「1年間働いたのに、ベースアップがたったの1,000円だった…」
「今の年収なら、このまま勤めるのはむずかしい」
「お金だけ求めてるわけじゃないけど、収入も大事だよね…」
上記のお悩みは、介護現場で働く介護職員から実際に耳にした言葉です。
介護職に就いたものの、年収を理由に介護職を辞める方はあなたの周りにもいませんでしょうか。
年収と仕事内容のバランスに悩んで、苦労して入った会社を退職したり短期間で転職したりする介護職は少なくありません…。
そこで本記事では、介護職が仕事にやりがいを感じつつ私生活も充実できるように、介護職で高年収になる方法を解説します。
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介護職の平均給与額と自分の給与額を比較しよう
はじめに介護職の平均給与額を確認して、自分がもらっている給与と比較してみましょう。
厚生労働省が公表している「令和3年度介護従事者処遇状況等調査」によると、2021年9月時点での介護職員の平均給与額は、以下の通りです。
平均給与額 | |
介護職員等特定処遇改善加算を取得している事業所の介護職員※1 | 323,190円 |
介護職員等特定処遇改善加算が未取得の事業所の介護職員※2 | 286,850円 |
介護職員等特定処遇改善加算が未取得の事業所の介護職員(非常勤)※3 | 113,490円 |
※1介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得している事業所における介護職員(正職員)
※2 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得している事業所のうち、介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得していない事業所
※3 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所における介護職員(非常勤)
平均給与額を確認する際は、以下の点に注意してください。
- 平均給与額には、基本給だけでなく、処遇改善手当や家族手当などの手当、賞与を含む一時金が含まれている
- 税金や社会保険料などが控除されていない
とある介護職の給与明細書
税金の概要については以下で解説していますので、併せてご覧ください。
-
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もしも、平均給与額とあなたのもらっている総支給額に大きな開きがある場合、勤め先の会社の経営がうまくいっていないのかもしれません…。
「何年も勤めているのにベースアップがない」「毎年の会社の決算は赤字が続いている」なら、職員の給与をアップさせる余裕がない会社とも考えられます…。
-
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続けて、勤続年数による金額の増加も確認しましょう。
厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職全体の平均勤続年数は8.7年となっており、勤続一年目の平均給与は277,350円です。
勤続年数を重ねると、平均給与額は以下のように増えていきます。
勤続年数 | 平均給与額 | 増えた金額 |
1年 | 277,350円 | ±0円 |
2年 | 287,560円 | 10,210円 |
3年 | 299,970円 | 22,620円 |
4年 | 300,180円 | 22,830円 |
5年~9年 | 311,970円 | 34,620円 |
10年以上 | 342,490円 | 65,140円 |
厚生労働省|令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
こうしてみると、10年以上継続すると毎月の平均給与が大きく上がる気がしますよね。しかし、年収にするとやや物足りないと感じるかもしれません。
例えば4年目の介護職の場合、増えた金額は22,830円です。そのまま年収にすると、およそ273,960円。4年間介護職を続けた結果、年収が27万円ほど増えたといえます。
もちろん、同じ会社に勤め続けると、役職が上がったり資格を取得したりして、これよりもっと年収が上がる可能性はあります。しかし、昇格するのは簡単ではありませんし、資格取得も必ずできるとは限りません。
介護現場は、入所してくる利用者さんの要介護度や職員の入れ替わりによって、職員一人ひとりの負担が大きく変化しています。
辛い時期が続くこともあり、「この給料じゃやっていけない!」と感じるのも無理はないと思うのです。
実際に、私が過去に勤めていた介護施設でも、給料の改善を訴える現場側と施設運営を行っている経営陣との間で、たびたび衝突が発生していました…。
「サービス残業までして働いてるのに、ベースアップもしないのか」と訴える介護職員に対して、
「プロの介護士としてスキルが低いのに、給与アップなんて言うべきじゃない」
と話す経営陣がいる介護施設もありました…。
待遇の問題は介護業界だけではないかもしれませんが、介護業務の大変さを考えると、もう少し待遇が上がってもいいですよね。
ここからは、介護職が高年収になる具体的な方法を解説します!
介護職で高年収になる方法3選
介護職で高年収になる方法は、以下の3通りです。
- 医療法人や社会福祉法人を狙って転職する
- 介護現場でキャリアを積む
- 経営サイド(管理職)になる
具体的に解説しますので、気になる内容から読んでみてくださいね♪
医療法人や社会福祉法人を狙って転職する
医療法人や社会福祉法人で働いてもらえる給与は、法人格の中でもトップクラスです。
公益財団法人 介護労働安定センターが公表した「令和3年度 介護労働実態調査結果 Ⅲ賃金等について」を参考に法人格別の月収をみてみましょう。
平均月収※ |
|
地方自治体 | 245,193円 |
医療法人 | 219,128円 |
社団法人・財団法人 | 208,670円 |
社会福祉法人 | 207,424円 |
民間企業(個人・株式会社等) | 203,698円 |
NPO(特定非営利活動法人) | 175,154円 |
※ 平均月収は、残業代や夜勤手当などの手当てが除かれています。そのため、先ほどの厚生労働省の平均給与額よりも、やや低い金額です。
公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
医療法人や社会福祉法人は、公益性の高い事業です。
税制が優遇されたり、助成金・補助金が受けられたりと、経営上のメリットもある法人格です。
高年収を目指す場合、医療法人や社会福祉法人を狙って転職すると、年収の大幅アップが可能です。例えば、介護ワーカーで医療法人を検索してみると、高月収の求人がありました。
介護ワーカー|医療法人で検索
ただし、経営状態が思わしくない法人も存在しますので、まずは近くにある医療法人や社会福祉法人の求人をチェックしてみましょう。
介護現場でキャリアを積む
介護現場でキャリアを積むと、以下の3つの方法によって年収をアップできます。
- 資格手当の対象になる資格を取得できる
- 介護職員等特定処遇改善加算の対象になる
- 役職に就けば基本給や賞与がベースアップする
資格手当の対象になる資格は?
介護職員の資格手当の主な対象は、介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、介護福祉士です。もちろん、こちら以外でも対象になる資格はありますが、会社ごとに支給要件や金額が異なります。
資格手当の詳しい支給要件を知りたい方は、勤めている会社の就業規則に載っていないか確認してみてください。
そして、ハローワークや求人サイトに掲載されている求人を基にした資格の相場がこちらです。
毎月の資格手当 | |
介護職員初任者研修 | 2,000円~6,000円 |
介護職員実務者研修 | 3,000円~8,000円 |
社会福祉士 | 0円~1万円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 0円~1万円 |
介護福祉士 | 5,000円~1万5,000円 |
社会福祉士や精神保健福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護職員が所持していても資格手当が入らないケースがありますので注意が必要です。
特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームといった入居施設では、喀痰吸引等研修を取得していると、高待遇が期待できそうですね!
また、認知症デイサービスやグループホームの介護職員なら、認知症ケア専門士などの認知症ケアに特化した介護資格が、資格手当の対象になるかもしれません。
介護職員等特定処遇改善加算とは
介護職員等特定処遇改善加算とは、介護職員のさらなる処遇改善を目的に設けられた加算です。
「経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める」という目的で、2019年10月に公費1,000億円を予算として制定されました。
厚生労働省|2019年度介護報酬改定について~介護職員の更なる処遇改善~
「経験・技能のある介護職員」であれば処遇改善が期待できるため、介護現場でキャリアを積んでいる介護職ほど、恩恵を受けられるのです!
介護職員等特定処遇改善加算の具体的な内容はこちらです。
- 月額平均8万円以上の賃金増
- 賃金の見込み額が年収440万円以上になるように賃金増
月額8万円は年収にすると96万円ですから、相当な金額ですよね。年収440万円も日本人の平均金額(約433万円)を上回っています。
ただし、特定処遇改善で「経験・技能のある介護職員」に選ばれるためには、以下の条件をいずれも満たす必要があります。
- 介護福祉士資格を所持していること
- 勤め先の介護施設から「経験・技能のある介護職員」に選ばれること
特定処遇改善によって賃上げされる介護職員は、「経験・技能のある介護職員」「その他の介護職員」にわけられています。そして、「経験・技能のある介護職員」とは、勤続10年以上の介護福祉士といった介護職が該当します。
介護経験には、他の介護現場で介護職として働いた実績も含まれますので、同じ会社で10年以上勤続している必要はありません。ただし、「経験・技能のある介護職員」に選ばれるためには、勤め先からの信頼や介護現場でのキャリアが大きく影響するでしょう。
介護現場でキャリアを積み、介護職員等特定処遇改善加算の対象者となることで、大幅な年収アップができるのです。
役職に就けば基本給や賞与のベースアップが期待できる
介護現場でキャリアを積むと、ユニットリーダーや介護主任といった介護現場を統括する役職に抜擢される確率が高くなります。その結果、基本給や賞与のベースアップによって、年収の大幅な上昇も期待できます。
以下は認知症デイサービスに勤めていた知人の介護職のお話です。
副主任に昇格した4年目に、基本給と賞与のベースアップを受けました。それまで、毎年2,000円だったベースアップが5,000円に増加。賞与も1.5か月から2.0か月に増えて、年収は30万円ほど増えました。子どもが幼稚園に上がるタイミングだったので、基本給と賞与のベースアップは本当に助かりました。
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介護施設の管理職になる
介護施設の施設長や管理者といった管理職に就き、高年収を目指す方法もあります。
介護労働安定センターが発表した「令和3年度 介護労働実態調査結果」によると、管理職の平均月収は260,542円でした。
職位 | 平均月収 |
管理職 | 260,542円 |
介護主任や介護リーダーなど | 233,355円 |
一般介護職 | 178,911円 |
公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
介護職員で入社しても、現場で信頼を積み重ねれば、管理職になることは十分に可能です。
実際に、一般介護職で入職してから社会福祉法人の施設長にまで出世した元介護職員もいます。元介護職の人が経営している会社や、介護職員の中から管理者を抜擢したことのある会社なら、介護職員から管理者になれる可能性は高いでしょう。
また、「よりよい施設に父や母を預けたい」と考えている家族の方にとって、介護職出身の管理者がいる介護施設は安心できます。特に身内の介護の大変さを知っている家族にとって、介護経験のある管理者は頼もしい存在に見えるのです。
施設で働く介護職からも、介護施設を利用する方々からも頼りにされるからこそ、介護施設の管理職は高年収!
実際に介護ワーカーの求人を確認してみても、管理職は非常に高年収な傾向です。
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介護職が高年収を目指す際の3つの注意点
介護職が高年収を目指す際は、体調管理と引き受ける仕事量に注意してください。
また、介護職でキャリアを積む中で、「生活相談員やケアマネジャーに転職しようかな?」と考えるタイミングがやってくるかもしれません。この辺りもあなたがやりたい仕事と乖離してしまう可能性があるため、注意点として理解しておきましょう。
体調管理に手を抜かない
介護職は、要介護高齢者を身体介助しながら、精神面のケアも行っている大変負担の大きい仕事です。
もしも以下の傾向が出てきたら、体調管理を優先させましょう。
- 利用者さんの介助中に腰が痛む
- 何もしていなくても、手がしびれたり首が回らなかったりする
体に痛みやしびれがある場合、整形や整骨院などで診察してもらうのがおすすめです。腰の痛みは、腰椎ヘルニアなどの可能性があり、手のしびれは腱鞘炎などのおそれがあります。どちらも介護職に多くあるケガですので、早めに治療してもらいましょう。
「仕事が忙しいから」と放置していると、体の症状が悪化して長期間の治療が必要になるかもしれません…。
また、体だけでなく心のケアも大切です。精神的な疲労が積み重なると、仕事にも影響が出てしまいます。
- 利用者さんの言動に腹が立つことが増えた
- 思わず利用者さんに手が出そうになったことがある
- 眠るまでに時間がかかったり、夜中によく起きたりする
上記に当てはまる項目があれば、「ストレスがたまっているのかも…」と考えて、早めにストレス解消してくださいね。
ちなみに介護職のストレス解消は、自分がお客さんの立場になるサービスを利用することがおすすめです。
介護職は、日常的に利用者さんをお客様として扱い、介護サービスを提供しています。反対に、自分がお客様となるサービスを利用すると、ストレス解消につながるのです。
例えば、マッサージ店やエステ、少し高めのレストランや旅館を利用して、特別扱いしてもらうと、びっくりするくらい気持ちが軽くなりますよ!
負担の大きい仕事は断るのも大切!
引き受ける仕事量が多すぎると、毎日働くことになりかねません。苦労して稼いだお金も使う暇がなくなる恐れがあります。
例えば、現場の介護職と管理業務の両方を引き受ける場合は、業務が多すぎるといえるでしょう。
介護職として早番から夜勤までこなしながら、介護職員のシフト作成といったリーダー業務まで担当。現場の統括や後輩の育成といった管理業務も行うと、いくら時間があっても足りません…。
ある特別養護老人ホームで働いていた介護リーダーの女性は、夜勤中の入居者さんが寝ている隙に事務作業をして、そのまま昼まで介護業務に従事するという働きかたをしていました。もちろん、夜間の介護業務もこなしています。
彼女は、毎月1万5,000円ほどのリーダー手当を受け取っていましたが、「まったく割に合わない」「家は、寝るためだけに帰っている」と話していました…。
このように、仕事を引き受けすぎると、プライベートな時間の確保が難しくなります。高年収も大事ですが、プライベートな時間と仕事の時間のバランスにも注意しましょう!
生活相談員やケアマネジャーの方が高年収を目指せるの?
介護職を続けていると、「相談員の方が稼げるよ」「介護現場の経験を生かしてケアマネになったら?」とアドバイスされることがあるかもしれません。
結論から述べると、生活相談員やケアマネジャーの方が高年収になります。平均月収別に比較してみました。
平均月収 | |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 232,667円 |
生活相談員 | 217,965円 |
介護職員 | 182,685円 |
公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
介護職員と生活相談員やケアマネジャーの間には、3万円以上の差があります。ただし、こちらの介護職員の平均月収には、夜勤手当は含まれていません。
そこで仮に、介護職員が夜勤業務のある介護施設に勤めているとして、1回の夜勤ごとに5,000円の手当が入ると考えてみましょう。
月4回夜勤業務に従事した場合
⇒182,685(基本給)+20,000(夜勤手当)=202,685円
介護支援専門員や生活相談員の月収に届くには、月7回以上夜勤に従事しなければいけない計算ですね…。月7回の夜勤は期間限定ならできるかもしれませんが、毎月行うのは大変です。
したがって、生活相談またはケアマネジャーのへ転職した方が年収アップは確実です。
ただし、介護職の働き方と生活相談員やケアマネジャーの働き方は異なるため、年収だけで転職すると後悔する結果になるかもしれません。
介護職は、介護現場で利用者さんに介護サービスを提供しますが、生活相談員やケアマネジャーは、介護保険制度のマネジメントや介護保険制度を活用した日常生活の支援を主な業務としています。
そのため、介護現場に携わる時間よりも、デスクワークの時間の方が多くなるのです。最近ではケアマネの在宅ワーク・テレワーク求人も増えてきました。
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ケアマネ・介護職のテレワークは可能?求人の探し方の『コツ』を解説!
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もしも「介護現場で利用者さんと接している時間が好き」という方が、年収だけで転職すると後悔する可能性が高いです…。
生活相談員やケアマネジャーになると、介護スキルとは別のスキルを要求される点も覚えておきましょう。介護職員として現場で培ってきた介護経験は必ずプラスに働きますので安心してください!
もしも介護職で高年収を目指すか、生活相談員やケアマネジャーで高年収を目指すか迷った際は、それぞれの業務内容が自分に合っているかどうかを基準に考えてみてくださいね。
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最後に
介護職が高年収を目指すなら、転職エージェントサイトに登録するのが近道です。
専門のアドバイザーが、転職者の希望に沿った求人を探してくれるため、自分1人で探すよりも効率的に高年収の求人を見つけられます。
以下の記事で主な介護職用の転職エージェントサイトを比較していますが、最もおススメするのは介護ワーカーです。
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介護職の転職におススメ!転職エージェントサイト2社の特徴を実体験から比較
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介護ワーカーは、全国対応可能で8万件以上の求人が登録されており、高年収の求人をいち早く見つけられます。
また、専門のアドバイザーに「年収〇〇円以上を希望します」といった要望を伝えて、納得できるまで転職活動が可能です。
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あなたが高年収を目指す際に、本記事が参考になれば大変嬉しく思います。介護職としての職能を高めて、年収も高めていきましょーーーっ!