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2026年1月23日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて「片頭痛発作の発症抑制」を対象疾患とするアクイプタ錠(アトゲパント)の承認可否が審議される予定です。
アッヴィ|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | アクイプタ錠10mg/30mg/60mg |
| 一般名 | アトゲパント水和物 |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | アッヴィ合同会社 |
| 効能・効果 | 片頭痛発作の発症抑制 |
| 用法・用量 | 1日1回経口投与? |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
アクイプタは、ナルティーク(リメゲパント)に次ぐ2製品目の経口CGRP受容体拮抗薬ですね。
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ナルティーク(リメゲパント)の作用機序:CGRP関連抗体薬との違い【片頭痛】
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- エムガルティ皮下注(ガルカネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2021年1月承認)
- アジョビ皮下注(フレマネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2021年6月23日承認)
- アイモビーグ皮下注(エレヌマブ):抗CGRP受容体抗体製剤(2021年6月23日承認)
ナルティークは「急性期治療」と「予防」の両方に使用可能ですが、アクイプタはまずは「予防」のみです。
現在、アクイプタも急性期治療に申請中(2025年12月申請)
今回は片頭痛とアクイプタ(アトゲパント)の作用機序・エビデンス、そしてナルティークとの違いについて紹介していきます。
片頭痛とは
片頭痛は日本人の約10%(約1000万人)に認められる疾患です。
年代としては20歳~40歳代、性別は女性に多いとされています(男:女=1:4)。
もしかしたら今ご覧の方々でも経験されたことがあるかもしれません。
症状としては
- ズキズキと脈打つような痛み
- 頭の片側に急に起こる
- 一度発症すると4~72時間くらい持続する
が特徴的です。
人によっては前兆症状として
- 目のちらつき(キラキラした感じ)
- 視野が狭くなる
- しびれ
- 言語障害
といった症状が現れることもあります。
片頭痛を発症しやすい要因として、
- ストレス
- 睡眠不足
- 高血圧
- ホルモンバランスの乱れ
などが知られていますね。
片頭痛の原因:三叉神経血管説
片頭痛の原因は、明確には解明されていませんが、
- 血管説(セロトニン説)
- 神経説
- 三叉神経血管説
などが提唱されています。1)
最近では、最も有力なのは「三叉神経血管説」と言われています。
何らかの原因で三叉神経が刺激されると、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの血管作動性物質が分泌されることが知られています。
CGRPは血管拡張作用がある物質で、血管のCGRP受容体に作用すると、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。
その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、これらの作用によって片頭痛が引き起こされます。

このように血管の過度な拡張と炎症反応によって片頭痛が生じると考えられています。
片頭痛の治療
片頭痛の治療薬には、
- 急性期治療薬(片頭痛の治療目的)
- 予防薬(片頭痛の予防目的)
があります。
急性期治療薬 (片頭痛の治療目的)
今起こっている片頭痛を速やかに消失させる目的の薬です。
重症度に応じて、
- 軽度~中等度:アセトアミノフェン、NSAIDsなど
- 中等度~重度:トリプタン製剤
の使用が推奨されています。
ただし、軽度~中等度の頭痛でも、アセトアミノフェンやNSAIDsの効果が無い場合、トリプタン製剤に変更することもあります。
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【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
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吐き気や嘔吐を併発している場合、制吐薬(プリンペランやナウゼリン等)を併用します。
ただし、トリプタン製剤は脳心血管疾患の既往患者さんなどは禁忌に該当するため、しばしば使いづらいことがありました。近年登場したレイボー(ラスミジタン)は、血管への影響がないため、使用が広がりつつあります。
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レイボー(ラスミジタン)の作用機序・トリプタンとの違い【片頭痛】
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類薬のナルティークは、ガイドライン1)においてトリプタン製剤やレイボーと同様のグループで推奨されています(ガイドライン掲載時は未承認)。しかしながら、アクイプタはまずは急性期には使用できないため注意が必要です。

予防薬 (片頭痛の予防目的)
片頭痛発作が月に2回以上または6日以上ある場合、予防療法が行われることがあります。1)
主に使用される薬剤は以下です。
- カルシウム拮抗薬
- 抗てんかん薬
- β遮断薬
- 抗うつ薬
- 漢方薬
2021年には新たな予防薬としてCGRP関連抗体薬も登場してきました。
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エムガルティ(ガルカネズマブ)の作用機序:アジョビ・アイモビーグとの違い【片頭痛】
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アクイプタは連日服用することで、片頭痛の予防効果が期待されています!
こちらもガイドライン1)において、アクイプタはCGRP関連抗体薬と同様のグループで推奨されています(ガイドライン掲載時は未承認)。

アクイプタ(アトゲパント)の作用機序・特徴
アクイプタは片頭痛の発症や痛みに関与していると考えられているCGRPの受容体を選択的に阻害するCGRP受容体拮抗薬です。2)
CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)
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CGRPの働きが阻害されることで三叉神経付近の過度な血管拡張・炎症が抑制され、片頭痛発症を予防すると考えられています。
血管への作用や禁忌項目:トリプタンやレイボーとの違い
ちなみに、トリプタン製剤は三叉神経終末5-HT1D受容体と血管内皮細胞5-HT1B受容体の作動薬です。
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【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
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血管内皮細胞5-HT1B受容体が刺激されると各種血管が収縮するため、
- 心筋梗塞
- 虚血性心疾患
- 脳血管障害
- 一過性脳虚血性発作の既往
- 末梢血管障害
- コントロールされていない高血圧症
などの患者さんに対して、トリプタン製剤は禁忌とされています。
アクイプタは、非臨床において高用量であっても血管や心臓に影響はほとんどないことが示唆されています。2)
そのため、アクイプタに血管系の禁忌はないと予想しています(正式承認後に更新)。
エビデンス紹介
予防および急性期の根拠となったそれぞれの臨床試験をご紹介します。
承認時点では予防のみとなる見込みのため、急性期には使用不可の予定です。
なお、日本でも同様の試験が実施されていましたが、ここでは海外のデータを紹介していきます。
予防:PROGRESS試験
予防の根拠となった代表的な臨床試験(PROGRESS試験)をご紹介します。3)
本試験は平均月間片頭痛日数が8日以上、平均月間頭痛日数が15日以上の成人慢性片頭痛患者さんを対象に、アクイプタ群(1日1回投与または1日2回投与)とプラセボ群を比較した国際共同大Ⅲ相試験です(日本人を含む)。
主要評価項目は「与開始から12週間における平均月間片頭痛日数のベースラインからの変化量」とされ、結果は以下の通りでした(代表としてアクイプタ群は1日1回投与群を掲載)。
| アクイプタ群 (1日1回投与群) |
プラセボ群 | |
| 与開始から12週間における 平均月間片頭痛日数の ベースラインからの変化量 |
−6.9日 | −5.1日 |
| p=0.0009 | ||
アクイプタの1日1回投与群で有意な予防効果が認められていますね!
参考までに、抗てんかん薬のトピラマートと直接予防効果を比較したTEMPLE試験において、アクイプタは有害事象による投与中止率がトピラマートと比較して低く、6つの副次評価項目についてもすべての項目でトピラマートと比較して統計学的に有意な改善を示したと報告されています。
アッヴィ、アトゲパントについて、片頭痛の予防におけるトピラマートとの第 III 相直接比較試験において、全評価項目で優位性を示す新たなデータを発表
急性期治療:ECLIPSE試験
続いて、急性期治療の根拠となった臨床試験をご紹介します。4)
現時点では論文未公表のため、メーカーのニュースリリースからの引用です。
本試験は片頭痛(前兆の有無を問わず)と診断され、スクリーニング前の 3か月間に中等度から重度の頭痛の片頭痛発作が毎月 2~8 回あった18歳から75歳の患者さんを対象に、アクイプタ(60mg)の単回投与群とプラセボ単回投与群を比較した国際共同第Ⅲ相試験です(日本人を含む)。
実際には片頭痛発作4回に渡り、4種類の投与順序(例:1回目アクイプタ、2回目プラセボ…)の二重盲検投与に無作為に割り付けられましたが、本記事では詳細は割愛します。
主要評価項目は、「投与後2時間における痛みの消失割合」とされ、結果は以下の通りでした(※主要評価項目は1回目の片頭痛発作を対象)。
| アクイプタ群 | プラセボ群 | |
| 投与後2時間における 痛みの消失割合 |
24.3% | 13.1% |
| オッズ比=2.36(95%CI:1.76~3.15)、 p<0.0001 |
||
副作用
正式承認後に更新予定です。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
ナルティークとの違い・比較
正式承認後に更新予定です。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
アクイプタはこんな薬
- ナルティークに次ぐ国内2製品目の経口CGRP受容体拮抗薬
- 片頭痛の予防に使用(急性期は申請中)
- 予防効果はトピラマートと同程度
片頭痛は近年、CGRP関連抗体薬等も登場し、薬剤開発が活発化しています。
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エムガルティ(ガルカネズマブ)の作用機序:アジョビ・アイモビーグとの違い【片頭痛】
続きを見る
以上、今回は片頭痛とアクイプタ(アトゲパント)の作用機序・エビデンスについて紹介しました!
参考資料・論文等
- 日本頭痛学会|頭痛の診療ガイドライン2021、CGRP 関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)、CGRP受容体拮抗薬リメゲパントを片頭痛治療においてどのように使用するか
- Clin Transl Sci. 2024 Jan 10;17(1):e13707.
- PROGRESS試験:Lancet. 2023 Sep 2;402(10404):775-785.
- ECLIPSE試験:アッヴィ、片頭痛の急性期治療における頭痛の消失に関してアトゲパントのプラセボに対する優越性を示す第 3 相 ECLIPSE 試験のデータを第 19 回欧州頭痛学会で発表
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