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厚労省は2017年9月27日、「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品のルパフィン錠10mg(一般名:ルパタジンフマル酸塩)を承認したと発表がありました!
本日はアレルギーとルパフィン(ルパタジン)の作用機序についてご紹介します^^
アレルギーについて
アレルギー性鼻炎や蕁麻疹を経験されている方は多くいらっしゃると思います。
代表的なものとして花粉症やハウスダストによる鼻炎・蕁麻疹があります。
花粉やハウスダスト等の異物が生体内に入ってくると、生体防御反応(免疫反応)としてアレルギー反応を引き起こします。
このアレルギー反応は人によって症状の強さが異なり、全く症状が出ない人から、鼻水・鼻閉・目が赤くなる・涙が止まらなくなる、等、症状が強く出る人まで様々です。
このようなアレルギー反応の症状に関わる因子として「ヒスタミン」が知られています。
生体内に入り込んだ異物(アレルゲン)がIgEを介して肥満細胞(マスト細胞)に結合すると、肥満細胞から大量のヒスタミンが分泌されます。
このヒスタミンがH1受容体(ヒスタミン受容体)に結合することで、様々なアレルギー関連症状が発現します。
ルパフィン錠(一般名:ルパタジンフマル酸塩)の作用機序と特徴
ルパフィン錠はヒスタミンが結合するH1受容体を競合的に阻害する薬剤で、第二世代の抗ヒスタミン薬に分類されています!
ヒスタミンとH1受容体の結合を抑制することによって、アレルギー関連症状の発現を抑制する、といった作用機序を有しています。
その他にもルパフィン錠は「抗PAF作用」を有することが示唆されています。
血小板活性化因子(PAF)は気管支の収縮や血管透過性の亢進に関与していると言われており、特に血管透過性が亢進するとアレルギー症状が発現しますので、それを抑えることで抗アレルギー作用を発揮します。
また、ルパフィンは生体内で代謝され、一部がデザレックス(デスロラタジン)に変換されます。
デザレックスは抗H1作用を有しているため、ルパフィンの投与によって、
- ルパフィンによる抗H1作用と抗PAF作用
- デザレックスによる抗H1作用
が得られると考えられます。
エビデンス紹介:アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹
承認の根拠となった臨床試験をご紹介します。
アレルギー性鼻炎1)と慢性蕁麻疹2)の国内第Ⅲ相臨床試験がありますが、いずれもプラセボに対するルパフィンの10mgもしくは20mgの1日1回投与(2週間)を比較した臨床試験です。
両臨床試験共に、プラセボに対するルパフィンの優越性が示されています。
ルパフィン錠の副作用
主な副作用は眠気(9.3%)、口渇、倦怠感などが報告されています。
眠気の頻度が約10%あることから、使用上の注意には以下の注意事項が記載されています。3)
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること
ルパフィン錠の用法・用量
服用は1日1回1錠(10mg)を経口投与します。
なお、症状に応じて1回あたりの投与量を2錠(20mg)に増量することも可能です。
ルパフィン錠の薬価
収載時(2017年11月22日時点)の薬価は以下の通りです。
- 10mg 1錠:69.40円(1日薬価:69.40円)
まとめ・あとがき
ルパフィンはこんな薬
- 抗ヒスタミン作用と抗PAF作用を有する
- 体内で一部デザレックスに代謝され、抗ヒスタミン作用を発揮する
現在、第二世代の抗ヒスタミン薬は既に多数販売されています。
皆さんの聞き覚えのあるような
ザジテン、セルテクト、アゼプチン、アレグラ、アレジオン、ジルテック、タリオン、ザイザル、アレロック、デザレックス、ビラノア等、多数の薬剤が既に販売されていますし、アレグラやアレロックは後発医薬品も販売されています。
ルパフィンは1日1回の投与で抗PAF作用も有していることから、既存の抗ヒスタミン薬では症状が抑えられなかった場合や、服用回数を減らしたい場合に使用できそうですね。
ただし、眠気の副作用には注意が必要です。ビラノアやデザレックスは眠気の副作用が少ないですが、少々効果が弱い印象もあります。
このような状況下でルパフィン錠がどう使用されていくのか興味深いと感じます。
以上、本日はアレルギーとルパフィン錠についてご紹介いたしました☆
引用文献・資料等
- アレルギー性鼻炎の国内第Ⅲ相試験:Allergol Int. 2018 Oct 31. pii: S1323-8930(18)30119-9.
- 慢性蕁麻疹の国内第Ⅲ相試験:Allergol Int. 2018 Jul 17. pii: S1323-8930(18)30083-2.
- ルパフィン錠 添付文書
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