今回の記事ではMRから調剤薬局・ドラッグストアの薬剤師への転職について解説しています!
この記事で伝えたい事(結論)
- 近年、MRは早期退職勧告が活発で、絶対数は減少していくと予想されている
- MRから未経験でも薬剤師として活躍できる職場は「ドラッグストア」と「調剤薬局」
- MR経験が活きるポイントは「コミュニケーション能力」と「情報収集能力」
- 賢く転職するためにも薬剤師専門の転職サイトに登録しよう
近年、国内の内資系・外資系MRの早期退職勧告が活発になってきています。一部のMR(例:オンコロジーMR)の需要は高いのですが、それ以外の領域MR(例:プライマリーMR)は需要が急落していますね・・・。
今ご覧のあなたもMRへの不安から薬剤師の転職をお考えだと思います。
調剤薬局・ドラッグストア薬剤師の仕事内容や勤務体系、そしてMRならではの活かせるスキルについても解説していますので、参考にしていただければ幸いです。
もしMRを続けながら薬剤師として副業をお考えでしたら以下の記事が参考になりますよ。
-
薬剤師が副業をするなら?所得別のおすすめ3選を実体験から解説
続きを見る
>>MRからの転職は薬剤師トップエージェント
製薬企業(MR)を退職することになった理由・きっかけ
MRを退職することになった理由やきっかけは様々だと思いますが、概ね共通するのはこんなところでしょう。
- やりがいの減少:販売情報提供活動ガイドラインの影響もあり、本社から言われた資料しか説明できない。論文も自ら提供できない。
- MR不要論:資材のお知らせメールを案内するだけの仕事。コール数やWEB面談数を稼ぐだけの本社指示。
- 働き方・転勤への不安:全国転勤あり。リストラも多数実施。
超大型主力製品(ブロックバスター)の薬剤が特許切れを迎え、ジェネリック医薬品が登場したとしても、基本会社の売り上げ目標は変わらず、
- コール数を増やせ
- 面談数(WEB面談)を増やせ
- 講演会を多数企画せよ
- とにかく医療機関に訪問せよ
- なぜ売れないのか会議会議会議会議会議会g・・・・
と、ヤレヤレなことが往々にしてあります。
また、近年では大手製薬企業を中心にリストラが頻繁に実施。
- 2016~2017年:大日本住友製薬
- 2018年:エーザイ、大正製薬、日本ベーリンガーインゲルハイム、サノフィ、ノボ ノルディスク ファーマ
- 2019年:中外製薬、協和キリン、鳥居製薬、アステラス製薬、ファイザー、MSD
- 2020年:ノバルティス ファーマ、武田薬品工業、塩野義製薬、日本イーライリリー、エーザイ
- 2021年:アステラス製薬、ノバルティスファーマ
【参考】
AnswersNews|「まさに異常事態」国内製薬 リストラが加速―揺らぐ雇用 中堅にも人員削減の波
日刊薬業|【TREND】早期退職、アステラスは700人規模へ 応募者増える傾向に 従業員全体も縮小
こつこつMR!|製薬企業 6年間のリストラまとめ
MR認定センターが公表した2021年版の「MR白書」によると、2020年度の国内のMR数は5万3,586人と、前年度から3,572人(6.2%)も減少しました・・・。
減少は実に7年連続!!!今後も増える兆しはあまり見込めないでしょう。
もちろん、MR自体が無くなることはないと思います(絶対数は減少していくでしょうけど)。
薬剤師経験がないままMRを続けていて、いつかリストラされたら・・・。そんなことが頭をよぎるかもしれません。
正直、40代・50代で調剤未経験であっても、選ばなければ転職することが可能です。しかし、薬剤師も年々飽和傾向にあるため、今後も続くとは考えにくいでしょう。
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40〜50代で中高年の調剤未経験薬剤師が薬局に転職するのは可能?
続きを見る
実際にリクナビ薬剤師や薬剤師トップエージェントのアドバイザーさんと話す機会があった際、「最近は製薬企業MRから薬局への転職者が増えていますね」と話されていました。
>>MRからの転職は薬剤師トップエージェント
薬剤師への転職先とMR経験が活きるポイント!
MRから薬剤師への転職先としてはドラッグストア、調剤薬局(保険薬局)、病院、等が挙げられますが、多くの場合、ドラッグストアか調剤薬局が選択肢になります。
※MRから病院への転職は年収の落差が激しいため、あまりお勧めできません。
ドラッグストアや薬局の業務のうち、どんな点にMR経験が活きるのか解説していきましょう!
ドラッグストア
ドラッグストア(OTC)の業務内容は以下のように多岐に渡ります(店舗によって異なる場合あり)。
- OTC医薬品販売(カウンセリング販売)
- レジ打ち
- 商品の品出し・陳列
- POPの作成
- 医薬品の管理(納品、在庫管理、受発注等)
- 一般のアルバイトや登録販売者への指導・アドバイス
- 清掃
上記の中でもドラッグストア薬剤師のメイン業務は「OTC医薬品販売」ですね。
調剤薬局の薬剤師は医師の処方箋を元に医薬品を調剤するため、処方提案の場は、疑義照会がメインとなります。
しかしドラッグストアでは薬剤師が患者さんに直接、OTCを提案することが可能です。
MRはコミュニケーション能力に長けています。従って、コミュニケーションに重きを置き、なおかつ頼られるような仕事ができるドラッグストアはMR経験が活かせる職場でしょう。
その他にも色々とメリットがあります。
経験を早く積むことができる
ドラッグストアは処方箋医薬品だけでなく、OTCや健康食品なども触れることが出来る点は魅力的です。ドラッグストアのほとんどが面調剤であり、様々な領域の医薬品に触れることができるため、偏った知識ではなく幅広い知識を身に付けることができるもの特徴!
また、管理薬剤師などマネジメントできる役職に就くまでのスピードが速い点(病院では10年以上、ドラッグストアだと2~3年)も魅力で、若くして管理薬剤師をされる方が多いのがドラッグストアです。
金銭面と働き方
MRを経験してしまうと、どうしても金銭面に目が行ってしまいます。
その点、調剤薬局と比較してもドラッグストアの年収は高く(場所によるが、年収600~800万円)、大手のドラッグストアの方が福利厚生面もしっかりしていました。
ただ、店舗によって多少の違いもある(例:有給休暇の取りやすさ、フレックスタイム制の導入など)ので転職活動の際にしっかりと希望・要望を伝えておく必要があるでしょう。
大手ドラッグストアだと社割などを利用して、日用品なども格安で購入できるのも良いポイント♪
また、MRと違ってドラッグストアはシフト性のため、週2日の休みを事前に決めることができます。
MRから大手のドラッグストアに転職した友人は「1日10時間×4日のシフトで予定を組み(週40時間労働)で、残りの3日は休む(週休3日)といった働き方もできる!」と言っていました。
転職者が多い
異業種からドラッグストアに転職する人は結構多いです。私と同じようにMRからの転職者や、病院薬剤師、調剤薬局、卸業者などからの転職者も多いため、様々なバックグランドを持った方々と一緒に仕事できるのは非常に楽しく刺激的ではないでしょうか。
続いて、調剤薬局です。
調剤薬局
薬局の業務内容としては以下がメインですね。
- 調剤業務:処方箋に基づいた調剤・調製
- 在宅医療:個人宅などで投薬・服薬指導
- 外来の服薬指導:患者さんに服用方法・効能・保管方法や副作用の説明を行う
- 薬歴管理:副作用や残薬等、患者さんの服用履歴の入力と管理
最近では在宅業務に力を入れている薬局も多いため、一包化が多かったり、患者さんの個人宅に伺って服薬指導を行うケースもあります。
また門前のクリニックや病院によって診療科が様々なため、それによって飛んでくる処方箋も多種多様です。例えば、整形や皮膚科の門前では貼付剤や塗り薬が多くなりますが、総合病院やがん拠点病院の場合は内服抗がん剤から支持療法薬まで幅広い処方が飛んできます(処方箋枚数も多い)。
このように一言で調剤薬局と言ってもその業務の内容や処方箋の内容は店舗によって様々です。即戦力を求める薬局もあれば、調剤未経験でもOKな薬局もあります。
もしあなたに調剤経験のない場合、しっかりと事前に店舗調べをして「調剤未経験可」の店舗を探しておく必要がありますよ。
MRから薬局に転職した友人に、転職を決意した理由を聞いてみました。
その友人は、MR活動で患者さんに最適な治療であれば自社製品でなく他社製品の推奨もありだと考えていました。しかし、それは会社が許さずにもどかしさをずっと感じていたとのことです。
そんな時、某内資系大手メーカーの支店長から調剤薬局併設のドラッグストアの経営ポストに転職した方との出会いがあり、感銘を受けたと言っていました。
その方はMR経験をした上で薬剤師になるとコミュニケーション・プレゼン能力、情報収集力を活かして、
- ヒアリングに四苦八苦する患者であっても、サラリと対応できる
- 市町村の公民館や会議室などで行う患者さん向けの勉強会で大きな反響がある
- MRだからこそ気付ける疑義照会もある。疑義照会は患者さんにとって最後の砦なので大きなやりがいがある
- 上記の継続していくことで医療の質向上に繋がって社会貢献ができる
など、薬学部卒業後、ずっと薬剤師業務をしていた同世代の人間と比較しても、「決して引けを取らない!」と熱弁してくだったそう。
友人はこの出会いがきっかけで調剤薬局に転職することにしました。
私もMRをしていて元MRの調剤薬局長等にお会いすることがありますが、やはり他の薬剤師とは違う印象を受けます(知識面や話し方、こちらの意図することを見抜く力、等)。
MR経験が活きるポイント
さて、ドラッグストアであっても薬局であってもMR経験が活きるポイントはどこでしょうか?
友人の体験談を元にまとめました!是非、ご参考ください♫
高いコミュニケーションスキル
調剤薬局では医師とのコミュニケーション、ドラッグストアではお客さん・患者さんとのコミュニケーションが非常に重要です。
例えば、調剤薬局で処方箋に疑義が生じた場合、処方医に疑義照会を行いますが、その際のタイミングや伝える方法、話し方などはMR時代に自然に身についています。押し際・引き際といった空気の読み方・間の取り方とも言うのでしょうか、それがMR経験者は抜群です。
実際に薬局に転職した友人は、MR経験者ならではのコミュニケーション・間の取り方で関係構築を図り、徐々に医師から相談を受けるようにもなったようです。
例えば、「腎機能が弱っているけど、HbA1cが乱れ気味のこの方の次の一手を君はどうしたらいいと思う?」などと症例ベースでお話し頂くようになったようで、現在は本当にやりがいを感じているようです。
ドラッグストアも同じで、お客さん・患者さんのニーズは本当に様々です。友達のようにフランクに話したい方、社会的地位があった方で礼儀を重要視される方、家族に言えないことを相談したい方、息子のように接して欲しい方などなど・・・。
友人もMR時代に先生方一人一人のニーズに合わせて仕事をしてきた経験を活かして、患者さんの潜在ニーズを徹底的に探りにいくことで常連の方からはいつも「かかりつけ薬剤師」として指名されるようです。絶大な信頼感ですよね!
MRのコミュニケーション能力の高さは、新卒から調剤薬局やドラッグストアに勤務している薬剤師には無い大きなアドバンテージと言えるでしょう。
情報検索・収集能力
これはMRが日常的に行っている活動ですよね。
MR時代に担当していた領域に関しては競合品含め、知識レベルは圧倒的に高いです。
添付文書の内容はもちろん、各製品の特長や発生頻度の高い副作用情報などもインプットされているため、知識面では他の薬剤師の方以上に患者さんにわかりやすく説明でき、より親身に寄り添うことができると思います。
また、情報収集能力も武器の1つです。恐らく、ガイドラインを調べたり、文献検索を行う調剤薬局・ドラッグストア薬剤師は少ないのではないでしょうか。
MR経験があるからこそ自然と情報検索能力が備わっていますので、エビデンスレベルで薬の有用性を収集し、医師や患者さんとのコミュニケーションに活かすことができていると思いますね。
MRが日常的に行っていて自然に身についているスキルがこんなにも薬剤師業務に活かせるとはっ・・・!!
では、実際に調剤・ドラッグストア未経験の薬剤師MRが転職する時はどうすればよいのでしょうか?
薬剤師専門の転職サイトの活用
MRからドラッグストアや薬局への転職を成功させた友人は全員が薬剤師専門の転職サイトを活用して、情報収集をしていました。
希望する条件等は色々あると思いますが、取材した友人達は
- ワークライフバランス重視のドラッグストア
- 調剤未経験可の調剤薬局
だったようです。
薬剤師とはいえ、調剤未経験のMRからの転職を快く受け入れてくれる求人は稀です。
また、最近では非公開求人も多くなってきましたし、条件の良い求人はネット上に出回る前に取られてしまっています。そのためネットで毎日チェックしても見つかりません
はっきり言ってMRからの薬剤師転職求人探しは情報戦です。
MR活動をしながら賢く転職するためにも薬剤師専門の転職サイトへ登録して非公開求人を含めた情報を手に入れましょう。情報を制したものが転職を制すと言っても過言ではありません!!
転職サイトは全て無料で利用でき、あなたの希望に沿った最適な職場を紹介してくれます。
特にネットの求人票に載っていないような
- 「職場の雰囲気」
- 「転職者が多いかどうか」
- 「働き方(シフト制)の実際」
- 「各種制度・福利厚生の充実度」
なども教えてくれます。
もし、確認せずに調剤薬局で働きだしたら「未経験者には理解がなく、ネットでは“研修あり”って書いてあったのに、何も研修無しでいきなり外来の服薬指導・・・」とか目も当てられませんからね・・・。
その他にも以下のようなメリットがあります。
- 履歴書の書き方や面接対策
- 職場との交渉(例:残業、週3~4で働きたい)をしてくれる
- ボーナス有無や同じくMR転職者がいらっしゃるかの有無を気軽に聞ける(なかなか直接職場には聞き辛いですよね・・・)
- どのようなシフト制なのか、フレックスタイム制度の充実具合が聞ける
- 調剤未経験であっても大丈夫な求人を探してくれる
MRからの転職でしたら調剤薬局・ドラッグストアに強く、未経験可能な求人も数多く保有している薬剤師トップエージェント一択です。
薬剤師トップエージェントの最大の特徴は
- 手厚いサービス
- ミスマッチ・失敗を0にできる
- 調剤薬局・ドラッグストア・病院の求人に強い
ことでしょうね。
薬剤師トップエージェントの主なサービス内容は以下です。
- 初回の面談・ヒアリングで希望・条件を引き出す(基本、対面)
- 希望・条件に合った求人提案、なければ全国から探す
- 条件等(例:年収、勤務地、奨学金返済サポート)の交渉
- 希望店舗の現地調査
- 見学会同行(求職者と医療機関の希望があれば)
- 面接同行
- 面接後のフォローと結果のフィードバック
- 面接に落ちた場合、今後に向けた対策
- 内定・転職後も定期的にフォローあり
どういった連絡のやり取りをしているのか、メールやLINEを見せて頂きましたが、「そこまでやるか!」と思うほどの手厚いサービスで利用者満足度が非常に高いのが特徴です。
他の転職エージェントサイトでは見学会同行や面接同行はあまり行いませんが、薬剤師トップエージェントでは必ず同行をしますので、初めての転職や第二新卒の転職でも安心です。
初回登録後には必ず求職者にお会いして、細かいところまで聞き取るということをモットーにされていて、その後は電話・メール・LINEなどでの対応となります。
親身になって話を聞いてもらえ、都度、浮かび上がった「疑問点・問題」を解決できるように提案・交渉して頂けるので非常に安心感があります。
実際に、薬剤師トップエージェントのエージェントさんは、日頃から薬局の経営層や採用担当者と密に連携を行っていることから、通常の転職サイトに求人票が掲載される前から情報を入手しています。
残業無し、年休消化100%、家の近く、連休もOK、こんなわがまま条件のホワイト薬局も薬剤師トップエージェントならきっと見つかる!!
以下の記事で他の転職サイトとの比較も行っていますので、ぜひご確認くださいませ♪
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薬剤師の転職サイト3選を選ぶなら?|評判とエージェントの質を比較
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>>MRからの転職は薬剤師トップエージェント
まとめ
今回はMRからドラッグストア・調剤薬局に転職する際、どんなメリットがあるのか、またMR経験の活かせるポイントを解説しました。
記事のまとめ
- 近年、MRは早期退職勧告が活発で、絶対数は減少していくと予想されている
- MRから未経験でも薬剤師として活躍できる職場は「ドラッグストア」と「調剤薬局」
- MR経験が活きるポイントは「コミュニケーション能力」と「情報収集能力」
- 賢く転職するためにも薬剤師専門の薬剤師トップエージェントに登録しよう
今後もMRは減少の一途を辿ると予想されているため、今MRのあなたは不安を感じるかもしれません。
薬剤師への転職も不安に思うかもしれませんが、「MRだったからこそできるスキル」を活かすことで他の薬剤師との差別化も期待できるのではないでしょうか。
調剤薬局もしくはドラッグストア薬剤師を目指される場合には、ぜひそのMR経験を活かしてください!本記事があなたの今後の人生の少しでもお役に立てれば本望です。
少しでも調剤薬局・ドラッグストアへの転職が気になるようでしたら薬剤師トップエージェントから非公開求人を含めた情報を効率良く収集してくださいね。
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