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問1 血友病に関する記述として正しいものはどれか。
① 因子となる遺伝子はY染色体上にある
② 関節内出血がよく見られる
③ 血小板数は減少、出血時間は延長する
正解は②でした!
【解説】
血友病は、X染色体の伴性劣性遺伝形式をとる先天性凝固障害であり、男児に多く発症する。第Ⅷ因子が欠乏する血友病Aと第Ⅸ因子が欠乏する血友病Bが存在する。
主な症状は、関節内出血や筋肉内出血、深部出血などである。よって正しいのは②。
①因子の遺伝子はいずれもX染色体上に存在するため、X染色体を1本しか持たない男児に生じやすい。
③血友病は二次止血が障害される内因系凝固障害であるためAPTTは延長するが、出血時間や血小板数、外因系凝固能力を示すPTは全て正常である。
問2 血友病Aの治療薬として最も正しいものはどれか。
① デスモプレシン
② リツキシマブ
③ サリドマイド
正解は①でした!
【解説】
血友病の治療では主に欠乏因子の補充療法を行う。血友病Aには第Ⅷ因子や①デスモプレシンの静注、血友病Bには第Ⅸ因子の補充が行われる。よって正しいのは①。
②リツキシマブは抗CD20モノクローナル抗体であり、B細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に用いられる。
③サリドマイドは多発性骨髄腫における自家末梢血幹細胞移植後の維持療法として有用性が考えられているが、副作用の観点から長期投与は難しいとされる。
※自家末梢血幹細胞移植とは、あらかじめ自分の造血幹細胞を末梢血から採取した後、大量の抗がん剤による化学療法で骨髄腫細胞を破壊し、事前に採取していた造血幹細胞を移植する方法である。
最近では血友病Aにバイスペシフィック抗体製剤のエミシズマブ(製品名:ヘムライブラ)が使用されることもある。
問3 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の病態生理について正しいものはどれか。
① プレドニゾロンの投与が有効である
② 深部出血が見られる
③ 出血時間、APTT、PT全て延長する
正解は①でした!
【解説】
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、血小板に対する自己抗体(抗血小板膜タンパク質特異抗体)が産生されることで脾臓での血小板破壊が亢進し、出血傾向や皮膚の紫斑を生じる疾患である。
ITPは自己免疫疾患であるため副腎皮質ステロイドである①プレドニゾロンの投与が第一選択であり、他脾臓の摘出(脾摘)も有効とされる。よって①が正しい。
②深部出血や関節内出血を認める疾患としては血友病があげられる。
③ITPでは血小板が減少するため出血時間の延長は認められるが、APTTやPTは正常である。
問4 PT(プロトロンビン時間)とAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は正常で、出血時間のみが延長する疾患はどれか。
① 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
② 血友病A
③ 播種性血管内凝固症候群(DIC)
正解は①でした!
【解説】
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、ADAMTS13(Vwf(フォン・ウィルブランド)因子切断酵素)の活性低下により超高分子vWFが出現して、無数の血小板血栓が形成される疾患である。
血小板の消費的減少により出血傾向が認められる。正しいのは①。
②血友病Aは、血液凝固因子第Ⅷ因子が欠乏しているが、出血時間には影響しない。
③播種性血管内凝固症候群(DIC)は、血液凝固因子や血小板が減少するため、出血時間の他APTTやPTも延長する。
問5 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の原因薬剤として最も適当なものはどれか。
① チクロピジン
② インドメタシン
③ アシクロビル
正解は①でした!
【解説】
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の原因薬剤としては①チクロピジンが有名である。
チクロピジン塩酸塩製剤は2度に渡ってTTPについての緊急安全性情報が出され、投与開始から2か月間は定期的な血液検査の実施が求められている。よって①が正しい。
②インドメタシンや③アシクロビルは播種性血管内凝固症候群(DIC)の原因薬剤である。
問6 急性前骨髄性白血病(APL)に関する記述のうち、正しいのはどれか。
① 血清LDH値は低下する
② 播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多い
③ フィラデルフィア染色体が認められる
正解は②でした!
【解説】
急性白血病は、造血幹細胞に変異が生じて幼若な前駆細胞が増殖する疾患であり、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色によって急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ球性白血病(ALL)の2つに分類される。
急性前骨髄性白血病(APL)はAMLの1種であり、PML/RARα融合遺伝子が認められる。主な症状は、汎血球減少による発熱、貧血、出血傾向であり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多い。
よって②が正しい。治療にはトレチノイン(ビタミンA誘導体)による分化誘導療法が寛解導入療法として用いられる。
※寛解とは、白血病細胞を抑えることができている状態を示す(寛解≠完治)。急性白血病の化学療法では完全寛解を目的とし、寛解をした後も寛解後療法を実施する。
①白血球の破壊により血清LDH値や尿酸値は上昇する。
③フィラデルフィア染色体が認められるのは慢性骨髄性白血病(CML)である。
問7 急性リンパ球性白血病に適応がない薬剤はどれか。
① ブレオマイシン
② プレドニゾロン
③ ビンクリスチン
正解は①でした!
【解説】
急性リンパ球性白血病(ALL)はミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色の陽性率1%以下で識別される。
ALLの寛解導入療法時に使用される薬物は、②プレドニゾロン、③ビンクリスチン、L-アスパラギナーゼ、ドキソルビシンなどである。
①ブレオマイシンは扁平上皮がんに対して用いられ、白血病への適応はない。よって正解は①。
問8 慢性骨髄性白血病(CML)に関する記述のうち、正しいのはどれか。どれか。
① PML/RARαキメラ遺伝子が認められる
② 急性転化を起こすと予後は不良である
③ 慢性期には白血病裂孔は陽性を示す
正解は②でした!
【解説】
慢性骨髄性白血病(CML)では、そのほとんどに9番と22番染色体の相互転座により生じたフィラデルフィア染色体が認められる。
この染色体上に形成されたBCR/ABLキメラ遺伝子によりBcr-Ablチロシンキナーゼが産生され、各成熟段階の白血球が増殖してCMLを発症する。発症は緩徐で自覚症状を認めにくいが、急性転化を起こすと予後は極めて不良となる。
よって②が正しい。
①PML/RARαキメラ遺伝子が認められるのは急性前骨髄性白血病である。
③慢性期には白血病裂孔は陰性である。(急性転化後、急性期では陽性を示す。)白血病裂孔は主に急性白血病(AMLとALL)で陽性を示す。
※白血病裂孔とは、多数の未分化の白血病細胞と少数の正常な残存成熟細胞のみが見られ、中間の分化段階にある細胞が見られない状態をいう。
問9 イマチニブを第一選択として治療に用いる疾患はどれか。
① 急性リンパ球性白血病
② 非ホジキンリンパ腫
③ 慢性骨髄性白血病
正解は③でした!
【解説】
イマチニブはBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病の治療に用いられる。
正しいのは③。
慢性骨髄性白血病の治療には、イマチニブと同じくBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬のニロチニブやダサチニブも用いられる。その他には、造血幹細胞移植やインターフェロン、ヒドロキシカルバミドなどが用いられることもあるが、稀である。
①急性リンパ球性白血病には、抗がん剤を用いた化学療法が有効である。
②非ホジキンリンパ腫の治療は化学療法と放射線療法が主体となる。B細胞性非ホジキンリンパ腫には、CHOP療法に抗CD20モノクローナル抗体のリツキシマブを併用したR-CHOP療法が適用される。
問10 多発性骨髄腫に関して、誤っている記述はどれか。
① 赤血球の連銭形成がある
② 病的骨折を起こしやすい
③ 巨核球が腫瘍化した疾患である
正解は③でした!
【解説】
多発性骨髄腫とは、骨髄において形質細胞が腫瘍性、単クローン性に増殖する疾患である。
増殖した形質細胞やそこから産生される大量のMタンパク(単クローン性免疫グロブリン)が、病的骨折やMタンパク血症、骨髄機能低下などを引き起こす。
赤血球の連銭形成や骨の打ち抜き像、尿中のベンス・ジョーンズタンパク陽性などを特徴とする。
誤っているのは③で、巨核球→形質細胞に直すと正しい。
問11 好中球減少症に用いられる薬剤はどれか。
① クロラムフェニコール
② フィルグラスチム
③ ペニシラミン
正解は②でした!
【解説】
好中球減少症には、②フィルグラスチム、ナルトグラスチムなどのG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤が治療に用いられる。
感染症への対応としてはカルバぺネム系や第4世代セフェム系の抗菌薬の投与が行われる。
よって正しいのは②。
①クロラムフェニコールと③ペニシラミンなど、様々な薬剤に好中球減少症を起こす恐れがあると言われている。
問12 MALTリンパ腫の発症に関するものはどれか。
① 肺炎球菌
② 結核菌
③ ヘリコバクター・ピロリ
正解は③でした!
【解説】
MALTリンパ腫は胃に限局する悪性リンパ腫であり、ヘリコバクター・ピロリの感染が関与しているため除菌療法が適応となる。
よって③が正しい。
※ヘリコバクター・ピロリの除菌療法では、ボノプラザン、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤を1週間内服する(1次除菌)。それでも除菌不成功の場合は、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変えてもう一度除菌療法を行う(二次除菌)。
問13 血栓・塞栓症とその治療に関する記述について、誤っているものはどれか。
① 抗リン脂質抗体症候群は、動静脈血栓症や習慣性流産の原因となる
② 妊婦に抗凝固療法を行う場合は、催奇形性のないヘパリンが選択される
③ ヘパリンの抗凝固効果はPT(プロトロンビン時間)で評価できる
正解は③でした!
【解説】
PT(プロトロンビン時間)は血液凝固検査の1つであり、外因系の血液凝固能力を示す。
ヘパリンの抗凝固効果の検査に使用されるのはAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)であるため、誤っているのは③。
①抗リン脂質抗体症候群とは、生体の構成成分であるリン脂質、またはリン脂質に結合したタンパク質に対する自己抗体が産生される疾患であり、動静脈血栓症や習慣性流産、血小板減少症などを呈する。
②妊婦に対しては胎盤通過性のないヘパリンを使用する。なお、ワルファリンは催奇形性があるため、妊婦には禁忌である。
問14 血栓溶解作用を示す薬物として、最も適当なものはどれか。
① ワルファリン
② アルテプラーゼ
③ サルポグレラート
正解は②でした!
【解説】
アルテプラーゼは、組織プラスミノーゲン活性化因子であり、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換しフィブリンを分解して血栓溶解作用を示す。よって②が正しい。
①ワルファリンは、ビタミンKに拮抗しトロンビン生成を抑制することで、抗凝固作用を示す。
③サルポグレラートは抗血栓薬であり、5-HT2受容体を遮断しセロトニンによって誘発される血小板凝集や血管の収縮を抑制する。
問15 ヘパリン過剰投与時の解毒薬として、最も適当なものはどれか。
① アルガトロバン
② プロタミン
③ トラネキサム酸
正解は②でした!
【解説】
ヘパリンはATⅢ(アンチトロンビンⅢ)によるセリンプロテアーゼ(トロンビン、第X因子)の不活性化を促進し、抗トロンビン作用を(抗凝固作用)示す。
プロタミンは塩基性物質であり、酸性物質のヘパリンと結合することでヘパリンとATⅢの複合体形成を阻害し、ヘパリンの作用に拮抗する。
よって②が正しい。
①アルガトロバンは、トロンビン活性部位に結合し、ATⅢ(アンチトロンビンⅢ)非依存的にトロンビン活性を抑制し、抗凝固作用を示す。
③トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのリジン結合部位に結合し、プラスミンによるフィブリン分解を阻害する抗線溶薬である。
問16 クロルフェニラミンマレイン酸による、突然の高熱や寒気、のどの痛み等の副作用として適当なものはどれか。
① 間質性肺炎
② うっ血性心不全
③ 無顆粒球症
正解は③でした!
【解説】
クロルフェニラミンマレイン酸の重篤な副作用に、③無顆粒球症や再生不良性貧血がある。
突然の高熱、寒気、のどの痛みは無顆粒球症の典型的な症状である。
よって正解は③。
他、チクロピジンやサラゾスルファピリジン、チアマゾールなどの薬物も無顆粒球症を生じる恐れがある。
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