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2022年8月24日、厚労省は既存19製品の適応拡大を承認しました!
今回は概要を紹介します。
適応拡大:19製品
●オノアクト点滴静注50mg、同150mg(一般名:ランジオロール塩酸塩)
:「心機能低下例における上室頻拍、心房細動、心房粗動の頻脈性不整脈」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。
短時間作用型のβ1受容体拮抗薬で、小児の頻脈性不整脈としては初のβ1ブロッカーです!
●タグリッソ錠40mg、同80mg(一般名:オシメルチニブメシル酸塩)
:「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。
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タグリッソ(オシメルチニブ)の作用機序と副作用【肺がん】
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EGFR阻害薬では初の術後補助療法の適応ですね!
●キイトルーダ点滴静注100mg(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))
:「腎細胞がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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バベンチオ/キイトルーダ+インライタの作用機序【腎細胞がん】
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上記の記事では、進行・再発の腎細胞がんと、術後療法について解説しています♪
●リムパーザ錠100mg、同150mg(一般名:オラパリブ)
:「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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リムパーザ(オラパリブ)の作用機序【卵巣/乳/膵/前立腺がん】
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これまでは進行・再発の乳がんに対して使用されていましたが、術後薬物療法として使用可能になりました。
作用機序としては、PARP阻害薬に分類されていますね。類薬のゼジューラ(ニラパリブ)との違いについては、こちらの記事で解説しています。
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ゼジューラ(ニラパリブ)の作用機序【卵巣がん】
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●ポライビー点滴静注用30mg、同140mg(一般名:ポラツズマブベドチン(遺伝子組換え))
:「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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ポライビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・特徴【DLBCL】
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これまで、ポライビーは「再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」にしか使用できませんでしたが、今後は初回から使用可能となります!
初回から使用する場合、R-CHP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン)との併用です。
R-CHOP療法からビンクリスチンを除いたレジメンですね。
●フィラジル皮下注30mgシリンジ(一般名:イカチバント酢酸塩)
:「遺伝性血管性浮腫の急性発作」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
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フィラジル(イカチバント)の作用機序と副作用【遺伝性血管性浮腫(HAE)】
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ブラジキニンB2受容体拮抗薬で、これまでは成人の使用に限られていました。
今後は2歳以上の小児に対しても使用可能です。
●バイクロット配合静注用(一般名:乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第Ⅶ因子)
:「血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する患者の出血傾向の抑制」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
これまでは出血時に使用していましたが、「出血傾向の抑制」が新たに追加されました。
血友病A(第Ⅷ因子欠損)および血友病B(第Ⅸ因子欠損)では、欠損している血液凝固因子の補充療法が行われます。しかし、補充療法に対するインヒビター(中和抗体)が出現することがしばしばあり、補充療法による止血効果が著しく低下することがあります。
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ヘムライブラ(エミシズマブ)の作用機序と二重特異性抗体【血友病A】
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バイクロットは第Ⅷ因や第Ⅸ因の補充療法でインヒビターが生じた場合、第Ⅷ因や第Ⅸ因を迂回する血液凝固反応によって出血を抑制する「バイパス製剤」に位置付けられていますね。
●エプクルーサ配合錠(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル)
:「C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変又はC型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
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エプクルーサ配合錠(ベルパタスビル/ソホスブビル)の作用機序と特徴【C型肝炎】
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直接作用型抗ウイルス剤(DAA)で、これまでは前治療歴のある場合に使用されていました。今後は未治療患者さんに対しても使用が可能となります!
未治療のC型慢性肝炎・C型代償性肝硬変に対しては全てのジェノタイプに使用可能で、治療期間は「12週間」ですね。
類薬にはマヴィレット(ピブレンタスビル/グレカプレビル)があります。
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マヴィレット(ピブレンタスビル/グレカプレビル)の作用機序【C型肝炎】
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●ユルトミリス点滴静注300mg、同HI点滴静注300mg/3mL、同HI点滴静注1100mg/11mL(一般名:ラブリズマブ(遺伝子組換え))
:「全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新効能医薬品。
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ユルトミリス(ラブリズマブ)の作用機序:ソリリスとの違い【PNH】
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ユルトミリスは、ソリリス(エクリズマブ)の改良版製剤ですね!重症筋無力症に対しては、同じ治療ラインで使用可能です。
●レミフェンタニル静注用2mg「第一三共」、同5mg「第一三共」(一般名:レミフェンタニル塩酸塩)
:「集中治療における人工呼吸中の鎮痛」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。
選択的μオピオイド受容体作用薬ですね。
集中治療室(ICU)で治療を受ける際、様々な処置が行われるため、多様な要因によって疼痛を生じます。疼痛は、合併症を誘発するだけでなく、ICU滞在時間の延長やQOLの低下等に影響するため、疼痛管理が重要であるとされています。
●HMG注射用75単位「F」、同150単位「F」(一般名:ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン)
●HMG注用75単位「あすか」、同150単位「あすか」(一般名:ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン)
●HMG注射用75IU「フェリング」、同150IU「フェリング」(一般名:ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン)
:いずれも、「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を効能・効果とする新投与経路医薬品。
ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(HMG)で、卵胞刺激ホルモン(FSH)活性によって、卵胞の発育を促進すると考えられています。
●ゴナトロピン注用5000単位(一般名:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)
●HCGモチダ注射用5千単位、同1万単位(一般名:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)
●注射用HCG5,000単位「F」、同10,000単位「F」(一般名:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)
:いずれも、「生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化並びに一般不妊治療(体内での受精を目的とした不妊治療)における排卵誘発及び黄体化」を効能・効果とする新投与経路医薬品(ゴナトロピン注用5000単位は新効能・新用量医薬品)。
いずれも黄体形成ホルモン(LH)様作用を示すことから、最終的な卵胞成熟、排卵及び黄体化を誘導すると考えられています。
●ナサニール点鼻液0.2%(一般名:ナファレリン酢酸塩水和物)
●スプレキュア点鼻液0.15%(一般名:ブセレリン酢酸塩)
●ブセレリン点鼻液0.15%「F」(一般名:ブセレリン酢酸塩)
:いずれも、「生殖補助医療における早発排卵の防止」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。
いずれも性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニストです。
下垂体のGnRH 受容体の脱感作によって起きる内因性のゴナドトロピンの分泌を抑制する結果、黄体形成ホルモン(LH)サージを抑制し、早発排卵を防止します。
あとがき
不妊治療関連の9製品については、事前評価済の公知申請の製品です。そのため、既に保険償還は可能とされていましたが、今回から正式に保険償還の対象となります。
- タグリッソ(オシメルチニブ):NSCLCの術後補助療法
- キイトルーダ(ペムブロリズマブ):腎細胞がんの術後補助療法
- リムパーザ(オラパリブ):乳がんの術後補助療法
今後、更なる適応拡大にも期待したいと思います。
以上、今回は2022年8月24日に適応拡大が承認された薬剤の概要をご紹介しました♪
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