★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 DNAをアルキル化する薬物はどれか。
①イホスファミド
②オキサリプラチン
③フルオロウラシル
正解は①でした!
【解説】
①正。イホスファミドは生体内で活性化を受けて、DNAをアルキル化して抗腫瘍作用を示す。副作用には出血性膀胱炎があり、解毒剤のメスナと併用することで発生を防止する。
②誤。オキサリプラチンは白金化合物であり、がん細胞のDNA鎖に架橋を形成し、DNA合成(S期)および、分裂期(M期)の進行を抑制する。
③誤。フルオロウラシルは代謝活性化を受けて、チミジル酸合成酵素を阻害してDNAの生合成を阻害する。ソリブジンと併用すると、解毒酵素が阻害され毒性が増大するため、禁忌である。
問2 ピリミジン系代謝拮抗薬はどれか。
①ブスルファン
②ニムスチン
③ドキシフルリジン
正解は③でした!
【解説】
①誤。ブスルファンはマスタード類のアルキル化薬であり、DNAをアルキル化して抗腫瘍効果をあらわす。
②誤。ニムスチンはニトロソウレア類のアルキル化薬であり、血液脳関門を通過する為、脳腫瘍に使用される。
③正。ドキシフルリジンはフルオロウラシルのプロドラッグであり、代謝活性化を受けて作用する。がん細胞への選択制が向上し化学療法による副作用を軽減できる。
ドキシフルリジンを更に改良したカペシタビン(製品名:ゼローダ)も広く使用されている。
問3 次の薬物のうち正しい薬物と薬効の記述のうち正しいものはどれか。
①オテラシルは5-FUの薬効を増強する
②ギメラシルは5-FUの消化管障害を抑制する
③テガフールは5-FUに変換され、DNA合成を阻害する。
正解は③でした!
【解説】
①誤。オテラシルはオロテートホスホリボシルトランスフェラーゼを阻害して、消化管での5-FUへの代謝活性化を阻害して消化管毒性を軽減する。
②誤。ギメラシルは肝臓でジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼを阻害して、5-FUの濃度を上昇させ抗腫瘍効果を高める。
③正。テガフールは5-FUに代謝活性化を受けて持続的な抗腫瘍効果を発現するプロドラッグである。
これら3剤を配合した薬剤が「製品名:ティーエスワン」である。
問4 パクリタキセルの作用機序はどれか。
①微小管重合促進
②トポイソメラーゼ阻害
③DNA鎖の切断
問5 ヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)を標的とした抗体製剤はどれか。
①ペメトレキセド
②セツキシマブ
③アフリベルセプト
正解は②でした!
【解説】
①誤。ペメトレキセドはチミジル酸合成酵素、ジヒドロ葉酸還元酵素、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミル転移酵素などの複数の酵素を阻害してDNA合成を抑制する。
②正。セツキシマブはEGFRを標的とした分子標的薬であり、EGFとEGFRの結合を阻害し細胞増殖を抑制する。
③誤。アフリベルセプトはVEGFRと抗体との融合タンパク質であり、VEGFを特異的に補足する。
問6 ドキソルビシンの作用機序はどれか。
①DNAインターカレーション作用
②チューブリン重合の阻害
③DNAアルキル化
正解は①でした!
【解説】
ドキソルビシンはアントラサイクリン系の抗腫瘍抗生物質であり、腫瘍細胞のDNA塩基対にインターカレーション(間に入り込む)作用により、複合体を形成し、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼを阻害する。
トポイソメラーゼⅡ阻害作用も併せ持つ。
問7 メトトレキサートの作用機序はどれか。
①ジヒドロ葉酸還元酵素阻害
②トポイソメラーゼ阻害
③エストロゲン受容体阻害
正解は①でした!
【解説】
①正。メトトレキサートはジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、活性葉酸の生合成を阻害してDNA合成を抑制する。
②誤。トポイソメラーゼを阻害する薬物にはイリノテカンやエトポシドがある。
③誤。エストロゲン受容体を遮断する薬物にはタモキシフェンなどがある。
問8 ブレオマイシンの作用機序はどれか。
①チューブリンの重合促進
②DNA鎖の切断
③DNA鎖に架橋形成
正解は②でした!
【解説】
①誤。チューブリンの重合を促進することで安定化させ、抗腫瘍効果を発揮する薬物にはパクリタキセルやドセタキセルがある。
②正。ブレオマイシンはFe2+とキレートを形成して分子状酸素を活性酸素に変換し、非酵素的にDNA鎖を切断する。
③誤。白金製剤やマイトマイシンCの作用機序である。
問9 イマチニブの標的分子はどれか。
①EGFRチロシンキナーゼ
②BCR-ABLチロシンキナーゼ
③HER2チロシンキナーゼ
正解は②でした!
【解説】
①誤。EGFRチロシンキナーゼを阻害する分子標的薬にはエルロチニブがある。
②正。イマチニブは慢性骨髄性白血病の遺伝子変異で出現するBCR-ABLチロシンキナーゼを選択的に阻害し、白血球の増殖を抑制する。
③誤。HER2チロシンキナーゼを阻害する薬物にはラパチニブがある。ラパチニブにはEGFRチロシンキナーゼを阻害する作用もある。
問10 ビンクリスチンの作用機序はどれか。
①トポイソメラーゼⅡ阻害
②微小管タンパク質重合の安定化
③微小管重合の抑制
正解は③でした!
【解説】
①誤。トポイソメラーゼⅡを阻害するのはエトポシドである。
②誤。タキサン系のパクリタキセルの作用機序である。微小管重合を促進し、微小管の安定化および過剰形成を引き起こし、細胞分裂を抑制する。
③正。ビンアルカロイド系のビンクリスチンは微小管重合を抑制することで、有糸分裂を抑制する。タキサン系と間違えやすいので、微小管抑制か微小管安定化かを整理して覚えよう。
問11 イリノテカンの作用機序はどれか。
①トポイソメラーゼⅠ阻害
②DNAポリメラーゼ阻害
③DNA塩基対へのインターカレーション
正解は①でした!
【解説】
①正。イリノテカンは活性代謝物SN-38となり、トポイソメラーゼⅠを阻害してDNA合成を阻害する。副作用に重度の下痢がある。
②誤。ピリミジン系塩基と競合してDNAポリメラーゼを阻害して、抗腫瘍効果を発揮する薬物にはシタラビンがある。
③誤。DNA塩基対にインターカレーションを起こしてDNA合成を阻害する薬物にはアントラサイクリン系のダウノルビシンがある。
問12 ゲフィチニブの標的分子はどれか。
①EGFRチロシンキナーゼ
②VEGFチロシンキナーゼ
③BCR-ABLチロシンキナーゼ
問13 シスプラチンの作用機序はどれか。
①DNAアルキル化
②DNA架橋形成
③DNAポリメラーゼ阻害
正解は②でした!
【解説】
シスプラチンは白金化合物であり、DNAの一本鎖および、二本鎖間に架橋を形成し、DNAの合成、有糸分裂過程を阻害する。
細胞周期に依存せずに効果を発揮する。
問14 ボルテゾミブの作用機序はどれか。
①ALKチロシンキナーゼ阻害
②プロテアソーム阻害
③mTORセリン・トレオニンキナーゼ阻害
問15 トラスツズマブの標的分子はどれか。
①HER2
②EGFR
③VEGF
問16 Bリンパ球のCD20に対する抗体製剤はどれか。
①ウステキヌマブ
②パニツムマブ
③リツキシマブ
問17 ベバシズマブの標的分子はどれか。
①EGFR
②VEGF
③VEGFR
問18 ニボルマブの作用機序はどれか。
①PD-1に対する抗体製剤で、PD-1とがん細胞のPD-L1との結合を抑制する
②CTLA-4に結合して、抗原提示細胞のCD80/86との結合を抑制する
③VEGFに結合して、VEGFRとの結合を抑制する
正解は①でした!
【解説】
①正。ニボルマブは、T細胞に存在するPD-1に対する抗体製剤で、がん細胞が発現するPD-L1との結合を阻害し、がん細胞によるT細胞抑制作用を抑制する。
②誤。イピリムマブの作用機序である。抗原提示細胞のCD80/86によりT細胞が抑制されるのを阻害することで免疫反応を持続させる。
上記2剤の併用療法が行われることもある。
③誤。ベバシズマブの作用機序である。
問19 ビタミンA活性体であり、白血病に使用されるのはどれか。
①トレチノイン
②ダサチニブ
③シクロフォスファミド
正解は①でした!
【解説】
①正。トレチノインは活性型ビタミンAであり、急性前骨髄正白血病において、白血病細胞の分化誘導により異常増殖を抑制する。
②誤。ダサチニブはBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病に使用する。イマチニブ抵抗性にも有効である。
③誤。シクロフォスファミドはマスタード類のアルキル化薬である。
問20 デノスマブの作用部位はどれか。
①パラトルモン
②RANKL
③破骨細胞
正解は②でした!
【解説】
がん細胞によりRANKL分泌が亢進し、破骨細胞の活性化がおこり、骨がもろくなり、骨折するなどの骨関連事象がおこる。
デノスマブはRANKLに対する抗体として、RANKLと破骨細胞の受容体との結合を抑制する。
問21 マルチキナーゼ阻害薬はどれか。
①クリゾチニブ
②ソラフェニブ
③エルロチニブ
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