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2022年11月25日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会にて7製品が審議され、全て承認が了承されました。
その他、報告のみで了承された3製品もあります。
審議品目:7製品
●ラジカット内用懸濁液2.1%(一般名:エダラボン)
:「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
これまで、ラジカットは点滴静注製剤しかありませんでしたので、来院して投与するか、在宅訪問による投与のみでした。
今回、初の経口薬の登場ですので、利便性や通院頻度の軽減が期待できるのではないでしょうか。
●ネキソブリッド外用ゲル5g(一般名:パイナップル茎搾汁精製物)
:「深達性II度又はIII度熱傷における壊死組織の除去」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
壊死組織の主要な構成成分であるタンパク質を分解することで、正常組織を傷害せずに壊死組織を選択的に除去することが可能となります。
入院が必要な重症熱傷に対して、塗布してから4時間後に除去するといった使い方です。
●ガラフォルドカプセル123mg(一般名:ミガーラスタット塩酸塩)
:「ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病」を効能・効果とする新用量医薬品。
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ガラフォルド(ミガーラスタット)の作用機序と副作用【ファブリー病】
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現在は16歳以上に使用できますが、今回、12歳以上から使用可能となります!
●アリドネパッチ27.5mg、同パッチ55mg(一般名:ドネペジル)
:「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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アリドネパッチ(ドネペジル)の作用機序【アルツハイマー型認知症】
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ドネペジルでは初の経皮吸収型製剤の登場です!
類薬のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬では、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ(リバスチグミン)の経皮吸収型製剤がありますので、使い分けが気になるところでしょうか。
●トレプロスト吸入液1.74mg(一般名:トレプロスチニル)
:「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
プロスタグランジン(PG)I2製剤に分類されていますね。トレプロストは注射剤しかありませんでしたが、今回、ネプライザーを用いた吸入剤が追加されました。
PGI2製剤では類薬のベンテイビス吸入液(イロプロスト)が既に吸入剤として使用されています。
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ベンテイビス吸入液(イロプロスト)の作用機序【肺動脈性高血圧症】
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●ヴィアレブ配合持続皮下注(一般名:ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物)
:「レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤。
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ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ)の作用機序【パーキンソン病】
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手術を必要とすることなく、血中濃度を一定に保ち、効果を持続させることが可能になります。
●タバリス錠100mg、同150mg(一般名:ホスタマチニブナトリウム水和物)
:「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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タバリス(ホスタマチニブ)の作用機序【ITP】
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脾臓マクロファージのチロシンキナーゼ(Syk)を選択的に阻害するといった新規作用機序を有している薬剤ですね。
報告品目:3製品
●マイトマイシン眼科外用液用2mg(一般名:マイトマイシンC)
:「緑内障観血的手術における補助」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
マイトマイシン自体は血液腫瘍や固形がんで使用されていますが、眼科領域では初の適応です。
緑内障手術部位における術後の瘢痕化には「線維芽細胞」が関与していますが、マイトマイシンが線維芽細胞の増殖を抑制することで、房水流出路の閉塞を低減し、術後の低眼圧を維持する効果を有することが期待されています。
ちなみに、既に承認されて抗がん剤として使用されているマイトマイシン注射用は原薬製造過程において無菌性の確保に影響しうる事実が判明したため、自主回収されて、現時点で供給再開の目途が立っていません。
そのため、抗がん剤のマイトマイシンおよび、今回の眼科用外用剤としてのマイトマイシンは、インドのIntas社から導入しているとのことです。
協和キリン|眼科用外用マイトマイシン C 製剤の国内製造販売承認申請について
協和キリン|抗悪性腫瘍剤用途のマイトマイシン C 製剤の国内一部変更承認申請について
●イーケプラ点滴静注500mg(一般名:レベチラセタム)
:「てんかん重積状態」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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イーケプラ(レベチラセタム)の作用機序と副作用【てんかん】
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てんかん診療ガイドラインには、てんかん重積状態の第2段階の治療選択肢として既にイーケプラ点滴静注が掲載(保険適応外として)されていましたが、今回、正式に承認される見込みです!
●スキャンドネストカートリッジ3%(一般名:メピバカイン塩酸塩)
:「歯科・口腔外科領域における伝達麻酔」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
既に「歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔」を効能・効果として承認されていましたが、「伝達麻酔」にも使用可能となります。それに伴い、効能・効果は「歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔」とされます。
なお、今回の報告品目は全て厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目でした。うち、イーケプラ点滴静注とスキャンドネストカートリッジは公知申請の事前評価済のため、既に保険償還されています。
あとがき
今回の第一部会では、新有効成分含有医薬品は4製品でした。
- ネキソブリッド外用ゲル:熱傷における壊死組織の除去
- アリドネパッチ:ドネペジルの経皮吸収型製剤
- ヴィアレブ配合持続皮下注:レボドパ/カルビドパの皮下注製剤
- タバリス錠:慢性特発性血小板減少性紫斑病
以上、今回は2022年11月25日の厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で承認了承された薬剤の概要をご紹介しました。
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