病態・薬治

病態・薬治:抗悪性腫瘍薬(17問)

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問1 白血病細胞の成熟白血球への分化を誘導し、アポトーシスを誘発する薬剤はどれか。

①ドキソルビシン

②プレドニゾロン

③トレチノイン

正解は③でした!

【解説】

トレチノインは急性前骨髄球性白血病の治療に使われ、白血病細胞の成熟白血球への分化を誘導し、アポトーシスを誘発する。

プレドニゾロンやドキソルビシンも白血病治療で用いられる薬剤であり、特にドキソルビシンは心筋障害に注意が必要である。

 

問2 慢性骨髄性白血病の治療に用いられるBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬はどれか。

①ブスルファン

②イマチニブ

③ヒドロキシカルバミド

正解は②でした!

【解説】

イマチニブは分子標的薬であり、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する。

ほかのチロシンキナーゼ阻害薬にはニロチニブやダサチニブなどがある。

ブスルファンとヒドロキシカルバミドは抗悪性腫瘍薬であり、白血病細胞数のコントロールを目的に投与される。

 

問3 多発性骨髄腫の治療薬であるサリドマイドに関する記述として正しいものはどれか。

①プロテアソームを阻害することにより、抗悪性腫瘍作用を示す。

②妊婦に禁忌である。

③骨病変に対して用いられる。

正解は②でした!

【解説】

①誤。ボルテゾミブの作用機序についての説明である。

②正。胎児にアザラシ肢症などをきたすため禁忌である。

③誤。ゾレドロン酸デノスマブに関する説明である。

 

問4 がんの進行度を表すTMN分類のうち、リンパ節への転移を表すものはどれか。

①T

②M

③N

正解は③でした!

【解説】

がんの進行度はTMN分類で表され、T(tumor)は大きさ、湿潤の程度を表す。

N(node)はリンパ節への転移の程度を表す。

M(metastasis)は遠隔転移の有無を表す。

 

問5 がん化学療法において、制吐に用いられる医薬品として適切なのはどれか。

①アプレピタント

②ラニチジン

③スクラルファート

正解は①でした!

【解説】

ラニチジンとスクラルファートは消化性潰瘍治療薬である。

アプレピタントは選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐薬であり、抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐を改善する。

 

問6 催吐性リスクの高い抗がん薬に対する制吐療法に用いるのはどれか。

①オキセサゼイン

②モルヒネ

③パロノセトロン

正解は③でした!

【解説】

オキセサゼインは、消化性粘膜局所麻酔薬で胃幽門部からのガストリン遊離を抑制することで、食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸症に伴う疼痛、酸症状、悪心・嘔吐の治療に用いられる。

モルヒネはがん疼痛治療薬である。

パロノセトロンは5-HT3受容体遮断薬であり、強い悪心・嘔吐が生じる抗悪性腫瘍薬の投与の場合に限り使用する治療薬である。

 

問7 ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いる薬物として最も適切なのはどれか。

①クリゾチニブ

②ダサチニブ

③ゲフィチニブ

正解は②でした!

【解説】

クリゾチニブはALK融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害し、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いられる。

ダサチニブはBCR-ABLチロシンキナーゼ活性を阻害する。本罪は慢性骨髄性白血病及び再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に用いられる。

ゲフィチニブはEGFRチロシンキナーゼを選択的に阻害し、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がんに用いられる。

 




問8 子宮頸がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。

①60歳代に発症のピークがある。

②ヘルペスウイルスが、発症の主な原因となる。

③予防には、ワクチンが有効である。

正解は③でした!

【解説】

①誤。発症のピークは20~40歳である。

②誤。主な原因はヒトパピローマウイルスである。

③正。ワクチンは不活化ワクチンである。

 

問9 消化器系がんとその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①近年、日本では大腸がんの罹患率が減少している。

②Helicobacter pylori による慢性胃炎発症は胃がんの危険因子の1つである。

③Squamous cell carcinoma (SCC)抗原は、膵臓がんの腫瘍マーカーである。

正解は②でした!

【解説】

①誤。大腸がんの罹患率は年々増加している。

②正。塩分の多い食物や喫煙も危険因子となる。

③誤。膵臓がんではなく扁平上皮がんの腫瘍マーカーである。

 

問10 がんに関する次の記述のうち正しいものはどれか。

①子宮体がんの発症には、ヒトパピローマウイルスの感染が関与する場合が多い。

②子宮体がんは組織学的に扁平上皮がんが多く、子宮頸がんは腺がんが多い。

③前立腺がんは骨転移を起こしやすい。

正解は③でした!

【解説】

①誤。ヒトパピローマウイルスが関与する場合が多いのは子宮頸がんである。

②誤。子宮体がんは組織学的に腺がんが多く、子宮頸がんは扁平上皮がんが多い。

③正。前立腺がんや乳がんなどのホルモン依存性がんの転移先として最も多いのは骨である。

 

問11 がんに関する次の記述のうち正しいものはどれか。

①非小細胞肺がんの非進行例の治療において化学療法は外科手術よりも優先される。

②小細胞肺がんの治療ではPE療法が行われる。

③閉経前乳がんの治療にはタモキシフェンクエン酸塩とアロマターゼ阻害薬の併用が基本

正解は②でした!

【解説】

①誤。非小細胞肺がんの非進行例の治療の第一選択は外科手術である。

②正。シスプラチンとエトポシドの併用療法はPE療法とよばれ、小細胞肺がんに有効である。最近では免疫チェックポイント阻害薬と併用して使用されてる。

③誤。アロマターゼ阻害薬は閉経後乳がんの第一選択薬である。

 

問12 上部消化器がんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①食道がんの好発部位は、胸部中部食道である。

②我が国では、食道がんのほとんどは腺がんである。

③食道がんは放射線感受性が低いので、放射線療法はほとんど行われない。

正解は①でした!

【解説】

①正。好発部位は胸部中部食道である。

②誤。食道がんの大部分は扁平上皮がんである。

③誤。扁平上皮がんに放射線療法は有効で、食道がんには標準療法である。

 

問13 前立腺がんに関する記述のうち、正しいものはどれか。

①日本人の罹患率は欧米人よりも低い。

②骨転移を起こしにくい。

③アロマターゼ阻害薬が有効である。

正解は①でした!

【解説】

①正。前立腺がんの罹患率は日本人より欧米人で高い。

②誤。ホルモン依存性のがんは骨転移しやすい。

③誤。前立腺がんの治療にはリュープロレリン酢酸塩などのホルモン療法が用いられる。

 

問14 乳がんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①リツキシマブはHER2(human epidermal growth factor receptor type2)が過剰発現している乳がんに用いられる。

②リュープロレリン酢酸塩は、閉経後乳がんに適応がある。

③タモキシフェンクエン酸塩は、子宮体がんのリスクを増大させる。

正解は③でした!

【解説】

①誤。HER2過剰発現の乳がんに対して用いられる薬物はトラスツズマブである。最近ではペルツズマブと併用して使用されている。

②誤。閉経後ではなく閉経前乳がんの治療に用いられる。

③正。記述の通り。本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的な検査、また不正出血などの異常な婦人科学的症状が見られた場合には直ちに検査などの処置をする必要がある。

 




問15 悪性腫瘍の薬物療法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

①一般的に抗悪性腫瘍薬は増殖速度とは関係なく、効果は一様である。

②骨髄抑制と消化器症状は多くの抗悪性腫瘍薬に共通して見られる副作用である。

③抗菌薬と異なり抗悪性腫瘍薬には耐性が生じない。

正解は②でした!

【解説】

①誤。増殖速度が速い腫瘍ほど効果的である。

②正。記述の通り。

③誤。抗悪性腫瘍薬にはp-糖タンパク質等の発現による耐性が生じることがある。

 

問16 悪性腫瘍の化学療法に伴う有害反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①悪心・嘔吐に対して、セロトニン5-HT3受容体遮断薬は有効ではない。

②好中球減少が生じた場合にはエリスロポエチンが用いられる。

③イリノテカン塩酸塩の有名な副作用には高度な下痢がある。

正解は③でした!

【解説】

①誤。シスプラチンなどの抗悪性腫瘍薬は、直接消化管のクロム親和性細胞を刺激してセロトニン分泌を亢進させる。そのため抗悪性腫瘍薬による悪心。嘔吐には5-HT3受容体遮断薬が有効である。

②誤。好中球減少に対しては、G-CSF製剤が用いられる。

③正。活性代謝物のSN-38による高度な下痢が有名である。

 

問17 腫瘍崩壊症候群に関する記述のうち、誤っているのはどれか。

①血清リン値が著しく増加する。

②血清カリウム値が著しく増加する。

③腎機能が正常な場合には、アロプリノールの経口投与が有効である。

正解は②でした!

【解説】

腫瘍崩壊症候群は、悪性腫瘍細胞が化学療法により急激に破壊されるときに生じ、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症、乳酸アシドーシスが認められる。

治療には血中尿酸値を低下させる目的でラスプリガーゼやアロプリノールが用いられる。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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