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2023年8月1日、HIV治療薬の1製品2剤形が承認されました!
HIV治療薬ということで、通常の薬価収載スケジュールとは異なり、同年8月9日に緊急薬価収載されました。
また、2023年8月2日には、新型コロナウイルスのワクチン3製品が承認・適応拡大されています。
2023年8月1日承認:1製品(2剤形)
●シュンレンカ錠300mg(一般名:レナカパビルナトリウム)
●シュンレンカ皮下注463.5mg(一般名:レナカパビルナトリウム)
:「多剤耐性HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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シュンレンカ皮下注/錠(レナカパビル)の作用機序【HIV】
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シュンレンカは、国内初のカプシド阻害薬のため、多剤耐性HIVに対しても効果が期待されています。
HIV-1感染症に対する注射薬は、ボカブリア/リカムビスに次ぐものですが、皮下注製剤としてはシュンレンカが初ですね。
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ボカブリア/リカムビス(カボテグラビル/リルピビリン)の作用機序【HIV】
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2023年8月2日承認・適応拡大:3製品
●ダイチロナ筋注(一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNA ワクチン)
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】
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初回免疫としては使用できず、18歳以上の追加免疫用として使用しますが、2023年9月より、追加接種時にはXBB.1系統を含有する1価のワクチンを用いる方針が示されているため、ダイチロナは対象となりません。
そのため、今回承認されたダイチロナは供給されない予定です。
現在、XBB.1.5系統1価ワクチンや、オミクロン株対応の2価ワクチン(jRCT2071220111)の臨床試験も進行中のため、今後の適応拡大が望まれます。
●スパイクバックス筋注(一般名:コロナウイルス(SARS- CoV-2)RNAワクチン)
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。
1価ワクチン(起源株)の6歳~11歳の初回免疫と、2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.1および起源株/オミクロン株BA.4-5)の6歳~11歳の追加免疫の用量が追加されました。
これまで1価ワクチン(起源株)は12歳以上しかなく、2023年2月11日で接種が終了していました(厚労省HP)。今後、6歳~11歳については初回免疫として起源株を接種し、追加免疫として2価ワクチンが使用可能となります。
●①コミナティRTU筋注②同RTU筋注1人用③同筋注5~11歳用④同筋注6か月~4歳用(一般名:コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン)
:「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。
2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.4-5)について、生後6か月以上の全年齢層における初回免疫と、生後6か月~4歳における追加免疫の用量の追加がされましたね。
以下の記事で現時点での情報を一覧表でまとめていますので、ご参照くださいませ~。
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コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】
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2023年8月9日:薬価収載の1製品(2剤形)
HIV治療薬のシュンレンカは、通常の薬価収載スケジュールとは異なり、2023年8月9日に薬価収載されました(スマホでは横スクロールができます)。
製品名 (一般名) |
規格 | 薬価 | 効能・効果 (簡略) |
シュンレンカ錠 (レナカパビル) |
300mg1錠 | 94,814.20円 | HIV |
シュンレンカ皮下注 (レナカパビル) |
1.5mL2瓶1組 | 3,208,604円 | HIV |
各薬剤の薬価算定方法は2023年8月2日の中医協の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。
シュンレンカ錠:原価計算方式【加算あり】
「HIV-1感染症」を効能・効果とする薬剤は複数ありますが、「多剤耐性HIV-1感染症」に対する薬剤はないことや、本剤と同様の薬理作用、組成及び化学構造等を持つ既収載品はないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されました。
よって、算定方式は原価計算方式です。
有用性加算(Ⅰ)(A=35%)、市場性加算(Ⅰ)(A=10%)の対象でしたが、原価の開示度が50%を下回ったため加算係数がゼロに。
2022年の診療報酬改定で開示度に応じた加算係数ですが、これまでにほとんどの新薬は加算係数ゼロでした。従って、特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。
- シュンレンカ錠300mg:94,814.20円
なお、加算の根拠は以下の通りです。新規作用機序かつ臨床試験での有用性が示された点が評価されていますね!
加算の根拠
- 有用性加算(Ⅰ):本剤は新規作用機序のカプシド阻害作用を有していること、また、本剤の臨床試験は多剤耐性HIV-1感染症患者を対象とし、既存の治療方法で効果不十分な症例において有用性が示されていることから、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)を適用することが適当と判断した。
- 市場性加算(Ⅰ):本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。
ピーク時の予測販売金額は3.3百万円です。
シュンレンカ皮下注:原価計算方式【加算あり】
こちらも同じ理由で原価計算方式で算定されました。
有用性加算(Ⅰ)(A=35%)、市場性加算(Ⅰ)(A=10%)の対象でしたが、同じく原価の開示度が50%を下回ったため加算係数はゼロです…。
- シュンレンカ皮下注463.5mg:3,208,604円
ピーク時の予測販売金額は4.5億円です。
あとがき
今回はHIV治療薬で初の皮下注投与が可能なシュンレンカを紹介しました。
HIV治療薬のため、通常のスケジュールとは異なり、2023年8月9日に緊急薬価収載されています。
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シュンレンカ皮下注/錠(レナカパビル)の作用機序【HIV】
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その他、新型コロナウイルスのワクチンも承認・適応拡大されました。ダイチロナは初の国産のmRNAワクチンのため、今後の使用拡大も期待できるのではないでしょうか。
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コミナティ、ダイチロナ、コスタイベなどの作用機序【新型コロナウイルス】
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以上、今回は2023年8月1~2日に承認された新薬と、8月9日薬価収載のHIV治療薬について概要を紹介しました!
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