透析剤TA5
:「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液」を効能・効果とし、配合割合が異なる類似処方医療用配合剤。
●クロミッド錠50mg(一般名:クロミフェンクエン酸塩)
:「乏精子症における精子形成の誘導」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
エストロゲン受容体拮抗薬で、負のフィードバックを抑制することで黄体化ホルモン(LH)分泌によるテストステロンの分泌を促進させると考えられていますね。
●ル・エストロジェル0.06%(一般名:エストラジオール)
●ジュリナ錠0.5mg(一般名:エストラジオール)
●ディビゲル1mg(一般名:エストラジオール)
●エストラーナテープ0.36mg、同テープ0.72mg(一般名:エストラジオール)
:いずれも「①生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」および「②凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。エストラーナテープ0.36mg は②のみです。
いずれも卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤ですね。
●ジェミーナ配合錠(一般名:レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール)
●ルナベル配合錠LD(一般名:ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)
●ルナベル配合錠ULD(一般名:ノルエチステロン・エチニルエストラジオール)
●ヤーズフレックス配合錠(一般名:ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス)
:いずれも「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを一定期間投与した後、中止した際に生じる「消退出血」を利用して、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整を行うことができます。
その他品目:1製品
●オンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え))
:「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
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データが不適切で一旦保留になっていましたが、不適切だった可能性のある臨床試験データを除いたとしても有効性・安全性が担保されていたとのことですね。
DOACの中でもトロンビン阻害薬のプラザキサ(ダビガトラン)については、出血時に中和抗体薬であるプリズバインド(イダルシズマブ)が使用可能でした。
しかし、Xa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)については中和薬が存在せず、止血処理に加えて、保険適応外でプロトロンビン複合体製剤や遺伝⼦組換え第Ⅶ因⼦製剤が投与されていました。
DOACについては以下の記事でまとめていますので、併せてご参考くださいね♪
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DOAC(直接経口抗凝固薬)の一覧表と作用機序のまとめ【心原性脳塞栓症】
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あとがき
今回は不妊治療関連薬が11製品承認了承されています。
これは2022年4月から不妊治療が保険適用されることに伴ったもので、いずれも公知申請のものですね。
Xa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)の中和薬のオンデキサ静注用はようやくの登場です!臨床ではしばしば出血を伴うため、選択肢が増えることは朗報ではないでしょうか。
以上、今回は2022年3月9日の厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要を紹介しました!
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