★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 ドブタミンの強心作用に関わる作用点は次のうちどれか。
①アセチルコリン受容体
②アドレナリン受容体
③ホスホジエステラーゼ
正解は②でした!
【解説】
ドブタミンはアドレナリンβ1受容体を刺激して、アデニル酸シクラーゼを活性化し、cAMPを増加させ、心筋を収縮させることで強心作用を示す。
問2 ジゴキシンの強心作用の機序は次のうちどれか。
①アドレナリンβ1受容体刺激
②Na+, K+-ATPase阻害
③アデニル酸シクラーゼ活性化
正解は②でした!
【解説】
ジゴキシンはNa+, K+-ATPaseを阻害して心筋細胞内のNa+濃度を上昇させる。
その結果として増加したNa+とCa2+交換するNa+-Ca2+交換系が働き、細胞内のCa2+濃度を上昇させて心筋収縮力を増強させる。
問3 心筋のトロポニンのCa2+感受性を高めて、強心作用を示すのはどれか。
①コルホルシンダロパート
②ピモベンダン
③デノパミン
正解は②でした!
【解説】
①誤。コルホルシンダロパートはアデニル酸シクラーゼを直接活性化して、cAMPを増加させ心筋収縮力を増強する。
②正。ピモベンダンは心筋の収縮を調節するトロポニンのCa2+感受性を高め、心筋の収縮力を増強する。
③誤。デノパミンはアドレナリンβ1受容体を刺激して心筋収縮力を増強する。
問4 アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換を阻害する薬物はどれか。
①エナラプリル
②カンデサルタン
③アリスキレン
正解は①でした!
【解説】
①正。エナラプリルはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換を阻害することでアンギオテンシンⅡの生成を抑制作用および、心筋のリモデリングを抑制し、慢性心不全患者の生命予後を改善する。
ACE阻害薬の作用機序や薬剤一覧はこちらの記事をご参照。
②誤。カンデサルタンはアンギオテンシンⅡ受容体を遮断し血管収縮の抑制と、副腎からのアルドステロン分泌を抑制する。
③誤。アリスキレンは直接レニンを阻害することでアンジオテンシンⅠおよびⅡの濃度を低下させ持続的な降圧作用を示し、高血圧の治療に使用される。
問5 次のうち心不全に禁忌の薬物はどれか。
①カルベジロール
②プロプラノロール
③ビソプロロール
正解は②でした!
【解説】
①誤。カルベジロールはアドレナリンα1β受容体遮断薬であり、α1受容体遮断作用により血管を拡張させ心臓に対する後負荷を軽減。β1受容体遮断作用により心機能低下、レニン分泌を抑制する。心不全に対してβ遮断薬は禁忌であるが、カルベジロールは低用量で使用することで、慢性心不全患者の生命予後を改善する。
②正。プロプラノロールは非選択的β受容体遮断薬で心不全患者には禁忌である。
③誤。ビソプロロールはβ1受容体を遮断して心機能低下、レニン分泌を抑制。低用量で使用することにより慢性心不全の予後を改善する。
問6 ホスホジエステラーゼを阻害して、心筋細胞内のcAMPを増加させる薬物はどれか。
①ミルリノン
②デスノラシド
③カルベジロール
正解は①でした!
【解説】
①正。ミルリノンは心筋のホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害してcAMPの分解を抑制し、心筋の収縮力を増強する。
②誤。デスノラシドはNa+, K+-ATPaseを阻害して心筋細胞内のNa+濃度を上昇させ、Na+-Ca2+交換系を介して細胞内のCa2+濃度を上昇させて心筋収縮力を増強させる。
③誤。カルベジロールはアドレナリンα1β受容体遮断薬であり、α1受容体遮断作用により血管を拡張させ心臓に対する後負荷を軽減。β1受容体遮断作用により心機能低下、レニン分泌を抑制する。心不全に対してβ遮断薬は禁忌であるが、カルベジロールは低用量で使用することで、慢性心不全患者の生命予後を改善する。
問7 心筋の細胞膜を通過して、直接cAMPに変換されるのはどれか。
①リシノプリル
②アミノフィリン
③ブクラデシン
正解は③でした!
【解説】
①誤。リシノプリルはACE阻害薬であり、アンギオテンシン変換酵素を阻害してアンギオテンシンⅡの生成を抑制作用および、心筋リモデリングを抑制して心不全患者の生命予後を改善する。
②誤。アミノフィリンはテオフィリンとエチレンジアミンの塩であり、心筋および血管平滑筋のホスホジエステラーゼを阻害してcAMP濃度を上昇させる他、心筋アデノシンA1受容体遮断作用を示す。アデノシンA1受容体はGiタンパク質に共役しておりアデニル酸シクラーゼを不活性化させる。
③正。ブクラデシンは心筋細胞膜を通過して、cAMPに変換され心臓収縮力を増強する。また、心筋のホスホジエステラーゼを阻害する作用も持つ。
問8 血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させる薬物はどれか。
①オルプリノン
②ニトログリセリン
③カルペリチド
正解は②でした!
【解説】
①誤。オルプリノンは、心筋のホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害してcAMPの分解を抑制して心筋の収縮力を増強する。
②正。ニトログリセリンは、体内でNOを遊離させ、血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させてcGMP濃度を増加させることで動脈と静脈を拡張させ、心臓に対する前負荷、後負荷を軽減する。
③誤。カルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体刺激し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化させ、cGMPを増加させ血管拡張作用、利尿作用を示す。
問9 次のうちNa+チャネルを遮断して、不整脈に用いられる薬物はどれか。
①キニジン
②ニフェカラント
③ジルチアゼム
正解は①でした!
【解説】
①正。キニジンはNa+チャネルを遮断して心室性不整脈の治療に使用される。Vaughan Williams分類Ⅰa群に分類され、K+チャネル遮断作用も持つ為、心筋の活動電位持続時間を延長させる。
②誤。ニフェカラントはVaughan Williams分類Ⅲ群に分類されK+チャネル遮断し、不整脈の治療に使用される。
③誤。ジルチアゼムは洞房結節と房室結節のCa2+チャネル遮断作用を示し、自動能と刺激電動速度を低下させて抗不整脈作用を示す。
問10 次のうち抗不整脈薬のNa+チャネル遮断薬の中で、活動電位時間を変化させないものはどれか。
①ピルシカイニド
②メキシレチン
③ジソピラミド
正解は①でした!
【解説】
①正。ピルシカイニドはVaughan Williams分類Ⅰc群に分類され、活動電位持続時間に影響を与えない。
②誤。メキシレチンはVaughan Williams分類Ⅰb群に分類され、活動電位持続時間を延長させる。
③誤。ジソピラミドはVaughan Williams分類Ⅰa群に分類され、活動電位持続時間を短縮させる。
問11 次のうち心臓に対する選択性が最も高く、不整脈に使用される薬物はどれか。
①アゼルニジピン
②シルニジピン
③ベラパミル
正解は③でした!
【解説】
①誤。アゼルニジピンは血管選択性の高いCa2+チャネル遮断薬で、ジヒドロピリジン系に分類される。
②誤。シルニジピンは血管選択性の高いCa2+チャネル遮断薬で、ジヒドロピリジン系に分類される。
③正。ベラパミルは膜電位依存性のCa2+チャネル遮断薬であり、心臓への選択性が高い。洞房結節、房室結節の不応期を延長させ、房室電動を遅延させることで抗不整脈作用を示す。
問12 心室筋の活動電位を下図の実線から破線へ変化させる薬物はどれか。
①リドカイン
②プロカインアミド
③アミオダロン
正解は①でした!
【解説】
破線の膜電位変化は、活動電位の脱分極相(膜電位が上昇する線)の時間が延長し、その後再分極相(膜電位が低下する線)の時間が短縮している。
このような膜電位変化を示すのは、選択肢のうち活動電位持続時間を短縮するVaughan Williams分類Ⅰb群に分類されるリドカインである。
問13 次のうち徐脈性不整脈に使用されるのはどれか。
①べプリジル
②アトロピン
③メトプロロール
正解は②でした!
【解説】
①誤。べプリジルはCa2+チャネル遮断して、頻脈性不整脈の治療に使用される。
②正。アトロピンは心臓のムスカリンM2受容体を遮断して心拍数を増加させることで、徐脈性不整脈に使用される。M2受容体はGiタンパク質に共役しておりアデニル酸シクラーゼを不活性化する。
③誤。メトプロロールはβ受容体を遮断して活動電位時間の延長、自動能、刺激伝導速度を低下させる。頻脈性不整脈の治療に使用される。
問14 Vaughan Williams分類Ⅰa群に分類される薬物はどれか。
①アプリンジン
②シベンゾリン
③フレカイニド
正解は②でした!
【解説】
①誤。アプリンジンはVaughan Williams分類Ⅰb群に分類され、活動電位持続時間を延長させる。
②正。ジソピラミドはVaughan Williams分類Ⅰa群に分類され、活動電位持続時間を短縮させる。
③誤。フレカイニドはVaughan Williams分類Ⅰc群に分類され、活動電位持続時間に影響を与えない。
問15 次の抗不整脈薬のうち、K+チャネルを遮断して、QT延長を引き起こす薬物はどれか。
①アテノロール
②イソプレナリン
③アミオダロン
正解は③でした!
【解説】
①誤。アテノロールはVaughan Williams分類Ⅱ群でβ受容体を遮断する。副作用として、徐脈、房室ブロックがある。
②誤。イソプレナリンは、非選択的なβ受容体刺激薬であり、β1受容体を刺激し心拍数を増加させ、徐脈性頻脈に使用される。
③正。アミオダロンはVaughan Williams分類Ⅲ群で、K+チャネルを遮断し活動電位時間と不応期を延長する。副作用としてQT延長や間質性肺炎があり、毒薬に指定されている。また、Na+チャネル、K+チャネル、Ca2+チャネル、β受容体の遮断作用も持つ。
問16 交感神経緊張による不正脈に使用する薬物はどれか。
①リドカイン
②プロプラノロール
③プロカインアミド
正解は②でした!
【解説】
①誤。リドカインはNa+チャネルを遮断し頻脈性の不整脈の治療、予防に使用される。
②正。プロプラノロールはβ受容体を遮断するため、交感神経緊張による不整脈に有効である。
③誤。プロカインアミドはVaughan Williams分類Ⅰa群に分類され、Na+チャネルおよび、K+チャネル活動電位時間を延長させる。
問17 L型Ca2+チャネルを遮断して冠動脈を拡張させる薬物はどれか。
①ジピリダモール
②ジルチアゼム
③ニコランジル
正解は②でした!
【解説】
①誤。ジピリダモールはアデノシンデアミナーゼ(代謝酵素)の阻害、赤血球の取り込みを阻害し血中のアデノシン濃度を上昇させ、アデノシンA2受容体(GS共役)へのアデノシン結合能を増加し冠血管を拡張させ、心筋への酸素供給量を増加させる。また、血小板の凝集を抑制し、血栓ができるのを抑制する。
②正。ジルチアゼムは、心筋のCa2+チャネルを遮断して、心筋収縮力と心拍数を低下させる結果、心筋の酸素消費量を減少させる。また、血管平滑筋にも作用して血管を拡張させる。
③誤。ニコランジルは、生体内で一酸化窒素(NO)を遊離し可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化。cGMPを増加させ血管を拡張させる結果、心臓の前負荷の軽減(末梢静脈を拡張し、心臓へ無理なく血液を送り込むことができる。)及び後負荷の軽減(末梢動脈を拡張させることで、末梢血管抵抗を減少。心臓が全身に血液を送りやすくなる。)が期待できる。従来の硝酸薬と同様の薬効のほかに、血管平滑筋のATP感受性K+チャネルを開口させて、細胞外へK+を放出させる。細胞が過分極し、膜電位依存性Ca2+チャネルの開口を抑制し、冠血管を拡張させる。NOを遊離させること、K+チャネルを開口させるということがポイントになる。
問18 ATP感受性K+チャネルを開口し、冠血管を拡張させる薬物は次のうちどれか。
①アムロジピン
②ベラパミル
③ニコランジル
正解は③でした!
【解説】
①誤。アムロジピンは、ジヒドロピリジン系のCa2+チャネル遮断薬であり、1日1回の投与で強力に血管を拡張させるメジャーな降圧薬である。
②誤。ベラパミルは、フェニルアルキルアミン系のCa2+チャネル遮断薬であり、血管のみならず、心筋のCa2+チャネルを遮断して心筋の酸素消費量を減少させる。狭心症や不整脈に適応がある。
③正。ニコランジルは、ATP感受性K+チャネルを開口して冠血管を拡張させる他、NO供与体として、cGMPを増加させ血管を拡張する働きを持つ。
問19 心筋梗塞の慢性期に使用される抗血小板薬はどれか。
①アルテプラーゼ
②アスピリン
③ワルファリン
正解は②でした!
【解説】
①誤。アルテプラーゼは、組織プラスノーゲンアクチベーター(t-PA)製剤であり、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミン(フィブリンを分解して血液凝固を抑制する物質)に変化させ、フィブリン(血液を凝固させる物質。血管内でフィブリンができると血管が詰まり、様々な障害を引き起こす原因になる。)の分解を促進して血栓を溶解させる。また、アルテプラーゼはウロキナーゼと異なりフィブリンとの親和性が高く、血液中のプラスミノーゲンとは反応しにくい為、出血の副作用が起きにくい。(ウロキナーゼは血栓上、血液中関係なく、プラスミンと反応するため出血しやすい。)心筋梗塞発症後6時間以内で効果が認められる。
②正。低用量のアスピリンはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害して、トロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制し、血小板の凝集を抑制する。しかし、高用量のアスピリンはプロスタグランジンI2(PGI2)の産生を抑制し血栓が形成されてしまうため、血小板凝集抑制効果が得られなくなってしまう(アスピリンジレンマ)。TXA2は血小板凝集、PGI2は血小板凝集抑制作用を持つ。
③誤。ワルファリンはビタミンKと拮抗して、血液凝固因子の生成を阻害する抗凝固薬である。過剰な投与は出血傾向を招き、危険だが解毒はビタミンKでできる。その為、ビタミンKを多く含む納豆やブロッコリーの摂取で薬効が減弱する。
問20 心筋梗塞の治療に使用される薬物のうち、胸痛や不安除去のために使用されるのはどれか。
①モルヒネ
②リドカイン
③モンテプラーゼ
正解は①でした!
【解説】
①正。モルヒネは鎮痛作用、鎮静作用を示し心筋梗塞発作の胸痛、不安を除去する目的で使用される。
②誤。リドカインは心筋梗塞発作後の心室性期外収縮の発作に対して用いられる。
③誤。モンテプラーゼは、組織プラスノーゲンアクチベーター(t-PA)製剤であり、心筋梗塞発症後6時間以内の血栓溶解の目的で使用される。尚、t-PA製剤は脳梗塞の場合は4.5時間以内に投与する必要がある。
問21 アドレナリンβ1受容体に選択的に作用して心臓の酸素消費量を減少させる薬物はどれか。
①ピンドロール
②カルテオロール
③アテノロール
正解は③でした!
【解説】
①誤。ピンドロールは非選択的なアドレナリンβ1受容体を遮断しる。
②誤。カルテオロールは非選択的なアドレナリンβ1受容体を遮断する。
③正。アテノロールは選択的にアドレナリンβ1受容体遮断して、心筋の収縮力と心拍数を低下させて心筋の酸素消費量を低下させる。
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