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厚労省は2017年5月18日、レミケード点滴静注用(一般名:インフリキシマブ遺伝子組換え)のクローン病における投与間隔の短縮を可能にする用法用量追加ついて承認したと発表がありました!
本日はクローン病とレミケードの作用機序についてご紹介いたします☆
クローン病とは
大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といい、クローン病もこの疾患の一種とされています。
ちなみに、この疾患を最初に見つけたのが、アメリカのクローン先生であったことから、クローン病と名付けられています。
クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりえますが、小腸と大腸を中心として特に小腸末端部が好発部位です。
非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とし、それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じます。
そしてこのクローン病の発生原因は未だ不明とされていますが、炎症性疾患であることから、炎症サイトカインであるTNFαや各IL(インターロイキン)が関わっていると考えられています。
クローン病の治療
クローン病は、その病状により、「軽症」「中等症」「重症」に分類されております。
クローン病は原因が不明であるため、腸管の炎症を抑えて症状を鎮め寛解に導くこと、そして炎症のない状態を維持することが治療の主な目標になります。
内科的治療(薬物療法と栄養療法)が主体となりますが、内科的治療が有効でない場合や腸閉塞、穿孔などの合併症では外科治療が行われることもあります。
主な薬物療法は、以下の薬剤があり、重症度によって適宜併用して用います。
- 5-ASA製剤:メサラジン、サラゾスルファピリジン
- 副腎皮質ホルモン:ブレドニゾロン、ブデソニド
- 免疫調整薬:アザチオプリン、6-メルカプトプリン
これらの薬剤を使用しても症状が改善しない場合、「難治」とされ、難治性のクローン病に対して使用できる薬剤がレミケードです!
レミケード(一般名:インフリキシマブ)の作用機序
レミケードは抗原提示細胞等の産生する炎症性サイトカインのTNFαを阻害する薬剤です。
炎症の原因であるTNFαを阻害することができるため、クローン病の進行を抑え、症状を軽減する、といった作用機序を有しています!。
レミケード(一般名:インフリキシマブ)の用法・用量
既に通常用量(5mg/kgを8週間隔投与)で効果が減弱した患者さんに対しては増量投与(10mg/kgを8週間隔投与)ができていましたが、寛解状態を8週間維持できない患者さんが少なからず存在することが課題とされていました。
そこで、今回の承認で投与間隔を短くして薬剤強度を維持する5mg/kgの4週間隔投与が可能となりました。
今回の用法用量追加で、効果が減弱した患者さんには今まで通りの「10mg/kgの8週間隔投与」か、「5mg/kgの4週間隔投与」かの選択肢が増えることになります。
患者さんにとっては選択肢の幅が広がったことは朗報ではないでしょうか。
あとがき
同様の作用機序(TNFα阻害)を有する薬剤としてはヒュミラ(一般名:アダリムマブ)があります。
また、IL-12とIL-23を共に阻害するステラーラ(一般名:ウステキヌマブ)もあります。
今後はこれら薬剤の使い分け等について検討されれば興味深いと感じました!
以上、今回はクローン病とレミケード(インフリキシマブ)の作用機序についてご紹介しました。
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