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2025年12月3日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて「後天性眼瞼下垂」を対象疾患とするアップニークミニ点眼液(オキシメタゾリン)の承認可否が審議される予定です!
参天製薬|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
| 製品名 | アップニークミニ点眼液0.1% |
| 一般名 | オキシメタゾリン塩酸塩 |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | 参天製薬(株) |
| 効能・効果 | 後天性眼瞼下垂 |
| 用法・用量 | 1日1回、患眼に1滴を点眼? コンタクトレンズを装用している場合は点眼前に外し、 点眼後15分以上あけてから再装着? |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
アップニークは、国内初の後天性眼瞼下垂の治療薬です!
有効成分のオキシメタゾリンは、OTCの鼻炎治療薬である点鼻薬の『ナシビンMスプレー』などとして既に販売されていますね。
今回は「眼瞼下垂」の解説と共に、アップニークミニ点眼液(オキシメタゾリン)の作用機序について解説していきます。
眼瞼下垂とは
皆さんは「最近、目が小さくなった気がする」「まぶたが重くて見えにくい」「おでこのシワが増えた」といった症状を感じたことはありませんか?
これらは眼瞼下垂(がんけんかすい)のサインかもしれません。
眼瞼下垂とは、上まぶた(上眼瞼)が垂れ下がってしまい、瞳孔(黒目)の一部が隠れて視野が狭くなる状態のことです。1)

参天製薬|疾患領域
主な原因によって、大きく「先天性」と「後天性」に分類されています。1)
- 先天性眼瞼下垂:先天的に上眼瞼挙筋の働きが不十分なことによるもの。片側性と両側性があり、片側性が多くの割合を占める。
- 後天性眼瞼下垂:加齢やコンタクトレンズの長期使用による眼瞼挙筋腱膜の退行によって生じ、年々増加傾向にある。その他、外傷や神経麻痺によるものもある。
近年では、パソコンやスマホの画面を見ながらの長時間の作業による眼精疲労から後天性の眼瞼下垂に進行することもあるようです。ドライアイなんかも同じですよね。
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重症筋無力症による眼瞼下垂も知られています。
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眼瞼下垂は、視野が狭くなることで物が見えにくくなるのはもちろんのこと、外見の見た目にも影響することから、QOLの低下につながる可能性もあります。
後天性眼瞼下垂の原因
通常、上まぶた(上眼瞼)の挙上には、メインの「上眼瞼挙筋」と、サブの「ミュラー筋」の収縮が携わっています。
- 上眼瞼挙筋:メインの筋肉。自分の意志で動かせる。動眼神経支配。
- ミュラー筋:サブの筋肉。自分の意志では動かせない。交感神経支配。
後天性の眼瞼下垂では、先ほどの加齢などの原因によって、上眼瞼挙筋やミュラー筋やそれを支配する神経の機能が落ちることで発症すると考えられています。

治療
後天性の眼瞼下垂は、原因や病態によっていくつかの分類(例:神経原性、筋原性、機械性など)があるものの、治療の基本は手術です。2)
主な術式
- 挙筋腱前転術
- ミュラー筋・瞼結膜切除術
- ミュラー筋短縮術
しかし、「手術は怖い」、「術後の傷のことが気になる」という患者さんも多く、「切らない治療(点眼薬)」の登場が待ち望まれていました。
アップニークミニ点眼液(オキシメタゾリン)の作用機序
アップニークの有効成分であるオキシメタゾリンは、アドレナリンα1/2受容体作動薬に分類されています。
実はこの成分、耳鼻科領域では点鼻薬の「ナシビンMスプレー」などの鼻づまり改善薬(血管収縮薬)として古くから使われている成分です。
前述の通り、上まぶた(上眼瞼)の挙上に関する筋肉には「上眼瞼挙筋」と「ミュラー筋」がありましたが、アップニークがターゲットとするのは後者の「ミュラー筋」です。
ミュラー筋は交感神経支配のため、アドレナリンα受容体が多く存在しています。
アップニークの点眼によってこの受容体が刺激されるとミュラー筋が収縮し、上まぶたが引き上げられて目がパッチリ開くというわけです!

エビデンス紹介
現時点では未公表です。
根拠となった臨床試験は、後天性眼瞼下垂の患者さんを対象に、アップニークミニ点眼液の1日1回点眼または1日2回点眼の有効性・安全性をプラセボと比較した国内第Ⅲ相臨床試験です。
詳細な結果は未公表ですが、メーカーのニュースリリースによると、主要評価項目の「投与14日後のMRD-1の変化量*」はアップニークミニ点眼液の1日1回点眼群において、プラセボ群と比較してMRD-1値の有意な改善が認められたとのことでした。
*MRD-1(Marginal Reflex Distance-1:前眼部撮影画像で特定される瞳孔中心から上眼瞼縁までの距離)
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
前述の臨床試験では、1日1回、患眼に1滴を点眼とされていました。
製品名に「ミニ」とある通り、海外と同様、1回使い切りの個包装(ディスポーザブル)容器になると予想されます。

Upneeq:https://www.upneeq.com/
なお、コンタクトレンズを装用している場合は、点眼前に外し、点眼後15分以上あけてから再装着することが推奨される見込みです(血管収縮作用によりレンズへ影響を与える可能性があるため)。
副作用
正式承認後に更新予定です。
主な副作用としては、眼の炎症、眼の充血、ドライアイ、視力低下、使用時の眼痛、眼刺激、頭痛などが報告されていました。
また、有効成分のオキシメタゾリンは血管収縮作用や交感神経刺激作用を有するため、緑内障や心血管系疾患の患者さんへの投与は注意が必要かもしれません。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
アップニークはこんな薬
- 国内初の後天性眼瞼下垂の治療薬(点眼)
- ミュラー筋のアドレナリンα受容体を刺激してまぶたを持ち上げる
- 手術をしたくない患者さんの新たな治療選択肢として期待大!
眼瞼下垂は視野が狭くなるだけでなく、無意識におでこの筋肉を使って目を開けようとするため、頭痛や肩こりの原因になることもあります。見た目にも影響することから、QOLの著しい低下にもつながっていました。
以上、今回は「後天性眼瞼下垂」の解説と共に、アップニークミニ(オキシメタゾリン)の作用機序について解説しました!
引用文献・資料等
- 日本眼科学会|眼瞼下垂
- 日本形成外科学会|形成外科診療ガイドラインシリーズ【第2版】
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