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2026年5月29日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、「免疫性血小板減少症(ITP)」を対象疾患とするウェイリズ(リルザブルチニブ)の承認が了承されました!
現時点では未承認のためご注意ください。
サノフィ|申請のニュースリリース
基本情報
| 製品名 | ウェイリズ錠400mg |
| 一般名 | リルザブルチニブ |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | サノフィ(株) |
| 効能・効果 | 持続性及び慢性免疫性血小板減少症 |
| 用法・用量 | 1日2回経口投与? |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
ウェイリズは、免疫性血小板減少症(ITP)では初のBTK阻害薬です。
BTK阻害薬は、主に血液腫瘍領域で用いられていました。
- イムブルビカ(イブルチニブ):マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病など
- カルケンス(アカラブルチニブ):マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病
- ベレキシブル(チラブルチニブ):原発性マクログロブリン血症など
- ブルキンザ(ザヌブルチニブ):慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症など
- ジャイパーカ(ピルトブルチニブ):マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病など
また、近年では癌以外の領域でも応用されるようになりましたね。例えば、同時期に登場したラプシド錠(レミブルチニブ)もあります。
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ラプシド(レミブルチニブ)の作用機序【慢性蕁麻疹】
続きを見る
これまで免疫性血小板減少症の治療は限られていましたので、治療選択肢が増えることは朗報ですね。
今回は疾患解説と共に、ウェイリズ(リルザブルチニブ)の作用機序について解説していきます。
免疫性血小板減少症(ITP)
免疫性血小板減少症(ITP:Immune thrombocytopenia)は、血小板減少を来す自己免疫性疾患で、難病に指定されています。1)
以前は「血小板減少性紫斑病(ITP:Idiopathic thrombocytopenic purpura)」と呼ばれていましたが、近年では、自己免疫的機序によることから「免疫性血小板減少症」と呼ばれるようになりました。
主なは出血症状で、皮下出血(点状出血又は紫斑)を認めることもしばしばあります。その他、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血なども起こり得ますね。
急性型と慢性型(持続型)があり、特徴は以下の通りです。
- 急性型:小児に多い。ウイルス感染等によって発症し、6か月以内に自然治癒する。
- 慢性型(持続型):成人や高齢者に多い。明らかな原因は無く、寛解と増悪を繰り返す。
今回ご紹介するウェイリズは、慢性型(持続型)の免疫性血小板減少症に使用しますね。
原因・病態
明確な原因は不明ですが、感染症(ヘリコバクター・ピロリなど)によって引き起こされることもあります。
また、病態として、血小板に対する抗血小板自己抗体が産生されているのが特徴です。
産生された自己抗体が血小板に結合することで、脾臓のマクロファージに取り込まれやすくなり、破壊(分解)が促進される結果、血小板減少が引き起こされます。
抗血小板自己抗体は、B細胞から産生されていますが、その産生にはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介したシグナル伝達が関与しています。
正常時よりもBTKが活性化することで、抗血小板自己抗体が過剰に産生され、ITPの発症・進行が引き起こされていると考えられていますね。

治療
ヘリコバクター・ピロリに感染している場合、まずはそちらの治療を優先します。
それ以外が原因の場合でも、治療の必要性がないと判断されれば経過観察が基本です。
血小板が2万/μL未満や、2~3万/μLで出血症状があるなど、緊急性を要する場合や、ピロリ除菌が無効だった場合、第一選択薬は副腎皮質ステロイドによる治療です。
その他、脾摘(脾臓を摘出する手術)や、トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬などが行われることもありますね。
同様の治療ラインでは、チロシンキナーゼ(Syk)阻害薬のタバリス(ホスタマチニブ)が使用されることもあります。
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タバリス(ホスタマチニブ)の作用機序【ITP】
続きを見る
ウェイリズ(リルザブルチニブ)の作用機序:BTK阻害薬
ウェイリズは、抗血小板自己抗体を産生しているB細胞のBTKを選択的に阻害する薬剤です。

BTKの阻害によってB細胞の活性化・増殖が抑制されることで、抗血小板自己抗体の産生が抑制されると考えられています。
エビデンス紹介:LUNA3試験
根拠となった第Ⅲ相臨床試験(LUNA3試験)をご紹介します。2)
本試験は、持続性/慢性ITPの患者さん(治療歴あり)を対象に、ウェイリズとプラセボを比較した試験です。
主要評価項目は「持続的な血小板反応が得られた患者さんの割合」とされ、結果は以下の通りです。
| 試験群 | ウェイリズ群 | プラセボ群 |
| 持続的な血小板反応が得られた患者さんの割合 | 23% | 0% |
| p<0.0001 | ||
副作用
正式承認後に更新予定です。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、1日2回経口投与とされていました。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
ウェイリズはこんな薬
- 持続性/慢性ITPに使用する
- ITPでは初のBTK阻害薬
- B細胞のBTKを阻害することで抗血小板自己抗体の産生を抑制
- 1日2回経口投与
以上、今回は免疫性血小板減少症の疾患解説と共に、ウェイリズ(リルザブルチニブ)の作用機序について解説しました。
引用文献・資料等
- 難病情報センター|免疫性血小板減少症(指定難病63)
- LUNA3試験:Blood. 2025 Jun 12;145(24):2914-2926.
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