化学系薬学

有機化学:有機ハロゲン化合物(9問)

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問1 次の反応において、最も反応が速く進行する脱離基Xを選べ。

①F

②Cl

③Br

④I

正解は④でした!

【解説】

脱離基は、脱離後に安定なものほど脱離しやすい。

脱離後の脱離基は、イオンであるため、安定性は塩基性と相関する。

すなわち、脱離後のイオンについて、塩基性が低いほど脱離基は脱離しやすい。

ハロゲン化物イオンの塩基性はF->>Cl->Br->I-であり、脱離基の脱離しやすさは逆順のI->Br->Cl->>F-となる。

 

問2 次の反応において、最も反応が速く進行する条件Xを選べ。

C2H5OH

②C2H5SH

③C2H5ONa

④C2H5SNa

正解は④でした!

【解説】

SN2反応における求核剤の反応性は、同じ求核種であればアニオンの方が反応しやすい。

また、求核性原子が大きいほど、反応性が高い。

 

問3 次の反応における生成物の立体化学として、適切なものを1つ選べ。

正解は③でした!

【解説】

反応はSN1反応であり、カルボカチオン中間体が平面三角形構造をとるため、反応物の立体化学は失われる。

したがって、ラセミ体の③が答え。

 

問4 次の反応における主な生成物として、立体化学を含め適切なものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

反応はSN2反応であり、反応物の立体化学は反転する。

したがって、生成物は反応物と立体化学が異なる2となる。

また、この反応では求核剤が弱い塩基であるため、脱離反応は起きにくい。

 

問5 次の反応における主な生成物として、立体化学を含め適切なものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

嵩高い強塩基を第3級のハロゲン化アルキルに作用させる条件では、反応はE2反応で進行する。

また、塩基による水素の引き抜きは、より嵩が低いメチルから起こり、生成物はホフマン則にしたがったものになる。

 

問6 次の反応における主な生成物として、立体化学を含め適切なものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

第2級のハロゲン化アルキルに強塩基を作用させた場合、E2反応が優先して進行する。

したがって、生成物としては①もしくは②が考えられる。

E2反応では脱離基と引き抜かれる水素がアンチペリプラナー形配座のものが優先して起こるため、生成物としては①が得られる。




問7 次の反応における主な生成物として、最も適切なものを1つ選べ。

正解は③でした!

【解説】

第3級のハロゲン化アルキルに強塩基を作用させた場合、E2反応が優先して進行する。

この際、より安定なアルケンである多置換アルケンに近い遷移状態を経る方が、反応が進行しやすく、生成物は③となる。

また、脱離が安定な多置換アルケンを与えるように反応が進むとき、Zaitsev則に従うという。

 

問8 次の反応における主な生成物として、最も適切なものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

水酸化第4級アンモニウムを加熱すると、E2型の脱離反応が進行し、アルケンが得られる。

この際、生成物はHoffmann則に従い、置換基の少ないアルケンが得られる。

 

問9 次の反応における主な生成物として、最も適切なものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

水酸化第4級アンモニウムを加熱した場合と同様に、スルホニウムも加熱するとE2型の脱離反応が進行し、アルケンが得られる。

この際、生成物はHoffmann則に従い、置換基の少ないアルケンが得られる。

電荷をもった反応物の場合、Hoffmann則に従う。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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