生物系薬学

生物:血液系、オータコイド・神経伝達物質(16問)

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問1 赤血球の特徴として正しいのはどれか。

①寿命は約10日である。

②一次止血に関与する。

③核、細胞小器官をもたない。

正解は③でした!

【解説】

①誤。血小板の記述である。赤血球の寿命は約120日である。

②誤。血小板の記述である。赤血球は酸素の運搬を行う。

③正。赤血球は核や細胞小器官がない。

赤血球に関連する疾患の鉄欠乏性貧血についてはこちらの記事をご参照

 

問2 血小板の前駆細胞はどれか。

①赤芽球

②肥満細胞

③巨核球

正解は③でした!

【解説】

巨核球の細胞質がちぎれてできるのが血小板である。

 

問3 ヒトの血液に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①白血球は、血管内でのみ貪食能を発揮する。

②血小板は、不定型の小体で核をもつ。

③血漿とは、血液中から血球を取り除いた液体の部分のことである。

正解は③でした!

【解説】

①誤。白血球は、血管外へ遊走し、異物を貪食する。

②誤。血小板は巨核球がちぎれて生成する細胞片であり、核を持たない。

③正。記述の通りである。

 

問4 赤血球はどこで破壊されるか。

①膵臓

②脾臓

③肝臓

正解は②でした!

【解説】

赤血球の寿命は約120日であり、脾臓で破壊される。

 

問5 顆粒白血球のうち最も多いのはどれか。

①好塩基球

②好酸球

③好中球

正解は③でした!

【解説】

顆粒球のうち好中球が最も多く、白血球の半数以上を占める。

 




問6 次のうち核があるのはどれか。

①白血球

②赤血球

③血小板

正解は①でした!

【解説】

白血球には核がある。赤血球と血小板には核がない。

 

問7 血液凝固系により生成したフィブリンを分解するのはどれか。

①トロンビン

②プラスミン

③フィブリノーゲン

正解は②でした!

【解説】

血液凝固に関与するフィブリンを分解するのはプラスミンである。

フィブリンの形成に伴い、プラスミノーゲンのプラスミンへの活性化反応が促進される。

 

問8 炭素数20の不飽和脂肪酸から合成される生理活性物質の総称を何というか。

①ヒスタミン

②ブラジキニン

③エイコサノイド

正解は③でした!

【解説】

エイコサノイドとは、炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコサエン酸)から合成される生理活性物質の総称であり、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンなどが含まれる。

 

問9 セロトニンの生合成の前駆物質はどれか。

①アラキドン酸

②L-トリプトファン

③L-ヒスチジン

正解は②でした!

【解説】

セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを前駆物質として合成される。

また、間脳に存在する松果体ではセロトニンから日内リズムに関与しているメラトニンが生成される。

 

問10 5-リポキシゲナーゼなどによりアラキドン酸から生成するエイコサノイドはどれか。

①プロスタグランジン

②トロンボキサン

③ロイコトリエン

正解は③でした!

【解説】

ロイコトリエンは5-リポキシゲナーゼによりアラキドン酸から生合成されるエイコサノイドである。

ロイコトリエンには気管支収縮作用や白血球遊走作用などがある。

 




問11 セロトニンの生理作用として正しいのはどれか。

①脳血管拡張作用

②平滑筋拡張作用

③催吐作用

正解は③でした!

【解説】

①誤。5-HT受容体を介した脳血管収縮作用(片頭痛の抑制)がある。片頭痛とセロトニンについてはこちらの記事をご参照

②誤。5-HT受容体を介した平滑筋収縮作用(血管、腸管、気管支、子宮)がある。

③正。5-HTを介した催吐作用(延髄のCTZ、求心性迷走神経末端に対する作用)がある。制吐目的で5-HT3拮抗薬が用いられる。

 

問12 ヒスタミンの生理作用として正しいのはどれか。

①血管透過性抑制作用

②気管支拡張作用

③胃酸分泌促進作用

正解は③でした!

【解説】

①誤。H受容体を介した血管透過性亢進作用がある。

②誤。H受容体を介した気管支収縮作用がある。

③正。H受容体を介した胃酸分泌促進作用や血管拡張作用がある。

 

問13 一酸化窒素合成酵素(NOシンターゼ)により一酸化窒素(NO)を生成するアミノ酸はどれか。

①L-トリプトファン

②L-アスパラギン

③L-アルギニン

正解は③でした!

【解説】

一酸化窒素は、血管内皮細胞内でNO合成酵素の働きにより、L-アルギニンから生成される。

NOは血管平滑筋細胞内のグアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMPの産生を促進させ、血管平滑筋の弛緩に関与している。

 

問14 レニン及びアンギオテンシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。

①アンギオテンシンⅡは、血管平滑筋を弛緩させる。

②アンギオテンシンⅡは、副腎皮質でアルドステロンの合成・分泌を促進する。

③レニンは、副腎髄質クロム親和性細胞から分泌される。

正解は②でした!

【解説】

①誤。アンギオテンシンⅡは、AT1受容体を介して血管平滑筋を収縮させる。

②正。アンギオテンシンⅡは、副腎皮質の球状層で、アルドステロンの合成・分泌を促進する。アルドステロンに関与する薬剤はこちらの記事をご参照

③誤。レニンは、腎傍糸球体細胞から分泌される。副腎髄質クロム親和細胞から分泌されるのはアドレナリンである。

 

問15 生理活性物質とその前駆体との対応のうち、正しいのはどれか。

①ドパミン-チロシン

②ノルアドレナリン-ヒスチジン

③γ-アミノ酪酸-グリシン

正解は①でした!

【解説】

①正。ドパミンは、チロシンから合成される。

②誤。ノルアドレナリンは、チロシンから合成される。ノルアドレナリンやドパミンの合成に関与する薬剤についてはこちらの記事をご参照

③誤。γ-アミノ酪酸は、グルタミン酸から合成される。

 




問16 アミノ酸系神経伝達物質のうち、興奮性神経伝達物質はどれか。

①γ-アミノ酪酸

②グリシン

③グルタミン酸

正解は③でした!

【解説】

グルタミン酸は、グルタミン酸受容体を介して、中枢神経の興奮性シナプス伝達や記憶・学習に関与している。

グルタミン酸神経が過剰に働き過ぎるとバランスが崩れ、てんかんを引き起こすこともある。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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