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ネイリン(ホスラブコナゾール)の作用機序と副作用【爪白癬】

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爪白癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品のネイリンカプセル100mg(一般名:ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物)が2018年1月19日に承認されました!

 

本日は爪白癬とネイリン(ホスラブコナゾール)の作用機序についてご紹介します^^

 

爪白癬について

爪白癬は一般的に爪水虫と呼ばれ、水虫と同一の原因菌(真菌)が爪の中に侵入することで発症する病気です。

爪の病気の中ではこの爪白癬が多くを占めています。

また、真菌細胞とヒト細胞の異なる点として、以下があります。

  1. 細胞膜の主成分が「エルゴステロール
  2. 細胞壁を有する

 

特にヒト細胞の細胞膜の主成分は「コレステロール」ですが、真菌細胞の細胞膜の主成分は「エルゴステロール」である点が重要です。

 

ネイリン(一般名:ホスラブコナゾール)の作用機序

ネイリンは、アゾール系抗真菌薬に分類され、真菌の細胞膜の主成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示します。

また、ネイリンは主活性成分のラブコナゾールの溶解性や生体内利用率を向上させたプロドラッグで、ヒトに投与されると速やかにラブコナゾールに変換されるといった特徴があります☆

 

エビデンス紹介(国内第Ⅲ相試験)

承認の根拠となった臨床試験を紹介します。

本試験は日本人爪白癬患者さんを対象に、ネイリンもしくはプラセボを1日1回12週間経口投与し、その後、36週間を無治療で観察した第Ⅲ相臨床試験です。1)

 

主要評価項目は「投与開始48週後の完全治癒率」でした。

試験群 ネイリン群 プラセボ群
投与開始48週後の完全治癒率 59.4% 5.8%
P<0.001

 

1)添付文書

 

ネイリンの用法・用量

用法用量は、1日1回1カプセルを12週間、経口投与します。

 

ネイリンの副作用

主な副作用としてはγ-GTP増加、ALT/AST増加、腹部不快感、血中ALP増加などがあります。

 

薬価

収載時(2018年5月22日)の薬価は以下の予定です。

  • 100mg1カプセル 804.60円

 

薬価の算定方法については以下の記事をご参照ください。

 

類薬

経口投与の類薬にはイトリゾールカプセル(一般名:イトラコナゾール)やラミシール錠(テルビナフィン塩酸塩)等があります。

 

最近では、外用薬(塗り薬)のルコナック爪外用液(一般名:ルリコナゾール)や、クレナフィン爪外用液(一般名:エフィナコナゾール)もありますので、今後の使い分けが気になるところですね。

 

ちなみに、爪白癬の経口剤としては約20年ぶりの新薬だそうです!

以上、本日は爪白癬とネイリンカプセルについてご紹介しました♪

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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