昨今の診療報酬改定の影響を受け、特に中小規模の保険薬局では経営困難になっていることもあります。
薬剤師不足やそれを補う派遣・バイト薬剤師の人件費・・・・経営者のあなたはかなり頭を悩ませているかもしれません。
- 社員が産休や育休で人手不足。でも新しく社員は雇えない。
- 繁忙期にピンポイントで人材が欲しい
- 派遣に依頼したいけど、、仲介料が高い・・・。
- 正直、スキルのない薬剤師にはヘルプに来て欲しくない。
そんな中、最近ではフリーランス薬剤師といった新しい働き方が注目されています!
業務委託契約のため、面倒な労務管理や社会保障関連の費用(例:健康保険、厚生年金、雇用保険など)も発生しません。
紹介手数料もかなーーーり良心的!しかも実力のある薬剤師の登録多数!
そんなフリーランス薬剤師の仕組みと募集する方法について、薬局側の視点から解説していきます。ちなみに、病院の調剤は医療法上、業務委託できないため、今回は保険薬局向けの記事です。
フリーランスになりたい薬剤師さん向けの記事はこちら↓↓
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フリーランス薬剤師の働き方|マッチング方法やメリット・デメリットとは
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派遣薬剤師との違い
派遣薬剤師は派遣会社に登録後に各薬局に派遣され、派遣先の指示命令のもと業務を行う働き方です。
【出典】きょうりょく薬剤師
派遣期間中は派遣会社と雇用関係にあるため、働く薬剤師にとっては各種社会保障へ加入でき、かつ有給休暇も取得可能です。これまでの薬剤師業界では人員不足に対応できる手法として広く認知されてきた働き方ですよね。
しかしながら薬局側にとっては派遣会社のマージン(仲介手数料)は高額と言われていて、支払う時給の約30~40%が相場です。
その分、実際に働く薬剤師の時給は安くなりがちですし、薬局側も高い仲介手数料を支払う必要があるため、経営が悪化すれば派遣薬剤師を雇うことも困難になります。
そんな問題点を解消する目的で広まっているのがフリーランス薬剤師です。
フリーランス薬剤師は薬局側と雇用関係にはありません。業務委託契約に沿った業務を遂行することで報酬が発生するといった仕組みですね。
【出典】きょうりょく薬剤師
フリーランスは派遣より単価が高いのでは・・・?
との声を聞くこともありますが、正社員を雇うリスク(労災や保険料等)はなく、高額な手数料が発生しないため、経営状況や戦略に合わせた適切な人員配置を低コストで行うことができるのです。
また、派遣薬剤師よりも紹介手数料が格安なため、薬局側は更に人件費が削減可能可能です!例えば、マッチングサイトの「きょうりょく薬剤師」では紹介手数料は時間あたり400円と格安です。
【出典】きょうりょく薬剤師
同じくマッチング会社のサポンドでは、月に何人何度募集しても、何時間勤務してもらっても紹介手数料は月額35,000円とこちらも非常に割安!
サポンドの菊地 将和(きくち まさかず)さんにお話しを伺ったところ、
- 薬局側にはフリーランスを利用しやすい料金で提供したい。
- 薬剤師には頑張った分だけ報酬に還元される仕組みを作りたい。
- 優秀な薬剤師には適正な報酬が届くようにしたい。
と両者Win-Winな関係を作る事を大切にしているとお話しいただきました。
株式会社goose up代表|菊地 将和
もちろん両者共、実際にフリーランス薬剤師が働き出さない限り紹介料は発生しませんのでご安心ください。
今後、人員不足が心配される場合や、とりあえず登録しておくだけという場合は全て無料ですので、登録しておいて損はないでしょう。
フリーランス薬剤師と契約した薬局の実際は?(メリット中心)
取材を通じ、フリーランス薬剤師と契約した薬局側の実際のところについて紹介していきましょう。
メリット・デメリットを記載しようと思いましたが、薬局側にはあまり特筆すべきデメリットがないため、メリット中心の紹介ですがご了承ください。。m(_ _)m
フリーランス薬剤師の実際
- 薬剤師のスキルが高い
- 事前の面談で擦り合わせが可能(ミスマッチが最小限)
- 従業員の急な欠員・退職・有給取得に対応可能
- 労働基準法・就業規則は対象外(←一部デメリットあり)
- 業務委託契約書が必要(デメリット)
薬剤師のスキルが高い
まずはこれが一番のメリットでしょう。
派遣薬剤師ではしばしば、希望するようなスキル・経験(例:在宅業務、診療科)のない薬剤師が派遣されることがあります。
その点、フリーランス薬剤師はスキル・経験が豊富で、かつやる気のある方が多いため、本当の意味での即戦力が期待できるのが特徴です。
実際にきょうりょく薬剤師の柿間様と、サポンドの菊地様からお話を伺いました。
柿間 隼志様
きょうりょく薬剤師は経験年数豊富な薬剤師が多く、薬剤師側の登録時に1人1人とオンラインで面談を行なっているので人柄や施設・在宅業務経験の有無なども確認しています。
またフリーランスでやる覚悟がある薬剤師が登録しているのでスキルや質の高い薬剤師が多い印象で、その点が薬局様からの高評価にも繋がっていると考えています。
菊地 将和様
サポンドでは優秀な薬剤師さんに登録していただくことを意識しています。事前にしっかり面談をさせていただき、お断りすることもあります。そのおかげか、彼ら/彼女たちはとても薬局から評判が良いです。
薬局様と薬剤師の間で(しがらみのない前提で)、プライベートでも仲良くされていて、「今度、一緒に山に登るんですよ」とか「一緒に食事に行きました」といった話をしてくださるときは私も本当に嬉しく感じます。
私にとっての「優秀」というのは、きちんと挨拶できたり、謙虚で良好なコミュニケーションが取れるということなんです。このような方は、将来的にも仕事の心配はないと思います。
いずれも登録時にしっかりと面談を行って、薬剤師のスキル・経験を把握されています。
事前の面談で擦り合わせが可能(ミスマッチが最小限)
きょうりょく薬剤師とサポンドではマッチングの前に、必ず薬剤師と薬局とのWEB面談の場を設けてくれます。
そこで薬局側と薬剤師の擦り合わせをしっかり行い、また2社共に仲介に入ってくれるためスムーズな交渉も可能です!
実際にフリーランス薬剤師と契約した薬局さんの声を紹介しますね。
薬局の評判
今いる従業員が産休に入るとのことで、産休までになんとか人員を確保したいと思っていました。従業員が戻られた時を考えると新規で雇うわけにはいかず、、、
最初は派遣を考えたのですが、一度来ていただいた方と従業員が仲良くできなかった経験から、正直尻込みをしていました。
そんな中、知り合いの薬局からきょうりょく薬剤師のお話を聞き、お話をしてみることに。
いろいろと良い点はありましたが、一番良かったのが「薬剤師と契約をする前に面談を行える点」でした。「従業員と仲良くやってくれそうか」「仕事をする上でスキルはあるのか」そう言った視点で面談を行えました。
面談したからと言って完全にミスマッチがないわけではないと思いますが、うちに来てくれた薬剤師はとても良い方で、本当に助かってます!
事前面談を行うことでミスマッチは少なくできます。ただし、フリーランス薬剤師の母数はまだまだ少数なため、100%必ずマッチできるとは言い切れない点に注意が必要です。
従業員の急な欠員・退職・有給休暇取得に対応可能
上記にもありますが、従業員の産休や怪我、急な欠員時にも迅速に対応可能なのがフリーランス薬剤師の強味ではないでしょうか。
これまでは急な欠員対応として派遣薬剤師が中心でしたが、仲介手数料の高さから躊躇されることもしばしばありました。そんな時に紹介料が格安で、かつスキルも申し分ないフリーランス薬剤師は非常に心強い存在となってくれます。
薬局の評判
怪我の欠員や代替人員の確保に
関東圏の薬局
常勤の薬剤師が怪我をしてしまい、しばらく入院が必要となってしまいました。すぐに薬剤師が必要だったので派遣を頼むことも考えましたが、柔軟性と金額面を考慮してフリーランス薬剤師を探すことに。
代表の柿間さんから業務委託契約時のアドバイスを多数いただいたお陰で、非常に理解しやすくスムーズな契約に繋がったと思います。
その後も以下の理由で現在までに3名のフリーランス薬剤師の方と商談を成立させていただきました。
弊社がフリーランスに望んでいた事は
- 職員の退職による人員補填
- 職員の有給休暇取得の際の人員補填
- 急に長期休養が必要となった薬剤師分の人員補填
と様々で、それぞれ募集した勤務形態も異なっていたものの、紹介を依頼して早ければ翌日にご連絡をいただき、商談成立まで1週間程度と迅速な対応をしていただきました。
職員も曜日が特定されていない子供の学校行事に参加出来る様になり、現在では仕事をフルタイムでこなしつつ、プライベートも充実させて頂いております。
欠員が出てからきょうりょく薬剤師やサポンドに依頼しても良いのですが、すぐに対応できるよう、今のうちから登録しておいて損はありません。いずれも迅速に対応してくださります。
労働基準法・就業規則は対象外
通常、正社員やバイト・派遣が雇用契約を結ぶと、労働基準法や就業規則が適用されるのですが、フリーランスはその対象外です。
過労の問題等もあり、残業の規制や有給休暇取得率等、縛りはどんどん厳しくなっていますが、あまりに縛られてしまうと、お昼休憩は30分間だけでも詰め込んで働きたいと思っている人も、必ず12時から1時まで休憩をしなければいけないなど、不自由さが出てきてしまいます。
その点、フリーランスなら労働基準法・就業規則に縛られない自由な働き方が可能となります。もちろん、事前の業務委託契約の内容に沿った業務遂行が前提ですが。
デメリットとしては、労基法が適用されないため、基本は業務委託契約の内容に縛られます。従って、マッチングの際には薬剤師側と薬局側で密に相談をした上で契約書を作成するようにしましょう。契約書については以下で述べます。
労基法に守られてないからこそ、これを逸脱して何か問題が起こってしまうと薬局側の責任問題になりかねません。
業務委託契約書が必要
これはデメリット面かもしれません。フリーランス薬剤師に業務委託する際には必ず業務委託契約書が必要になります。
今まで正社員・バイト・派遣のみとしていた薬局では聞きなれないでしょうし、実際に見たこともないかもしれません。
最初は慣れないかもしれませんが、次にご紹介するマッチング会社2社なら、共に雛形を用意してくれていますし、契約時の注意点等も親切に教えてくれます。
業務委託契約書の例(きょうりょく薬剤師より)
ちなみにきょうりょく薬剤師では、契約書にサインしてもらう前に契約書の要点をまとめた契約内容確認票を作成して双方に確認して貰っているとのことでした。
紹介料が格安なマッチング会社
実際に薬局がフリーランス薬剤師とマッチングしたい場合、どうすればよいのでしょうか?
これまでは知り合い経由でフリーランス薬剤師を紹介して貰ったり、SNSで募集をしたり、となかなか効率的な方法はありませんでした。
しかし最近ではフリーランス薬剤師向けの無料マッチングサイトも数社立ち上がってきていますので、あなたの労力を減らすためにも是非利用してみてください。
条件の交渉、契約書の作成、支払い管理なども行ってくれるサイトもあります。
私が調べたところ、全国対応が可能なサイトは以下の2社があるようですね。
マッチングサイト一覧
- きょうりょく薬剤師:紹介料は400円/時間
- SUPPOND(サポンド):月額35,000円で利用し放題
きょうりょく薬剤師:紹介料は400円/時間
サポート体制が特に手厚いのは「きょうりょく薬剤師」です。薬剤師と薬局側の条件交渉・契約書作成から支払い管理まで全て行ってくれますし、契約期間中も定期的にヒアリング・フォローを行なってくれます。
フリーランス薬剤師への報酬支払も仲介してくれるため、薬局側はフリーランスと個別にお金のやり取りをする必要がありません。
【出典】きょうりょく薬剤師
2020年5月からサービスを開始し、当初は関東圏中心でしたが現在では沖縄から北海道まで全国の薬局をフォローしています(スピード感もすごい!)。
登録からの流れは下図の通りですが、マッチングして実際にフリーランス薬剤師が働き始めるまでは全て無料です。
【出典】きょうりょく薬剤師
これだけのサービスにも関わらず、マッチング後も紹介手数料は400円/時間と格安。ホンマにスゴイ・・・(笑)
もしフリーランスから正社員となる場合も手数料は格安に設定されています。もし今後、フリーランス薬剤師とマッチングする可能性があるならば登録しておきましょう。
SUPPOND(サポンド):何時間勤務してもらっても月額35,000円
「SUPPOND(サポンド)」はサービス開始当初は九州地区限定でしたが、今では全国の薬局も対応してくれます。
きょうりょく薬剤師と同様、もちろん契約書作成や事前の薬局側との面談セッティングも行ってくれますし、働き出してからも定期的に面談を行ってくださいます。
一点、異なる点があるとすれば報酬の支払方法でしょうか。サポンドでは支払に関して薬局側と薬剤師側の仲介を行わないため、「薬局⇒薬剤師個人」の直接支払いになります。
直接のやり取りのため、薬局の経理に沿った処理が可能ですし、時給の変更があった場合もスムーズです。その分、薬剤師側との支払いトラブルには注意が必要です。ただ、トラブル時にはサポンドが仲介してくれますのでご安心ください。
紹介料は月に何時間勤務してもらっても、何人に何回依頼しても一定の月額35,000円のみです。
月額が決まっているので、利用の際は長時間ご利用頂くのが良いと思いますね!
まとめ:様々な選択肢を準備して柔軟な働き方を
業務委託契約で働く
フリーランス薬剤師という新しい働き方。
もしあなたの薬局で以下のような問題点が起こった場合、強い味方になってくれるでしょう。
- 社員が産休や育休で人手不足。でも新しく社員は雇えない。
- 繁忙期にピンポイントで人材が欲しい
- 派遣に依頼したいけど、、仲介料が高い・・・。
- 正直、スキルのない薬剤師にはヘルプに来て欲しくない。
徐々にフリーランス薬剤師も拡大傾向にあるため、今のうちからマッチング会社に登録して、いざという時に備えてみませんか?
フリーランス薬剤師とマッチングするまで料金は一切かかりません。あなたの薬局で、新しい選択肢としてご検討いただけたら、大変嬉しく思います♪
\ 紹介料は400円/時間 /
産休で急遽人員募集
関東圏の中規模薬局