薬理

薬理学:高血圧・低血圧・その他(14問)

★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア

問1 アムロジピンの作用機序は次のうちどれか。

①Kチャネル遮断

②Naチャネル遮断

③Ca2+チャネル遮断

正解は③でした!

【解説】

アムロジピンはジヒドロピリジン系のCa2+チャネル遮断薬で、血管平滑筋のCa2+チャネルを遮断して、細胞内へのCa2+の流入を抑制し、血管平滑筋の収縮を抑制して血圧を加工させる。

ジヒドロピリジン系のCa2+チャネル遮断薬は○○ジピンという一般名が特徴。

 

問2 ジヒドロピリジン系のCa2+チャネル遮断薬はどれか。

①ジルチアゼム

②ニフェジピン

③プレガバリン

正解は②でした!

【解説】

①誤。ジルチアゼムはベンゾチアゼピン系の、Ca2+チャネル遮断薬であり、心臓への選択制が高い。

②正。ニフェジピンはジヒドロピリジン系の、Ca2+チャネル遮断薬であり血管選択性が高い。

③誤。プレガバリンはγ-アミノ酪酸(GABA)誘導体であり、中枢神経系においてCa2+チャネル のα2δサブユニットと結合して、 Ca2+チャネルの細胞表面での発現量とCa2+流入を抑制し、グルタミン酸等の神経伝達物質遊離を抑制する。同様の作用機序を有する新薬にはミロガバリン(製品名:タリージェ)がある。

 

問3 薬物名と作用機序、副作用の関係で正しいものは次のうちどれか。

薬物名 作用機序 副作用
フロセミド アルドステロン受容体遮断 低K血症
エナラプリル アンギオテンシン変換酵素阻害 空咳
アテノロール β受容体遮断 頻脈

正解は②でした!

【解説】

①誤。フロセミドはループ利尿薬であり、Na-K-2Cl共輸送系を抑制し、Naと水の再吸収を抑制して、利尿作用を示す。遠位尿細管のNa濃度が上昇するとNa-K交換系が働き、Naを取り込みKが排泄されるので、低K血症を引き起こす。

②正。エナラプリルは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換を阻害し、アンギオテンシンⅡの生理作用である血管収縮作用を抑制する。また、ACEはキニナーゼⅡというブラジキニンを代謝する酵素でもあり、ACE阻害薬によってブラジキニンが蓄積し、空咳の副作用が起こる。この副作用を利用して、高齢者の誤嚥性肺炎の予防に進んで利用されるケースもある。

③誤。アテノロールはアドレナリンβ受容体遮断薬であり、心臓のβ受容体を遮断して心拍出量を低下させて血圧を下降させる。副作用には徐脈がある。

 

問4 アンギオテンシンⅡ受容体を遮断して、高血圧の治療に使用される薬物はどれか。

①テルミサルタン

②カプトプリル

③マニジピン

正解は①でした!

【解説】

①正。テルミサルタンはアンギオテンシンⅡ受容体遮断薬であり、血管拡張作用やアルドステロン分泌抑制作用により、血圧を下降させる。○○サルタンという一般名が特徴的である。

作用機序や薬剤一覧についてはこちらの記事をご参照。

②誤。カプトプリルはアンギオテンシン変換酵素阻害薬であり、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡへの変換を阻害する。

③誤。マニジピンはジヒドロピリジン系のCa2+チャネル遮断薬である。

 

問5 メチルドパは、メチルノルアドレナリンに代謝を受けて、中枢に作用する。次のうちどの受容体に作用するか選べ。

①アドレナリンα受容体

②アドレナリンα受容体

③アドレナリンβ受容体

正解は②でした!

【解説】

メチルドパはメチルノルアドレナリンに代謝された後、中枢のアドレナリンα受容体に作用して、血圧を下降させる。妊婦に使用可能な降圧薬でもある。

 




問6 アドレナリンα受容体に作用して血圧を下降させる薬物はどれか。

①レセルピン

②ロサルタン

③ドキサゾシン

正解は③でした!

【解説】

①誤。レセルピンは、交感神経節後終末のシナプス小胞へのカテコールアミンの取り込みを阻害し、シナプス小胞内のノルアドレナリンを枯渇させて、降圧作用をしめす。

②誤。ロサルタンはアンギオテンシンⅡ受容体遮断薬であり、血管拡張さようとアルドステロン分泌抑制作用を示す。

③正。ドキサゾシンは血管平滑筋のアドレナリンα受容体を遮断して、血管を拡張させて降圧作用を示す。

 

問7 アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の副作用の空咳の原因となる物質は次のうちどれか。

①アルドステロン

②ブラジキニン

③レニン

正解は②でした!

【解説】

①誤。アルドステロンは、副腎皮質から分泌される鉱質コルチコイドの一種であり、尿細管にてNaと水の再吸収を促進し、血圧を上昇させる。

②正。ブラジキニンは血圧下降作用、発痛作用をもつ生理活性物質であり、ACE阻害薬により分解が抑制され蓄積すると空咳を引き起こす。

③誤。レニンは 腎臓の傍糸球体細胞から分泌されアンギオテンシンⅠの前駆物質のアンギオテンシノーゲンに働きアンギオテンシンⅠに変換する。

 

問8 次のうち、妊婦の高血圧の治療に使用できるのはどれか。

①アムロジピン

②カンデサルタン

③ヒドララジン

正解は③でした!

【解説】

①誤。アムロジピンは動物実験において、妊娠末期に使用すると妊娠期間の延長、分娩時間が延長したとの結果から妊婦への投与は禁忌であり、使用できない。ジヒドロピリジン系のニフェジピンは20週以降の妊婦には使用ができる。

②誤。カンデサルタンは、妊娠中に投与すると胎児死亡や用水減少のリスクがあることから、妊婦への投与は禁忌である。同様の理由でアンギオテンシン変換酵素阻害薬、レニン阻害薬も妊婦への投与は禁忌となっている。

③正。ヒドララジンは血管平滑筋に直接作用して、血管拡張作用を示す。妊婦には第一選択の降圧薬となる。他に、メチルドパ、ラベタロールも第一選択として推奨されている。

 

問9 次のうちノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、低血圧の治療に使用される薬物はどれか。

①アドレナリン

②アメニジウム

③フェニレフリン

正解は②でした!

【解説】

①誤。アドレナリンは、アドレナリンα、β受容体に作用して、血管収縮作用、心拍出量を高めて血圧を上昇させる。急性低血圧やショック時に使用される。

②正。アメジニウムは末梢神経終末に取り込まれ、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みと、モノアミンオキシダーゼ阻害作用によりノルアドレナリンの不活性化を抑制して交感神経機能を亢進させることで低血圧の治療に用いられる。

③誤。フェニレフリンは選択的にアドレナリンα受容体を刺激して、血管収縮作用を示す。

 

問10 次のうち選択的にアドレナリンα1受容体を刺激し、昇圧作用を示すのはどれか。

①クロニジン

②エチレフリン

③ミドドリン

正解は③でした!

【解説】

①誤。クロニジンは中枢のアドレナリンα受容体を刺激して、交感神経系を抑制して末梢血管を拡張させることで降圧作用を示す。

②誤。エチレフリンはアドレナリンαβ受容体に作用して血管収縮、心拍数上昇作用により血圧を上昇させ、低血圧の治療に使用される。

③正。ミドドリンは選択的にアドレナリンα受容体に作用して、血管平滑筋を収縮させて末梢血管抵抗を上昇させ、昇圧作用を示す。

 




問11 エンドセリン受容体を遮断し、肺動脈性肺高血圧症を改善するのはどれか。

①シルデナフィル

②ボセンタン

③ベラプロスト

正解は②でした!

【解説】

①誤。シルデナフィルは、cGMP分解酵素であるホスホジエステラーゼⅤを選択的に阻害して肺動脈性肺高血圧症や勃起不全の治療に使用される。また、硝酸剤やNO供与体と併用すると過度の降圧作用を示すため、併用禁忌となっている。

②正。ボセンタンはエンドセリン受容体に拮抗して、エンドセリンによる強力な血管収縮作用を抑制する。作用機序や薬剤一覧についてはこちらの記事をご参照。

③誤。ベラプロストはプロスタグランジンIの誘導体であり、血小板や血管平滑筋のプロスタノイドIP受容体に作用して細胞内cAMP濃度上昇、Ca2+流入抑制、トロンボキサンA生成抑制作用により、抗血小板作用や血管拡張作用を示す。

 

問12 カリジノゲナーゼの作用機序は次のうちどれか。

① Rhoキナーゼ阻害

②キニノーゲン分解

③ホスホジエステラーゼⅤ阻害

正解は②でした!

【解説】

①誤。Rhoキナーゼ阻害薬はファスジルであり、Rhoキナーゼによるミオシンホスファターゼ阻害作用を抑制し、ミオシン軽鎖のリン酸化を抑制することで、脳血管攣縮を抑制する。

②正。カリジノゲナーゼは、キニノーゲンを分解しキニンを遊離させる、それにより末梢血管拡張作用を示し、血流を増加させる。

③誤。ホスホジエステラーゼⅤを阻害して薬効を示すのは、シルデナフィルやタダラフィルがある。ホスホジエステラーゼⅤはcGMPを分解する酵素であり、これを阻害することでcGMP濃度を上昇させ、プロテインキナーゼGを活性化させて血管拡張作用を示す。

 

問13 ゾルミトリプタンが作用する受容体はどれか。

①5-HTB/1D受容体

②5-HT受容体

③5-HT受容体

正解は①でした!

【解説】

①正。ゾルミトリプタンは5-HTB/1D受容体に作用して脳血管を収縮させ、片頭痛の治療に使用される。トリプタン系薬剤の作用機序や薬剤一覧についてはこちらの記事をご参照。

②誤。5-HT受容体を遮断して薬効を示すのはオンダンセトロンなどであり、制吐作用を示す。抗がん剤治療における悪心嘔吐などの補助療法に用いられる。

③誤。5-HT受容体に作用する薬物はモサプリドであり、消化管神経のコリン作動性神経に存在する5-HT受容体に作用してアセチルコリンを遊離して消化管運動を更進させる。

 

問14 セロトニン5-HTB/1D受容体に作用して、片頭痛の治療に使用されるのはどれか。

①ロメリジン

②エルゴタミン

③スマトリプタン

正解は③でした!

【解説】

①誤。ロメリジンは脳血管に対して選択的に血管収縮抑制作用を示す、Ca2+チャネル遮断薬であり、片頭痛に使用される。妊婦には禁忌である。

②誤。エルゴタミンは麦角アルカロイドであり、セロトニン5-HT受容体に作用して血管収縮作用を示すことで片頭痛に使用される。併用禁忌の薬剤がとても多く、CYP3A4阻害剤や、セロトニン5-HTB/1D受容体作動薬とは禁忌となっている。子宮収縮作用があるため、妊婦への投与も禁忌となっている。

③正。スマトリプタンはトリプタン系の片頭痛治療薬であり、セロトニン5-HTB/1D受容体に作用して血管を収縮させて効果を示す。

 

 

薬理学の問題選択に戻る

他の科目選択(TOPページ)

 

PASSMED公式LINE、はじめました。

薬単病単の無料演習が可能です♪

友だち追加

 

★CBTの対策・勉強法については以下の記事をご確認ください。

薬学部CBT対策で押さえておきたい勉強法!合格率99%でも油断大敵

続きを見る

成績優秀者は「薬学生プレミア」で就活を

理想の就職を実現したい方に

  • 登録はCBT・国家試験等の模試で「B判定」以上の方限定
  • 薬剤師国家試験合格を前提とした就職活動
  • 成績優秀者は有利な条件(年収、勤務地、福利厚生等)を引き出すことが可能

薬学生プレミアは手厚いサポートで就活におけるミスマッチ・失敗を最小限にできる理由があります。

\登録者全員にプレゼント/

調剤・ドラッグストアの初任給や残業時間・年間休日日数・住宅手当・奨学金サポート有無などの比較表

成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!

薬学生アープの特徴

公式サイト:https://passmed.co.jp/success/

 

★薬学部の就活については以下の記事をご確認ください。裏技的な必勝法を伝授します。

要チェック!
薬学生の就活に大事な心構えなどを解説!失敗しない必勝法もあります。
薬学部の就職活動は楽じゃない!就活必勝法と主な就職先の年収は?

続きを見る

  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

-薬理