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2026年8月26日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、「片頭痛発作の発症抑制」を効能・効果とするビエプチ点滴静注(エプチネズマブ)の承認可否が審議される予定です!
現時点では未承認のためご注意ください。
ルンドベック・ジャパン|申請のニュースリリース
基本情報
| 製品名 | ビエプチ点滴静注100mg |
| 一般名 | エプチネズマブ(遺伝子組換え) |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | ルンドベック・ジャパン(株) |
| 効能・効果 | 片頭痛発作の発症抑制 |
| 用法・用量 | 通常、成人には3カ月ごとに100mgを点滴静注? 効果不十分な場合は300mgに増量可(約30分かけて点滴静注)? |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
ビエプチは、新規の抗CGRP抗体薬ですね。既に片頭痛領域では、以下のCGRP関連抗体薬が登場しています。
- エムガルティ(ガルカネズマブ):抗CGRP抗体薬
- アジョビ(フレマネズマブ):抗CGRP抗体薬
- アイモビーグ(エレヌマブ):抗CGRP受容体抗体薬
今回は片頭痛とビエプチ(エプチネズマブ)の作用機序について紹介していきます。
片頭痛とは
片頭痛は日本人の約10%(約1000万人)に認められる疾患です。
年代としては20歳~40歳代、性別は女性に多いとされています(男:女=1:4)。
もしかしたら今ご覧の方々でも経験されたことがあるかもしれません。
症状としては
- ズキズキと脈打つような痛み
- 頭の片側に急に起こる
- 一度発症すると4~72時間くらい持続する
が特徴的です。
人によっては前兆症状として
- 目のちらつき(キラキラした感じ)
- 視野が狭くなる
- しびれ
- 言語障害
といった症状が現れることもあります。
片頭痛を発症しやすい要因として、
- ストレス
- 睡眠不足
- 高血圧
- ホルモンバランスの乱れ
などが知られていますね。
片頭痛の原因:三叉神経血管説
片頭痛の原因は、明確には解明されていませんが、
- 血管説(セロトニン説)
- 神経説
- 三叉神経血管説
などが提唱されています。1)
最近では、最も有力なのは「三叉神経血管説」と言われています。
何らかの原因で三叉神経が刺激されると、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの血管作動性物質が分泌されることが知られています。
CGRPは血管拡張作用がある物質で、血管のCGRP受容体に作用すると、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。
その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、これらの作用によって片頭痛が引き起こされます。

このように血管の過度な拡張と炎症反応によって片頭痛が生じると考えられています。
片頭痛の治療
片頭痛の治療薬には、
- 急性期治療薬(片頭痛の治療目的)
- 予防薬(片頭痛の予防目的)
があります。
急性期治療薬 (片頭痛の治療目的)
今起こっている片頭痛を速やかに消失させる目的の薬です。
重症度に応じて、
- 軽度~中等度:アセトアミノフェン、NSAIDsなど
- 中等度~重度:トリプタン製剤
の使用が推奨されています。
ただし、軽度~中等度の頭痛でも、アセトアミノフェンやNSAIDsの効果が無い場合、トリプタン製剤に変更することもあります。
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【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
続きを見る
2022年には新規経口薬のレイボー(ラスミジタン)も登場しました。特に、トリプタン製剤が禁忌とされている脳心血管疾患の既往患者さんなどでは、使用が広がりそうですね。
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-
レイボー(ラスミジタン)の作用機序・トリプタンとの違い【片頭痛】
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吐き気や嘔吐を併発している場合、制吐薬(プリンペランやナウゼリン等)を併用します。
予防薬 (片頭痛の予防目的)
片頭痛発作が月に2回以上または6日以上ある場合、予防療法が行われることがあります。1)
主に使用される薬剤は以下です。
- カルシウム拮抗薬
- 抗てんかん薬
- β遮断薬
- 抗うつ薬
- 漢方薬
近年では、経口CGRP受容体拮抗薬のナルティーク(リメゲパント)やアクイプタ(アトゲパント)も登場しました。
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アクイプタ(アトゲパント)の作用機序:ナルティークとの違い【片頭痛】
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今回ご紹介するビエプチは3か月毎の点滴静注で片頭痛の発症予防効果が期待されている薬剤です!新たな治療選択肢として期待できますね。
それではビエプチの作用機序について解説していきます。
ビエプチ(エプチネズマブ)の作用機序
ビエプチは片頭痛の発症に関与していると考えられているCGRPを選択的に阻害する抗CGRP抗体薬です。
CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)
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CGRPの働きが阻害されることで三叉神経付近の過度な血管拡張・炎症が抑制され、片頭痛の発症を予防すると考えられています。
エビデンス紹介:EVOLVE-1/2試験、REGAIN試験
根拠となる臨床試験の一部をご紹介します。主には以下の海外で行われた第Ⅲ相試験です。
- PROMISE-1試験2):反復性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験
- PROMISE-2試験3):慢性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験
- SUNRISE試験4):アジア(日本人含む)の慢性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(長期)
PROMISE-1試験は反復性片頭痛患者さんを対象に、ビエプチ100mg、ビエプチ300mg、プラセボを比較した第Ⅲ相試験です。
主要評価項目は「1〜12週の月間片頭痛日数(MMD)のベースラインからの平均変化」とされ、結果は以下の通りでした。
| プラセボ | ビエプチ 100mg |
ビエプチ 300mg |
|
| MMDのベーススラインからの平均変化 | -3.2日 | −3.9日 | −4.3日 |
| プラセボとの差:いずれもp<0.05 | |||
その他の臨床試験においても、プラセボと比較してビエプチによって有意な片頭痛抑制効果が得られていました!
副作用
正式承認後に更新予定です。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、3か月毎の点滴静注とされていました。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
エムガルティはこんな薬
- 片頭痛の発症を予防する
- CGRPを選択的に阻害する抗CGRP抗体薬
- 3か月に1回の点滴静注
これまで片頭痛の発症予防はカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬の連日投与が基本でした。
国内初のCGRP関連治療薬としてエムガルティが登場し、その後も様々なCGRP関連薬が登場しました。以下の記事で抗体薬についてまとめています。
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エムガルティ(ガルカネズマブ)の作用機序:アジョビ・アイモビーグとの違い【片頭痛】
続きを見る
予防に使用するCGRP関連抗体はこれまで全て皮下注製剤でしたが、ビエプチは初の点滴静注製剤として、確実な投与・即効性が期待されています。
片頭痛の代表的な急性期治療薬であるトリプタン製剤については以下の記事で作用機序や一覧表を作成していますので、併せてご覧くださいませ。
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【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
続きを見る
2022年には5-HT1B受容体作動薬のレイボー(ラスミジタン)も登場しています。
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レイボー(ラスミジタン)の作用機序・トリプタンとの違い【片頭痛】
続きを見る
以上、今回は片頭痛とビエプチ(エプチネズマブ)の作用機序について紹介しました!
参考資料・論文等
- 日本頭痛学会|頭痛の診療ガイドライン2021、CGRP 関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)
- PROMISE-1試験:Cephalalgia. 2020 Mar;40(3):241-254.
- PROMISE-2試験:Neurology. 2020 Mar 31;94(13):e1365-e1377.
- 6. SUNSET試験:J Headache Pain. 2025 Nov 22;26(1):275.
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