新薬承認・薬価収載

【第二部会:期待の新薬】4製品+6製品(2019年8月23日)

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2019年8月23日、厚労省の薬食審医薬品第二部会は新薬等4製品の承認可否について審議し、全て承認を了承しました。

その他、審議なしで承認了承された6製品もあり、バイオシミラーも含まれています。

 

今回は一覧としてご紹介しますね。

 

審議品目:4製品

●ラスビック錠75mg(一般名:ラスクフロキサシン塩酸塩)
:「咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎などの感染症」を適応症とする新有効成分含有医薬品。

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序・特徴【細菌感染】

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木元 貴祥
木元 貴祥
10年以上ぶりの経口ニューキノロン系抗菌剤です!特徴は肺への移行性が高いとのこと。

 

●イスパロクト静注用500、同1000、同1500、同2000、同3000(一般名:ツロクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え))
:「血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

イスパロクト静注用の作用機序・特徴:ノボエイトとの違い【血友病A】

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いわゆる血友病Aの補充療法ですね。ノボエイトの改良版みたいな感じです。

 

●ベネクレクスタ錠10mg、同50mg、同100mg(一般名:ベネトクラクス)
:「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ベネクレクスタ(ベネトクラクス)の作用機序と副作用【CLL/AML】

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日本初のBCL-2阻害薬に分類されています!

 

●オテズラ錠10mg、同20mg、同30mg(一般名:アプレミラスト)
:「局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍」を効能・効果とする新効能医薬品。

オテズラ(アプレミラスト)の作用機序【乾癬/ベーチェット病】

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木元 貴祥
木元 貴祥
この効能・効果を有する薬剤は国内初とのことです。

 

報告品目:6製品

●テセントリク点滴静注840mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
:「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」の新効能・新用量・剤形を追加する医薬品。
●アブラキサン点滴静注100mg(一般名:nab-パクリタキセル):テセントリクの乳がん適応との併用に伴う新用量医薬品。

テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】

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乳がんでは初の免疫チェックポイント阻害薬の登場ですね!投与量に合わせて840mg製剤が追加されています。(これまでは1200mg製剤のみ)

 

木元 貴祥
木元 貴祥
また、テセントリクと併用するためにアブラキサンの用法・用量が追加されていますね。

 

●ベバシズマブBS点滴静注用100mg、400mg「第一三共」(一般名:ベバシズマブ(遺伝子組換え)〔ベバシズマブ後続2〕)
:「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とするバイオ後続品。

アバスチン(ベバシズマブ)の作用機序とバイオシミラー【大腸がん】

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「ファイザー」に引き続いて2製品目のアバスチンのバイオシミラーですね。適応と用法が先発品と異なりますので上記記事で一覧表を作成しています。

 

●アービタックス注射液100mg(一般名:セツキシマブ(遺伝子組換え))
:効能・効果である「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」が「RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」に改められます。

 

●リツキシマブBS点滴静注100mg、400mg「ファイザー」(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)〔リツキシマブ後続2〕)
:「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎」を効能・効果とするバイオ後続品。

 

●ベンリスタ点滴静注用120mg、400mg(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え))
:効能・効果の「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」に5歳以上の小児の用法・用量を追加する新用量医薬品。

ベンリスタ(ベリムマブ)の作用機序【エリテマトーデス】

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2017年に成人に対して承認・発売されましたが、今後は小児にも適応拡大が期待されていますね。

 

あとがき

今回は、新薬として慢性リンパ性白血病(CLL)に使用するベネクレクスタが期待です!

 

これまでCLLは治療選択肢が少なく、海外と日本でのドラックラグも非常に大きかったのですが、近年では相次いで日本でも選択肢が増えてきています。

ベネクレクスタはまずは再発・難治の適応ですが、今後は初回治療への適応拡大も期待されていますね。

ベネクレクスタ(ベネトクラクス)の作用機序と副作用【CLL/AML】

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その他、10年以上ぶりの経口ニューキノロン系抗菌薬のラスビック錠はどういった対象に使用されていくのか興味深いです。肺への移行性が高いという特徴があるようですが、臨床的にはどうなのでしょうか?

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序・特徴【細菌感染】

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以上、今回は2019年8月23日の厚労省の薬食審医薬品第二部会で承認了承された薬剤を一覧としてご紹介しました!

 

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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