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2021年8月30日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は新薬として11製品の審議を行い、うち10製品の承認を了承しました!
了承されなかったのは「高血圧症」を対象疾患とするエンレスト(サクビトリルバルサルタン)の適応拡大についてです。その後、予備日として充てられていた2021年9月3日に再度審議され、承認了承されています。
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エンレスト(サクビトリルバルサルタン)の作用機序【心不全】
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今回は承認了承された11製品の概要についてご紹介です♪
2021年8月30日の審議品目:10製品
●モイゼルト軟膏0.3%、同1%(一般名:ジファミラスト)
:「アトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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モイゼルト軟膏(ジファミラスト)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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ホスホジエステラーゼⅣ(PDE4)阻害薬で、同疾患では初の作用機序ですね!
●ヒュミラ皮下注20mgシリンジ0.2mL、同皮下注40mgシリンジ0.4mL、同皮下注80mgシリンジ0.8mL、同皮下注40mgペン0.4mL、同皮下注80mgペン0.8mL(一般名:アダリムマブ(遺伝子組換え))
:「中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量の追加を含む新効能・新用量医薬品。
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ヒュミラ(アダリムマブ)の作用機序【潰瘍性大腸炎】
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これまでは成人のみでしたが、今後は小児にも使用可能となる見込みです!
●イムブルビカカプセル140mg(一般名:イブルチニブ)
:「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イムブルビカ(イブルチニブ)の作用機序と副作用【CLL】
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●ラパリムス錠1mg(一般名:シロリムス)
:「難治性リンパ管疾患(リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ラパリムス錠(シロリムス)の作用機序と副作用【リンパ脈管筋腫症】
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●ネクスビアザイム点滴静注用100mg(一般名:アバルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組み換え))
:「ポンペ病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
ポンペ病は酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の欠損または活性低下によって引き起こされると考えられていますので、その補充療法薬ですね!
●アジルバ顆粒1%、同錠10mg、同錠20mg、同錠40mg(一般名:アジルサルタン)
:「高血圧症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。
小児用量の追加に伴い、顆粒剤の剤形が追加されました!ARBについては以下の記事をご参考ください。
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【高血圧】ARB(アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬)の作用機序と薬剤一覧の紹介
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●ビンマックカプセル61mg(一般名:タファミジス)
:「トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ビンマック(タファミジス)の作用機序:ビンダケルとの違い【ATTR-CM】
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既存薬のビンダケルカプセル(一般名:タファミジスメグルミン)は1日1回4カプセルの服用が必要でしたが、ビンマックは1カプセルでOKな製剤です。
●オンデキサ静注用200mg(一般名:アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)
:「直接作用型第Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン又はエドキサバントシル酸塩水和物)投与中の患者における、生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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オンデキサ(アンデキサネット)の作用機序【DOAC(抗Ⅹa薬)の中和】
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DOACの中でもⅩa因子阻害薬(抗Ⅹa薬)の抗凝固作用を中和するデコイタンパク質製剤です!これまで抗Ⅹa薬の中和剤はありませんでした。
DOACの一覧については以下の記事をご参考ください。
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DOAC(直接経口抗凝固薬)の一覧表と作用機序のまとめ【心原性脳塞栓症】
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●エフメノカプセル100mg(一般名:プロゲステロン)
:「更年期障害及び卵巣欠落症状に対する卵胞ホルモン剤投与時の子宮内膜増殖症の発症抑制」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
●ミダフレッサ静注0.1%(一般名:ミダゾラム)
:「てんかん重積状態」を効能・効果とする新用量医薬品。
これまでは小児のてんかん重積状態のみでしたが、成人の用法・用量が追加されます。
製剤は異なりますが、同有効成分(ミダゾラム)を含有するブコラム口腔用液の記事で作用機序を解説しています。
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ブコラム口腔用液(ミダゾラム)の作用機序・特徴【てんかん】
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2021年9月3日の審議品目:1製品
●エンレスト錠100mg、同錠200mg(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)
:「高血圧症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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エンレスト(サクビトリルバルサルタン)の作用機序【心不全】
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添付文書上の効能・効果には制限ありませんが、「原則として第一選択薬としない」ことを明確に示すことで了承されています。基本は第二・第三選択として使用が見込まれますね。
あとがき
今回の注目はDOACの抗Ⅹa薬中和剤のオンデキサ(アンデキサネット)でしょうか。
DOACの中でもトロンビン阻害薬のプラザキサ(ダビガトラン)については、出血時に中和抗体薬であるプリズバインド(イダルシズマブ)が使用可能でしたが、抗Ⅹa薬に対しては中和剤がありませんでした。
重篤な出血は避けたいところですが、一定の割合で出血が生じることもあります。これまでは対処療法しかありませんでしたが、中和剤が新たな選択肢として期待できると思います。
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DOAC(直接経口抗凝固薬)の一覧表と作用機序のまとめ【心原性脳塞栓症】
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その他、アトピー性皮膚炎に対する新規外用薬のモイゼルト軟膏(ジファミラスト)も新たな作用機序のため、治療選択肢の幅が広がりました。近年では外用JAK阻害薬のコレクチム軟膏(デルゴシチニブ)もありますので、使い分け等が気になるところですね。
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コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の作用機序【アトピー性皮膚炎】
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以上、今回は2021年8月30日の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要についてご紹介しました♪
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