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2018年3月23日、厚労省は「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品のベルケイド注射用3mg(一般名:ボルテゾミブ)を承認しました。
ベルケイドはプロテアソーム阻害薬に分類されている薬剤です。
今回はベルケイド(ボルテゾミブ)の作用機序についてご紹介します。
リンパ形質細胞リンパ腫/原発性マクログロブリン血症とは
リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL:Lymphoplasmacytic lymphoma)は、悪性リンパ腫の種類の1つに分類されている血液腫瘍です。
進行は比較的遅く、「低悪性度」に分類されている血液腫瘍です。
リンパ球や形質細胞が腫瘍化(がん化)してしまい、骨髄やリンパ節、脾臓、肝臓などに浸潤するのが特徴です。
リンパ形質細胞性リンパ腫の中には特に骨髄に浸潤して悪さをするものがいて、これを原発性マクログロブリン血症と呼んでいます。
リンパ形質細胞リンパ腫の治療薬
リンパ形質細胞性リンパ腫は、非常に進行が遅いため、症状がなければ経過観察を行います。
症状が出てきた際には、抗がん剤や分子標的治療薬などを適宜併用した治療が行われます。
がんの増殖とプロテアソーム
それではここから、がん細胞増殖のメカニズムとベルケイドの作用機序について簡単にご紹介します♪
がん細胞は細胞分裂のいくつかのプロセス(DNA複製期⇒分裂⇒休止期)を経てどんどん増殖していきます。
このプロセスの中には様々なタンパク質が関与していますが、細胞分裂が完了すると、それらのタンパク質は不要となりますので、“プロテアソーム”とよばれる酵素によって分解されます。
このように、プロテアソームが不要なタンパク質を除去することで、がん細胞の中には不要なタンパク質が蓄積しない仕組みになっています。
ベルケイド(一般名:ボルテゾミブ)の作用機序
ベルケイドはこの“プロテアソーム”を阻害する「プロテアソーム阻害剤」と呼ばれる薬剤です。
がん細胞のプロテアソームを阻害することで、がん細胞は不要なタンパク質を除去することができず、がん細胞中には不要なタンパク質がどんどん蓄積します。
その結果、がん細胞は細胞分裂ができなくなり、細胞自死(アポトーシス)が引き起こされる、といった作用機序を有するのがベルケイドです。
リンパ形質細胞リンパ腫/原発性マクログロブリン血症にベルケイドを使用する場合、単剤もしくは他の薬剤(例:リツキサンなど)と併用して用いられます。
類薬
ベルケイドは第一世代のプロテアソーム阻害剤に分類されています。
類薬には第二世代のカイプロリス(一般名:カルフィルゾミブ)がありますが、ベルケイドもカイプロリスも注射剤です。
最近では、初の経口プロテアソーム阻害剤であるニンラーロ(一般名:イキサゾミブ)も登場してきています。
ただし、適応が異なりますので、注意が必要です。
あとがき
リンパ形質細胞リンパ腫/原発性マクログロブリン血症に対するベルケイドは、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて公知申請が妥当と判断されていました。
従って、2017年9月頃より、保険償還は可能であったようです。
以上、今回はリンパ形質細胞リンパ腫/原発性マクログロブリン血症とベルケイド(ボルテゾミブ)の作用機序についてご紹介しました。
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