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厚労省は2015年9月28日、「表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)」を効能・効果とするゼビアックスローション2%(一般名:オゼノキサシン)を承認したと発表がありました!
適応菌種はオゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌です。
“ざ瘡”は、いわゆるニキビのことです。
今回はざ瘡(ニキビ)とゼビアックス(オゼノキサシン)の作用機序についてご紹介します。
皮膚のターンオーバー(分化)
皮膚の細胞は、基底層という一番下の層で作られ、徐々に変化を伴いながら表面へと押し上げられていきます。
具体的には、
基底層⇒有棘層(有棘細胞)⇒顆粒層(顆粒細胞)⇒角質層(角質細胞)の順番に徐々に表面へ押し上げられます。
そして最終的には角質細胞が剥がれ落ちます。
このような一連の流れをターンオーバー(分化)と呼んでおり、約28日を1サイクルとして繰り返されています。
ざ瘡(ニキビ)とは
ざ瘡は、様々な原因で毛穴の角質層が厚くなっていて、毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌などの細菌が繁殖することで炎症を引き起こす疾患です。
よくできる部位としては顔ですよね。
思春期の男女に多く発症することが知られていますが、30歳前後までみられることもあります。
主な原因としては、
- 食生活(脂が多めの食事の過量摂取)
- ホルモンバランスの崩れ
- 便秘
- ストレスや睡眠不足
などがあります。
ざ瘡(ニキビ)の症状
症状としては、
- 毛穴に皮脂が詰まる「面皰(めんぽう)」
- 赤く腫れて痛む「紅色丘疹」
- 膿が溜まる「膿疱」
などがあります。
これらの症状は、見た目にも関わるため、進行してしまうとQOLを著しく低下させてしまいます。
従って、初期の段階からしっかりと治療を行うことが重要です。
ざ瘡(ニキビ)の治療
面皰・紅色丘疹・膿疱などの症状や程度に応じて、薬剤による治療が行われます。
主に用いられる薬剤しては以下があります。
<炎症を抑える薬>
- ディフェリン(アダパレン外用薬)
- ステロイド
<アクネ菌等を殺菌する薬>
- 抗菌薬の外用・内服
- ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の外用
これらの薬剤を単剤もしくは適宜併用して治療を行います。
今回ご紹介するゼビアックスは、上記の抗菌薬に分類されています。
ゼビアックス(一般名:オゼノキサシン)の作用機序
ゼビアックスは「ニューキノロン系抗生物質」と呼ばれる抗菌薬です。
アクネ菌は増殖する際にDNAを複製する必要があります。
このDNAの複製に関与するタンパク質の一つに“DNAジャイレース”というタンパク質があり、複製過程では重要なタンパク質です。
今回ご紹介するゼビアックスは、このアクネ菌の増殖(複製)に関与するDNAジャイレースを選択的に阻害することで、アクネ菌の増殖を抑制させ、ニキビを治療する、といった作用機序を有しています。
あとがき
にきび治療はこれら薬剤を単独もしくは組み合わせて行っていきますので、今回承認されたゼビアックスもこの選択肢の一つとして位置づけられることと思います。
今後は、投与順序や最適な組み合わせ等が検討されていけばより興味深いと考えます!患者さんにとっては抗菌薬の選択肢の幅が広がったことは朗報ではないでしょうか。
以上、本日はざ瘡に対するゼビアックスをご紹介いたしました。
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