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2026年8月3日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、「後天性視床下部性肥満」を対象疾患とするイムシブリー皮下注(セトメラノチド)の承認が了承されました!
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | イムシブリー皮下注10mg |
| 一般名 | セトメラノチド酢酸塩 |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | リズムファーマ(株) |
| 効能・効果 | 後天性視床下部性肥満 |
| 用法・用量 | 通常、成人及び4歳以上の小児には、1日1回、0.5mgから皮下投与を開始する。 1週間毎に年齢及び体重に応じて0.5mg又は1.0mgずつ、年齢及び体重に応じた1回用量まで漸増する。 なお、患者の状態に応じて、年齢及び体重に応じた1回用量を超えない範囲で適宜増減する。 |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
イムシブリーは国内初のメラノコルチン4型受容体(MC4R)作動薬で、後天性視床下部性肥満に対する初の治療薬です。
今回は後天性視床下部性肥満と共に、イムシブリー(セトメラノチド)の作用機序やエビデンスについて解説していきます。
後天性視床下部性肥満とは
後天性視床下部性肥満は、頭蓋咽頭腫などの脳腫瘍やその外科的切除、放射線治療、外傷などによって視床下部が物理的損傷を受けることで後天的に生じる急激かつ持続する体重増加を特徴とする希少疾患です。1)
視床下部の摂食調節機構が破綻し、空腹や満腹を感じさせる信号が脳にうまく送られなくなるため、コントロール不能な過食と急速で著しい体重増加(肥満)を引き起こします。
2型糖尿病や心疾患などを合併するリスクが高いにもかかわらず、これまでの食事・運動・薬物療法では効果が乏しく、有効な治療法が存在していませんでした。
レプチン・メラノコルチン経路
視床下部において食欲と代謝を制御する上で重要なのが「レプチン・メラノコルチン経路」です。

通常、脂肪細胞(脂肪組織)から分泌されるレプチンが視床下部にあるPOMCニューロンに作用すると、α-MSH(α-メラノサイト刺激ホルモン)が分泌されます。
このα-MSHがMC4R(メラノコルチン4型受容体)に作用することで、満腹シグナルが伝達され、エネルギー消費の促進や体重調節が行われます。
しかし、後天性視床下部性肥満では、視床下部の物理的損傷や構造異常によってPOMCニューロンなどが障害され、α-MSHが分泌されなくなります。

イムシブリー(セトメラノチド)の作用機序:MC4R作動薬
イムシブリーは、MC4Rを選択的に刺激するメラノコルチン4型受容体(MC4R)作動薬です。
末梢から投与されたイムシブリーは血液脳関門を通過し、視床下部の損傷によって分泌されなくなったα-MSHの代わりに直接MC4Rに作用してシグナルを活性化させます。2)

上記作用によって、遮断されていたMC4R経路の機能を正常化させ、異常な食欲(過食)を抑え、エネルギー消費を増加させることで体重を減少させます。
エビデンス紹介:TRANSCEND試験
根拠となった臨床試験(TRANSCEND試験)をご紹介します。3)
本試験は、後天性視床下部性肥満を有する4歳以上の患者さんを対象に、イムシブリーの有効性・安全性をプラセボと比較した国際共同第Ⅲ相臨床試験です(日本人を含む)。
本試験の主要評価項目は「52週時点におけるベースラインからのBMIの平均変化率」とされ、結果は以下の通りでした。
| イムシブリー群 | プラセボ群 | |
| ベースラインからの BMIの平均変化率 |
-16.5% | +3.3% |
| p<0.0001 | ||
副作用
正式承認後に更新予定です。
臨床試験では、皮膚色素沈着、注射部位反応、胃腸障害、頭痛などが報告されていました。
用法・用量
通常、成人及び4歳以上の小児には、1日1回、0.5mgから皮下投与を開始します。1週間毎に年齢及び体重に応じて0.5mg又は1.0mgずつ、年齢及び体重に応じた1回用量まで漸増します。
なお、患者の状態に応じて、年齢及び体重に応じた1回用量を超えない範囲で適宜増減
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
イムシブリーはこんな薬
- 国内初のメラノコルチン4型受容体(MC4R)作動薬
- 後天性視床下部性肥満に対する初の治療薬
- MC4R経路の機能を正常化させ、異常な食欲を抑えてエネルギー消費を増加させる
- 1日1回皮下投与
これまで、天性視床下部性肥満では有効な治療薬がなかったことから、イムシブリーは新規作用機序の治療選択肢として期待されますね!
以上、今回は後天性視床下部性肥満と共に、イムシブリー(セトメラノチド)の作用機序やエビデンスについて解説しました!
引用文献・資料等
- 日本内分泌学会|視床下部性肥満
- touchREV Endocrinol. 2024 Oct;20(2):62-71.
- TRANSCEND試験:N Engl J Med 2026;395:138-150
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