新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】3製品+5製品(2024年10月30日)

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2024年10月30日、厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会にて、新薬として3製品の承認可否が審議され、すべて承認了承されました!

その他、報告のみで了承された5製品もあります。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
今回は新有効成分含有医薬品が2製品登場していますね!

 

今回は承認了承された新薬等の概要について紹介しています。

 

審議品目:3製品

●ブルキンザカプセル80mg(一般名:ザヌブルチニブ)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)および原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ブルキンザ(ザヌブルチニブ)の作用機序【CLL/WM/LPL】

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新規のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬ですね。

 

慢性リンパ性白血病(CLL)、原発性マクログロブリン血症(WM)、リンパ形質細胞リンパ腫(LPL)に対して、いずれも初回治療から使用可能です!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
既にBTK阻害薬は以下が承認されているので、今後の使い分けが気になるところ。

 

●バルバーサ錠3mg、同錠4mg、同錠5mg(一般名:エルダフィチニブ)
:「がん薬物療法後に増悪したFGFR3遺伝子変異又は融合遺伝子を有する根治切除不能な尿路上皮がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

バルバーサ(エルダフィチニブ)の作用機序【尿路上皮がん】

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新規の線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)チロシンキナーゼ阻害薬ですね。

 

既に胆道がんの領域では、以下のFGFR阻害薬が使用されていますが、尿路上皮がんの領域では初の登場となりました。

 

●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「局所進行子宮頸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の作用機序【消化器がん/MSI-High固形がん】

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子宮体がんに対しては既に適応を有していましたが、今後は子宮頸がんの化学放射線療法(シスプラチンを含む)との併用で使用可能となります。

 

報告品目:1製品

●カルケンス錠100mg(一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物)
:「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

カルケンス(アカラブルチニブ)の作用機序【CLL】

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現在承認されているカルケンスはカプセル剤で一般名は「アカラブルチニブ」でした。今回、追加されるのは一般名が「アカラブルチニブマレイン酸塩水和物」の錠剤です。

 

木元 貴祥
木元 貴祥
効能・効果や用法・用量については変更ないようです。

 

●イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500 mg(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え))
:「進行・再発の子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

イミフィンジ(デュルバルマブ)の作用機序と副作用【肺/胆/肝/子宮体がん】

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これまで、進行・再発の子宮体がんの一次治療はTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)が標準でしたが、これにイミフィンジを上乗せすることで生存期間の有意な延長が認められています!

 

また、ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の場合にはリムパーザ(オラパリブ)を上乗せします。

 

●リムパーザ錠100mg、同錠150mg(一般名:オラパリブ)
:「ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の進行・再発の子宮体がんにおけるデュルバルマブ(遺伝子組換え)を含む化学療法後の維持療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

リムパーザ(オラパリブ)の作用機序【卵巣/乳/膵/前立腺がん】

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ミスマッチ修復機能には、「正常(pMMR)」と「異常(dMMR)」がありますが、pMMRの進行・再発の子宮体がんの場合、TC療法+イミフィンジにリムパーザも上乗せします。

dMMRの場合は、TC療法+イミフィンジです。

 

●アレックスビー筋注用(一般名:RSウイルスPreF3抗原)
:「RSウイルスによる感染症の予防」を効能・効果とする新用量医薬品。

アレックスビー筋注用の作用機序【RSウイルス感染ワクチン】

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これまでは60歳以上が対象でしたが、50歳以上に拡大されました。

 

●ランダ注10mg/20mL、同注25mg/50mL、同注50mg/100mL(一般名:シスプラチン)
:「子宮頸がん」を効能・効果とする新用量医薬品。

 

先ほどの局所進行子宮頸がんに対するキイトルーダと化学放射線療法との併用で用いるための適応拡大ですね。

 

あとがき

今回、新有効成分含有医薬品としては以下の2製品で、いずれも既存の作用機序であるものの、新たな治療選択肢として期待できると思われます。

 

その他、進行・再発の子宮体がんの一次治療におけるTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)+イミフィンジ±リムパーザも、十年以上ぶりの一次治療に対する新規治療であるため、期待大です!!

 

木元 貴祥
木元 貴祥
予後延長が期待できそうです。

 

以上、今回は2024年10月30日の薬事審議会・医薬品第二部会で承認了承された新薬等についてご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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