新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】4製品+2製品(2023年10月23日)

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2023年10月23日、厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会にて、新薬として4製品の承認可否が審議され、全て承認了承されました!

その他、報告のみで適応拡大される2製品もあります。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回、新有効成分含有医薬品はありませんので、全て既存薬の適応拡大でしたね。

 

注目は、国内初のBRAF遺伝子変異陽性に対する臓器横断的な適応となるタフィンラー(一般名:ダブラフェニブ)+メキニスト(一般名:トラメチニブ)でしょうか。

 

本記事では概要についてご紹介します。

 

審議品目:4製品

●アドセトリス点滴静注用50mg(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え))
:「CD30陽性の再発又は難治性の皮膚T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

血液
アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序【リンパ腫】

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アドセトリスは、ホジキンリンパ腫と末梢性T細胞リンパ腫に適応を有していましたが、今回、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対する適応拡大が承認了承されました。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
CTCLに使用可能な薬剤は非常に限られていたことから、新たな治療選択肢として期待されています。

 

●オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))
:「悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

オプジーボ(ニボルマブ)の作用機序【胃/尿路上皮がん】

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悪性中皮腫は、

  • 悪性胸膜中皮腫
  • 悪性腹膜中皮腫
  • 悪性心膜中皮腫
  • 悪性精巣鞘膜中皮腫

に分類されていて、オプジーボは既に「悪性胸膜中皮腫」の適応を有していました。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今後は悪性中皮腫全体に対して使用可能となりますね。

 

●タフィンラーカプセル50mg、同75mg(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)
●メキニスト錠0.5mg、同2mg(一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)
:いずれも「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」および「BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

タフィンラー/メキニストの作用機序【悪性黒色腫/肺がん/臓器横断】

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固形腫瘍に対しては、小児も使用可能です!

 

国内では初となるBRAF遺伝子変異に対する臓器横断的な承認ですね。

 

他の遺伝子変異では既に臓器横断的な承認を取得している薬剤もあります。例えば、MSI-Highに対するキイトルーダ(ペムブロリズマブ)や、NTRK融合遺伝子陽性に対するロズリートレク(エヌトレクチニブ)などです。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【消化器がん/MSI-High固形がん】

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木元 貴祥
木元 貴祥
今後、こういった臓器横断的な承認が増えてくると予想されていますね~。

 

報告品目:2製品

●イミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え))
:「切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とする新用量医薬品。

イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】

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「非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」に対する用法・用量は、これまで「2週間間隔」でしたが、今後は「4週間間隔」に変更されますね。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
来院回数が減りますので、医療従事者・患者さんの負担軽減につながるのではないでしょうか。

 

●スパイクバックス筋注
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新用量医薬品。

コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】

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これまで、モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンであるスパイクバックスは「追加免疫」にのみ使用できていましたが、今後は「初回免疫」でも使用可能となります。

 

あとがき

今回の注目は、国内初のBRAF遺伝子変異陽性に対する臓器横断的な適応となるタフィンラー(一般名:ダブラフェニブ)+メキニスト(一般名:トラメチニブ)でしょうか。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
同適応については、小児に対しても使用可能です。
タフィンラー/メキニストの作用機序【悪性黒色腫/肺がん/臓器横断】

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今後、臓器横断的な承認を取得する薬剤が増えていくと思われますので、動向を要チェックですね。

 

以上、今回は2023年10月23日の厚労省の薬食審・医薬品第二部会で承認了承された薬剤の概要についてご紹介しました。

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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