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2026年8月26日、厚労省の薬事審議会・医薬品第一部会にて、「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」を対象疾患とするエキスコプリ錠(セノバメート)の承認可否が審議される予定です!
現時点では未承認のためご注意ください。
小野薬品工業|申請のニュースリリース
基本情報
| 製品名 | エキスコプリ錠12.5mg/50mg/100mg/200mg |
| 一般名 | セノバメート |
| 製品名の由来 | |
| 製造販売 | 小野薬品工業(株) |
| 効能・効果 | てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)? |
| 用法・用量 | |
| 収載時の薬価 | |
| 発売日 |
エキスコプリは、てんかん領域では初のデュアルな作用機序(Na+チャネル阻害&GABAA受容体のアロステリックサイト結合)によって、抗てんかん作用を示す新薬です!
既存の抗てんかん薬を使用していても、約30%の患者さんがてんかん発作を十分にコントロールができないことがありますが、エキスコプリは既存薬でも効果不十分な場合にも効果が期待されていますね。
今回はてんかんとエキスコプリ(セノバメート)の作用機序について解説していきます。
てんかんとは
日本におけるてんかん患者は約100万人と報告されています。
通常、脳の神経は興奮と抑制がバランスよく働くことで正常な状態を保っています。
しかし、何らかの原因で興奮系の神経が強く働いたり、抑制系の神経の力が弱まることで、激しい電気的乱れ(過剰興奮)が生じます。
そうすると脳は適切に情報を受け取ることや、命令ができなくなり、体の動きをコントロールできなくなります。
これが、てんかんによる発作の発生機序です。

てんかんの種類
てんかんは、発作のタイプによって、「部分てんかん」(約60%)と、「全般てんかん」(約40%)に大別されています。
部分てんかんは、脳の一部が興奮することで引き起こされ、全般てんかんは脳の全体もしくは大部分が興奮することで引き起こされます。
部分てんかんの第一選択薬として、テグレトール(カルバマゼピン)、ラミクタール(ラモトリギン)、イーケプラ(レベチラセタム)、次いでエクセグラン(ゾニサミド)、トピナ(トピラマート)が推奨されています。1)
なお、全般てんかんの中でも重篤な発作型の一つでもある“強直間代発作”は、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度は「てんかん患者の予期せぬ突然死」の最も重要な危険因子とされ、てんかんの中でも極めて重篤な発作型の一つです。
また、てんかんの発作症状が持続したり、意識障害があるまま短時間で反復したりする状態が「てんかん重積状態」です。こちらについては別記事で解説しますね。
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スピジア点鼻液(ジアゼパム)の作用機序【てんかん】
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脳の興奮系と抑制系
脳の興奮系と抑制系のバランスは以下の神経伝達物質によって調整されています。
- 興奮系神経伝達物質:グルタミン酸
- 抑制系神経伝達物質:GABA(γ-アミノ酪酸)
グルタミン酸が「NMDA受容体」や「AMPA受容体」に結合することで脳が興奮します。グルタミン神経内のグルタミン酸は、SV2A(シナプス小胞タンパク質2A)と呼ばれる部位に蓄積されています。
グルタミン神経に存在する「Na+(ナトリウム)チャネル」からNa+が流入すると、SV2Aからグルタミン酸が放出されます。
一方、GABAが「GABAA受容体」に結合することで脳の興奮が抑制されます。GABAA受容体にはGABAが結合する部位が存在していまが、ここにGABAが結合するとクロールイオン(Cl-)が細胞内に流入します。
そうすることで神経の抑制系が亢進されると考えられています。

通常、てんかん発作時には興奮系の神経伝達物質(グルタミン神経)が強く働いているため、
- 興奮系神経伝達物質の働きを抑制する
- 抑制系神経伝達物質の働きを増強(亢進)する
といった治療が必要になります。
エキスコプリ(セノバメート)の作用機序
エキスコプリは、以下の2つの作用を有する抗てんかん薬です!
- Na+チャネルを阻害し、Na+の流入を阻害 → 興奮系のグルタミン酸の放出抑制
- GABAA受容体のアロステリックサイトに結合し、Cl-の流入促進によるGABAのシグナル伝達増強 → 抑制系のGABAの亢進
前述のGABAA受容体にはGABA結合部位の他、「ベンゾジアゼピン(BZD)結合部位」が存在していますが、エキスコプリはそれ以外の部位(アロステリックサイト)に結合することでGABAとGABAA受容体との結合親和性が高まると考えられています。

このような作用機序によって過剰に興奮した神経を抑制し、てんかん発作を改善するのがエキスコプリです!
エビデンス紹介:YKP3089C035
国内承認申請の根拠となった臨床試験(YKP3089C035)をご紹介します。
韓国・中国・日本で実施された無作為化・二重盲検・プラセボ対照試験で、1〜3種類の抗てんかん薬でもコントロール不良な部分発作を有する成人患者さんを対象に、プラセボ群またはエキスコプリ100・200・400mgを1日1回併用投与する群を比較した第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は、「維持期(6週間)の発作頻度変化率」とされ、結果は以下の通りでした。
| プラセボ | エキスコプリ 100mg |
エキスコプリ 200mg |
エキスコプリ 400mg |
|
| 発作頻度の減少率(中央値) | 25.9% | 42.6% | 78.3% | 100% |
| 発作消失率(発作ゼロの割合) | 2.6% | 12.4% | 30.1% | 52.4% |
※ 発作頻度・発作消失率とも、全用量群でプラセボに対し有意差あり(発作消失率:100mg p=0.005、200mg p<0.001)。
用法・用量
正式承認後に更新予定です。
副作用
正式承認後に更新予定です。
前述の臨床試験では、浮動性めまいや傾眠などが報告されていました。
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
エキスコプリはこんな薬
- 部分発作(二次性全般化を含む)に用いる新規抗てんかん薬
- 「Na+チャネルの阻害」+「GABAA受容体の正のアロステリック調節」という二重の作用機序
- 高い発作消失率(発作ゼロ)が期待される
既存薬でコントロールできない難治性のてんかんは、患者さんのQOLに大きな影響を及ぼします。
以上、今回はてんかんの概要とともに、エキスコプリ(セノバメート)の作用機序・エビデンスについてご紹介しました!
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