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2022年6月2日、HIV治療薬の3製品が承認されました!
HIV治療薬ということで、通常の薬価収載スケジュールとは異なり、同年6月8日に緊急薬価収載されました。
2022年6月2日承認:3製品
●ボカブリア水懸筋注400mg、同600mg(一般名:カボテグラビル)
●ボカブリア錠30mg(一般名:カボテグラビルナトリウム)
●リカムビス水懸筋注600mg、同900mg(一般名:リルピビリン)
:「HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。
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ボカブリア/リカムビス(カボテグラビル/リルピビリン)の作用機序【HIV】
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カボテグラビルはインテグラーゼ阻害薬(INSTI)で、リルピビリンは非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)です。
最初は1か月間(28日間)、ボカブリア錠と経口リルピビリンの1日1回経口投与を行い、その後、ボカブリア水懸筋注とリカムビス水懸筋注による1か月毎または2か月毎の注射による治療を行います。
2022年6月8日:薬価収載の3製品
上記の3製品は2022年6月8日に薬価収載されました。(スマホでは横スクロールができます)
製品名 (一般名) |
規格 | 薬価 | 効能・効果 (簡略) |
ボカブリア錠 (カボテグラビルナトリウム) |
30mg1錠 | 3,541.60円 | HIV |
ボカブリア水懸筋注 (カボテグラビル) |
400mg2mL1瓶 600mg3mL1瓶 |
176,458円 253,850円 |
HIV |
リカムビス水懸筋注 (リルピビリン) |
600mg2mL1瓶 900mg3mL1瓶 |
90,582円 130,310円 |
HIV |
各薬剤の薬価算定方法は2022年6月1日の中医協の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。
ボカブリア錠:類似薬効比較方式(Ⅰ)(テビケイ)【加算あり】
ボカブリア錠は同じくインテグラーゼ阻害剤のテビケイの1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
市場性加算(Ⅰ)(A=10%)の対象のため、1.1倍されて以下の薬価に決定しています。
- テビケイ錠50mg:3,219.60円(1日薬価:3,219.60円)
- ボカブリア錠30mg:3,541.60円(1日薬価:3,541.60円)
ピーク時の予測販売金額は2.5億円です。
ボカブリア水懸筋注:類似薬効比較方式(Ⅰ)(テビケイ)【加算あり】
ボカブリア錠と同じく、ボカブリア水懸筋注もテビケイの1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
プレバイミス錠と同点滴静注の剤型間比1.2446と、ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg及び同点滴静注液バッグ300mgの規格間比0.8969が考慮され、さらに有用性加算(Ⅱ)(A=5%)、市場性加算(Ⅰ)(A=10%)の加算が行われました。
その後、外国平均価格調整の後、以下の薬価に決定しています。
- テビケイ錠50mg:3,219.60円(1日薬価:3,219.60円)
- ボカブリア水懸筋注400mg:176,458円
- ボカブリア水懸筋注600mg:253,850円(1日薬価:4,173円)
加算の根拠
- 有用性加算(Ⅱ):既存の経口レジメンでの治療が難しいHIV感染症患者に対しての治療選択肢をもたらすこと、既存治療である経口レジメンは、毎日投与が必要であったのに対して、2ヶ月に1回投与に延長されたこと等から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
- 市場性加算(Ⅰ):本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。
ピーク時の予測販売金額は68億円です。
リカムビス水懸筋注:類似薬効比較方式(Ⅰ)(エジュラント)
リカムビス水懸筋注は同じ有効成分含有のエジュラント錠の1日薬価に合わせて算定されました。
算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。
プレバイミス錠と同点滴静注の剤型間比1.2446と、ラピアクタ点滴静注液バイアル150mg及び同点滴静注液バッグ300mgの規格間比0.8969が考慮され、さらに有用性加算(Ⅱ)(A=5%)の加算が行われました。
その後、外国平均価格調整の後、以下の薬価に決定しています。
- エジュラント錠25mg:2,128.50円(1日薬価:2,128.50円)
- リカムビス水懸筋注600mg:90,582円
- リカムビス水懸筋注900mg:130,310円(1日薬価:2,142円)
加算の根拠
- 有用性加算(Ⅱ):既存の経口レジメンでの治療が難しいHIV感染症患者に対しての治療選択肢をもたらすこと、既存治療である経口レジメンは、毎日投与が必要であったのに対して、2ヶ月に1回投与に延長されたこと等から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
ピーク時の予測販売金額は35億円です。
あとがき
今回はHIV治療薬で初の注射剤レジメンの3製品を紹介しました。
いずれもHIV治療薬のため、通常のスケジュールとは異なり、2022年6月8日に緊急薬価収載されていますね。
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ボカブリア/リカムビス(カボテグラビル/リルピビリン)の作用機序【HIV】
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また、14日の処方日数制限も例外的な取り扱いにされています。
以上、今回は2022年6月2日に承認された3製品と、その薬価収載算定根拠についてご紹介しました。
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