★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 てんかんの分類と好発年齢の組み合わせについて誤っているものを1つ選べ。
① 特発性てんかん – 小児に多い
② 特発性てんかん − 70歳以上に多い
③ 症候性てんかん − 70歳以上に多い
正解は②でした!
【解説】
特発性てんかんは、原因不明で遺伝が原因と考えられるてんかんである。てんかんの約80%を占め小児に多い。薬物治療に反応することが多い。
一方で、症候性てんかんは、頭部外傷や脳血管障害、脳梗塞など脳疾患が原因で起こるものである。70歳以上で好発する。薬物治療には抵抗性を示すことが多い。
問2 てんかんの全般発作の分類とその説明の組み合わせとして正しいものを次の中から1つ選べ。
① 強直間代発作 – 突然意識が消失し、痙攣後に昏睡状態に陥る
② 欠神発作 − 瞬間的に痙攣を伴う意識消失が起こる。
③ ミオクローヌス発作 − 意識障害を伴い、四肢の瞬間的攣縮が起こる。
正解は①でした!
【解説】
①正。 記述の通りである。ポイントは意識消失を伴うこと、痙攣を起こすこと、痙攣後に昏睡を起こすことである。重篤な重積発作を起こすことがあり、高熱や心機能の低下は生命の危機に直結する。
②誤。 欠神発作については、意識消失は起こすが痙攣を起こすわけではない。ボーッと意識のない状態が5〜10秒ほど続くだけである。小児に比較的多い発作である。
③誤。 ミオクローヌス発作は意識障害を起こさない。四肢や体幹の対照性の瞬間的攣縮が認められる。
問3 抗てんかん薬の投与の方法について正しいものを次の中から1つ選べ。
① 始めから維持量を投与する。
② 単剤少量から徐々に増量していく。
③ 維持量から初めて徐々に減量していく。
正解は②でした!
【解説】
抗てんかん薬は原則的には初めは少量からスタートし、徐々に増量していく。
副作用の発現のリスクと過量投与のリスクがあるためである。場合によってはTDMが必要である。
特にラミクタール(ラモトリギン)の投与方法は添付文書にも厳密に規定されており、徐々に増量していく方法となっている。
問4 特に制限されるものがない条件で、てんかんの全般発作の第一選択とされるものを次の中から1つ選べ。
① フェノバルビタール
② バルプロ酸ナトリウム
③ カルバマゼピン
正解は②でした!
【解説】
①誤。 フェノバルビタールは全般発作、部分発作のどちらにも使われることがあるが、てんかん診療ガイドラインによると全般発作の第一選択薬ではない。
②正。 てんかん診療ガイドラインによる全般発作の第一選択薬はバルプロ酸ナトリウムである。
③誤。 カルバマゼピンは部分発作の第一選択薬である。欠神発作には無効である。
問5 てんかん重積発作の第一選択薬を次の中から1つ選べ。
① フェニトイン
② ジアゼパム
③ バルプロ酸ナトリウム
正解は②でした!
【解説】
てんかん重積症とは、「発作停止機構の破綻、あるいは異常に遷延する発作を引き起こす機構が惹起された状態である。また発作型や持続時間によっては、神経細胞死、神経細胞障害、神経ネットワーク変化を含む長期的な後遺症をもたらす状態である」と定義される。
原則的にベンゾジアゼピン系のジアゼパムやロラゼパムが使用される。
①誤。 てんかん重積症の第二段階に用いられることがあるが第一選択薬ではない。
②正。 てんかん診療ガイドラインによるてんかん重積症の第一選択薬はジアゼパムである。
③誤。てんかん重積症にバルプロ酸ナトリウムは用いられない。
問6 パーキンソン病に見られるものとして誤っているものを次の中から1つ選べ。
① レビー小体の出現
② 黒質の色素脱落
③ リン酸化タウの出現
正解は③でした!
【解説】
①正。 パーキンソン病では自律神経説などにレビー小体(リン酸化αシヌクレインの以上な蓄積)という特徴的な封入体が認められる。
②正。 黒質や青斑核などメラトニンを含む細胞の消失が見られる。そのため色素が脱落して見える。
③誤。 リン酸化タウはアルツハイマー型認知症で見られる現象である。
問7 パーキンソン病の三大主徴に該当するものを次の中から1つ選べ。
① 振戦
② 便秘
③ 意識消失
正解は①でした!
【解説】
①正。 振戦・無動・筋固縮がパーキンソン病の三大主徴である。
②誤。 便秘などの自律神経症状が現れることはあるが三大主徴ではない。
③誤。 パーキンソン病で意識消失が起こることはない。
問8 パーキンソン病の運動症状の説明として誤っているものを次の中から1つ選べ。
① 無動は動作が遅くなるが表情も失われることがある。
② 振戦は安静時に強く現れる。
③ 歩行障害は体をそらすような姿勢で歩くことが多い。
正解は③でした!
【解説】
①正。 無動は、動作が全体的に困難になってくる。ボタンの操作など細かい指先の動作の障害が出たり、顔の筋肉が動かなくなり無表情になったりする。
②正。 パーキンソン病の初期症状は手の震えが特徴である。振戦は安静時に強く現れる。
③誤。 パーキンソン病では歩行障害が出ることも多い。すくみ足では前方に足が踏み出せなくなる。姿勢は体をそらすのではなく、屈むような前傾姿勢になる。
問9 パーキンソン病の運動症状以外の症状として誤っているものを次の中から1つ選べ。
① 便秘
② 高血圧
③ うつ症状
正解は②でした!
【解説】
パーキンソン病では運動症状以外にも様々な症状が出ることがある。
①正。 自律神経症状として便秘は高頻度に認められる症状である。
②誤。 ノルアドレナリン神経の変性が起こることがあり、ノルアドレナリンによる伝達が行えなくなることから血圧は下がる傾向にある。したがって低血圧が認められることがある。
③正。 今まで当たり前にできていたことができなくなることが原因でうつ症状を来すことがある。
他にも、発汗過多、排尿障害、勃起不全、不安、認知障害などの症状を呈することがある。
問10 Hoehn and Yahrの重症度分類でステージⅡに使用される薬剤として正しいものを次の中から1つ選べ。
① トリヘキシフェニジル
② レボドパ
③ セレギリン
正解は①でした!
【解説】
Hoehn and Yahrの重症度分類では、パーキンソン病の初期段階で抗コリン薬またはドパミン作動薬を用いる。重症度分類においてステージⅢ以降で初めてレボドパあるいはその合剤が用いられる。
①正。 抗コリン薬のトリへキシフェニジルやビペリデンはパーキンソン病の初期から用いることができる。特に薬剤性パーキンソン症候群では第一選択となる。
②誤。 レボドパはステージⅢ以降で用いる。カルビドパとの合剤では消化器症状などの副作用の頻度が低下する。筋固縮や無動には有効であるが、振戦には効果が期待できないため振戦を生じている例ではトリへキシフェニジルを用いる。
③誤。 覚醒剤原料。MAOB阻害薬でドパミン量を増加させることで効果を発揮する。必ずレボドパ含有製剤と併用する。このためステージⅢ以降で使用される。
問11 悪性症候群の記述として誤っているものを次の中から1つ選べ。
① 抗精神薬服用中に、高熱、意識障害、筋固縮、不随意運動などの錐体外路症状を主徴とする思い副作用のことである。
② 薬剤の急激な減量や中止をきっかけに発症することが多い。
③ 38℃以下の場合も発症することがある。
正解は③でした!
【解説】
①正。 記述の通りである。
②正。 記述の通りである。
③誤。 40℃以上の高熱が起こることがほとんどである。解熱薬は効果が期待できず物理的に全身を冷却する。場合によっては昏睡、蒼白、呼吸困難、脱水、痙攣をおこして死に至ることがある。
問12 レボドパ製剤使用時に起こる問題点とその対応について正しい組み合わせを次の中から1つ選べ。ただし起こる事象は間違いではないとする。
起こる事象 | 特徴 | 対策 | |
① | wearing-off現象 | 薬効の持続時間が短くなる | 薬剤の増量やエダラポンの投与が有効である。 |
② | on-off現象 | 薬を飲む時間に関係なく、急に動きが良くなったり悪くなったりする。 | レボドパの減量や多剤併用を行う。 |
③ | 薬剤誘発性ジスキネジア | 不随意運動が起こる。 | レボドパの増量や脳深部刺激療法などを行う。 |
正解は②でした!
【解説】
①誤。 使用する薬剤に誤りがある。wearing-off現象の場合に用いられる薬剤はエンタカポンである。エンタカポンはCOMT阻害薬で抹消でのレボドパの分解を阻害し脳内移行率を高める。エダラポンはフリーラジカル除去薬である。
②正。 記述の通りである。外科的治療として淡蒼球破壊術が行われることもある。
③誤。 ジスキネジアが起こった場合レボドパは減量する。
問13 認知障害を来す神経疾患の特徴について正しい記述を次の中から1つ選べ。
① アルツハイマー型認知症は進行が比較的早く、記銘力障害や見当識障害が起こる。
② レビー小体型認知症は緩徐に進行することが多く、精神症状(幻視)を伴うことがある。
③ 脳血管性認知症は急性に状態が悪化する。記憶障害や見当識障害が起こるが精神症状は起こらない。
正解は②でした!
【解説】
①誤。 アルツハイマー型認知症の進行は比較的緩徐である。進行後期では精神症状が起こることもあり妄想や徘徊などには注意が必要である。
②正。 記述の通りである。パーキンソン病に似た錐体外路症状が出ることもある。
③誤。 脳血管性認知症は脳血管疾患の発症により急速に起こる。記憶障害などの他に精神症状も出現し、性格と行動の変貌などが認められることもある。
問14 アルツハイマー型認知症の病理学的特徴の記述として正しいものを次の中から1つ選べ。
① 脳全体が萎縮する。大脳皮質よりも海馬の萎縮が顕著である。
② 老人斑はアミロイドタンパク質が凝集・蓄積することにより生じる。
③ 神経原線維の変化はレビー小体の出現により起こる。
正解は②でした!
【解説】
①誤。 アルツハイマー型認知症では脳全体が全般的に萎縮するが、特に大脳皮質・白質が広範囲に萎縮し、脳室が拡大する。
②正。 記述の通り。
③誤。 神経原線維の変化はリン酸化タウによって引き起こされる。
問15 重症筋無力症の病態の説明として正しいものを次の中から1つ選べ。
① 神経筋接合部にあるムスカリン受容体に対する自己抗体ができることが原因である。
② 主に夜間に症状が強く出る。
③ 眼瞼下垂、四肢麻痺、嚥下障害などが生じる。
正解は③でした!
【解説】
①誤。 神経筋接合部の受容体はムスカリン受容体ではなくニコチン受容体である。ニコチン受容体でアセチルコリンを受容できなくなり神経伝達がうまくいかなくなることで症状が生じる。
②誤。 日内変動を伴う筋の易疲労性を特徴とする。夜間に症状が悪化するわけではない。
③正。 記述の通りである。
問16 次の各種脳炎・髄膜炎の病態とその特徴の説明の組み合わせとして正しいものを次の中から1つ選べ。
脳炎 | 特徴 | 治療薬 | |
① | 単純ヘルペス性脳炎 | 単純ヘルペスウイルス1型が原因である。重症化することはまれで、予後は比較的良好である。 | アシクロビル |
② | 結核性髄膜炎 | 空気感染した結核菌が直接脳内へ進入し発症する。 | イソニアジド+リファンピシン+ストレプトマイシン |
③ | 無菌性髄膜炎 | 小児に好発する。エンテロウイルスが原因の8割を占める。 | 治療薬なし
対症療法のみ |
正解は③でした!
【解説】
①誤。 単純ヘルペス性脳炎は非常に重篤化しやすい疾患である。アシクロビルによる適切な治療が行われなければ死に至ることが多い。
②誤。 結核性髄膜炎ではすでに結核菌に感染した病巣から血行性に伝播することが多い。直接的に生じることは稀である。
③正。 無菌性髄膜炎の原因はコクサッキーウイルスやエコーウイルスなどのエンテロウイルスが原因であることが8割を占める。残りの2割はムンプスウイルスである。
問17 脳腫瘍の治療に関する記述として正しいものを次の中から1つ選べ。
① 第一選択は化学療法である。
② 放射線治療が併用されることがある。
③ 化学療法で最も頻繁に用いられる薬剤はメトトレキサートである。
正解は②でした!
【解説】
①誤。 第一選択は手術による腫瘍の摘出である。
②正。 術後の補助的療法として放射線治療が用いられるほか、摘出が困難な場合はガンマナイフなどの特殊な放射線治療が行われることがある。
③誤。 化学療法を行う場合最もよく使われる薬剤はニムスチンやテモゾロミドなどのアルキル化薬である。
問18 片頭痛の病態の説明として誤っているものを次の中から1つ選べ。
① 思春期頃から発症する。男女の差はない。
② 睡眠不足、喫煙、カフェインの摂取により誘発される。
③ 治療にはNSAIDsが用いられる。
正解は①でした!
【解説】
①誤。 成人の約8%が罹患する。女性に多い疾患であり、男性の4倍の罹患率である。
②正。 記述の通りである。
③正。 NSAIDsが治療に用いられることがある。ただし無効であることも多くそういった場合は麦角系アルカロイドのエルゴタミンやセロトニン受容体作動薬のスマトリプタンなどの薬剤が用いられる。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!