★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 次の反応が進行する脱離基Lを一つ選べ。
①OC2H5
② NH2
③ H
正解は③でした!
【解説】
水素化ホウ素ナトリウムはケトン・アルデヒドを還元し、アルコールを与える。
水素化ホウ素ナトリウムはエステルやアミドを還元できない。
問2 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は④でした!
【解説】
水素化アルミニウムリチウムは強力な還元剤であり、エステルをアルコールまで環がする。
しかし、カルボニル基と共役していない炭素−炭素二重結合は還元されない。
問3 次の反応物Aとして、誤っているものを1つ選べ。
正解は③でした!
【解説】
ケトンもしくはエステルに対してGrignard試薬を加えると、第3級アルコールが得られる。
一方、アルデヒドとGrignard試薬の反応では、第2級アルコールが得られる。
問4 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は①でした!
【解説】
水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)は、嵩高いため水素化アルミニウムリチウムに比べ還元力が落ちている。
これを低温でエステルに反応させると、アルコールまで還元させることなくアルデヒドが得られる。
問5 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は③でした!
【解説】
ニトリルに対してGrignard試薬を反応させると、Grignard試薬は一回だけ付加し、ケトンが得られる。
反応では中間体としてイミンを経由するが、酸による処理で加水分解するので、化合物1は得られない。
問6 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は③でした!
【解説】
ケトンは酸触媒存在下、アルコールと反応し、アセタールを生成する。
アセタールは通常加水分解を受けやすいが、生成するアセタールが5員環もしくは6員環の環状構造を取れる場合、比較的安定に単離できる。
反応は並行反応であり、再び酸で処理すると、出発物質であったケトンが得られる。
問7 次の反応のうち、誤っているものを1つ選べ。
正解は④でした!
【解説】
式1はエタノールとケトンの反応によるヘミアセタールの生成反応。
式2はシアン化水素とケトンの反応によるシアノヒドリンの生成反応。
式3は式1に酸が加わったもので、ヘミアセタールが酸によってさらにもう一分子のエタノールと反応し、アセタールへと変換されたもの。
式4はケトンとヒドロキシアミンの反応であるが、アミノアルコールは不安定なため、さらに脱水が進みオキシムが得られる。なお、上記の式1~4は全て平衡反応である。
問8 次の反応の置換基Rとして、誤っているものを一つ選べ。
①CH3
②C6H5
③H
④C(CH3)3
正解は①でした!
【解説】
反応はBaeyer-Villiger酸化と呼ばれ、ケトンを酸化してカルボン酸エステルを与える。
この反応では下の中間体が生成、置換基Rが転移する。
この置換基Rの転移のしやすさは
H > フェニル基 > 第3級アルキル基 > 第2級アルキル基 > 第1級アルキル基 > メチル基 の順になっている。
したがって、カルボニルのもう一方の置換基が2級アルキルであるため、RはHもしくはフェニル基、tert-ブチル基である必要がある。
問9 Witting反応に関する記載のうち、誤っているものを一つ選べ。
①Witting反応はアルケンを合成する反応である。
②反応が進行する理由は、トリフェニルホスフィンオキシドの安定なリン-酸素結合が生成するためである。
③Witting反応で用いるリンイリドの合成第1段階は、SN2反応である。
④ハロゲン化アルキルトリフェニルホスホニウムからリンイリドを生成するためには、弱い塩基を用いる。
正解は④でした!
【解説】
①~③までの記載は全て正しい。
リンイリドの合成第1段階はSN2反応であるため、ハロゲン化アルキルは主に第1級と第2級に限られる。
④の記載は誤りで、リンイリドの生成にはアルキルリチウムなどの強い塩基が必要。
問10 次の化合物のうち、エノール形の比率が最も多いものを一つ選べ。
正解は③でした!
【解説】
β-ジカルボニル化合物は、エノール形が共役二重結合の共鳴安定化と分子内の水素結合によって安定化されているため、エノール形の比率が多い。
問11 ハロホルム反応に関する記載のうち、誤っているものを一つ選べ。
①ハロホルム反応では、塩基で生じたエノラートアニオンがハロゲンと反応することで進行する。
②ハロホルム反応は、メチルケントンのメチル基がモノハロゲン化される反応である。
③ハロホルム反応では、生成物としてカルボン酸とハロホルムが得られる。
④ヨードホルム反応は、メチルケトンやメチル基が置換している第2級アルコールの検出に用いられる。
正解は②でした!
【解説】
②以外の記載は全て正しい。
ハロホルム反応は、エノラートアニオンがハロゲンと反応し、カルボニル基のα位がハロゲン化されることから始まる。
α位が一つハロゲンに置き換わると、残るα位の水素の酸性度が更に高くなり、よりハロゲンと反応しやすくなる。
そのため、ハロホルム反応はメチル基の水素が全てハロゲン化される。
さらにメチル基が全てハロゲン化されると、生じるハロホルムアニオンが比較的安定なため、ハロホルムとカルボン酸に分解する。
この反応で、ハロゲンとしてヨウ素が用いられた反応がヨードホルム反応であり、メチルケトンやメチル基が置換している第2級アルコールの検出に用いられる。
なお、酸触媒でハロゲンと反応させると、モノハロゲン化した生成物が得られる。
問12 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は②でした!
【解説】
反応では、まずLDAによってケトンの脱プロトン化から始まる。
LDAのような強い塩基で脱プロトン化する場合、立体的に空いている速度論的に反応しやすい方の水素が引き抜かれる。
したがって、反応はメチル基が置換していない方で選択的に起こり、生成物は②となる。
問13 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は②でした!
【解説】
塩基性条件下、芳香族アルデヒドとケトンの交差アルドール反応をClaisen-Schmidt反応と呼ぶ。
この反応では、最初の付加反応で①が生成するが、さらに脱水反応が起こり生成物をしては②が得られる。
生成物②では、ベンゼン環、カルボニル基、二重結合が共役により繋がっているが、共役が伸びる際は脱水反応が起こりやすい。
問14 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は①でした!
【解説】
この反応ではエノレートアニオンを生じることができるα位の水素が3種類存在する。
しかし、反応で実際に生成物にいたるのは、アルデヒドに付加することができるものである。
これは、ケトンに比べ、アルデヒドの方が求核攻撃に対して反応性が高いためである。
したがって、生成物としては①と③の可能性があるが、7員環よりも5員環の方が安定なため、生成物は①となる。
問15 次の反応の生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は④でした!
【解説】
この反応では、まず1,3-ジケトンがα,β-不飽和カルボニルに対して共役付加を行う反応から始まる。
なお、エノレートアニオンがα,β-不飽和カルボニルに対して共役付加する反応は、Michel付加と呼ばれている。
このMichel付加では生成物として③が生じるが、これは続く分子内アルドール縮合によって生成物④となる。
この反応はRobinson環化反応と呼ばれており、天然物合成に有用な出発原料を得られる反応として重要である。
問16 次の反応式のうち、誤っているものを1つ選べ。
正解は①でした!
【解説】
Grignard試薬と二酸化炭素を反応させると、カルボン酸が得られる。
式①では、カルボニル基を有するGrignard試薬が用いられている。
しかし、Grignard試薬は自身がカルボニル基と反応するため、本来調製できない。
したがって、式①は誤り。
式②はSN2反応で合成されたニトリルを、酸で加水分解してカルボン酸を得る反応である。
式③はベンジル位を過マンガン酸カリウムで酸化して、安息香酸を得る反応である。
この反応は、アルキル基の長さによらず、得られる生成物は安息香酸となる。
問17 次の求核付加-脱離反応に対する反応性の序列について、正しいものを1つ選べ。
①塩化アシル>エステル>酸無水物>アミド
②酸無水物>塩化アシル>エステル>アミド
③塩化アシル>酸無水物>アミド>エステル
④塩化アシル>酸無水物>エステル>アミド
正解は④でした!
【解説】
カルボン酸誘導体の反応性は、脱離基が脱離しやすいほど高い。
この脱離基の脱離しやすさは、脱離基の塩基性の強さと逆である。
脱離基を塩基性の強さの順で並べると、アミド>アルコキシド>カルボン酸イオン>塩化物イオンとなる。
塩基性が弱いほど、脱離したイオンが安定なため、脱離しやすい。
問18 次の反応の主な生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。
正解は①でした!
【解説】
エステルの塩基による加水分解は、けん化とも呼ばれ、カルボン酸ナトリウムとアルコールが得られる。
この反応では、塩基がカルボニル基を攻撃し、四面体中間体を生成した後、アルコキシドが脱離して進む。
したがって、アルコールの立体化学はほとんど変化しない。
問19 次の反応に関する記載として、誤っているものを1つ選べ。
①反応の副生成物としてウレアが生成する。
②反応は、DDCによってアミンが活性化されて進行する。
③カルボニル基への求核付加で生じる四面体中間体を経由して反応は進行する。
④反応は室温で進行する。
正解は②でした!
【解説】
DCCを用いたアミド合成は、カルボン酸とDCCが反応し、良い脱離基を持つ中間体へ変換することで温和な条件で進む。
問20 酸性の最も強い化合物は次のうちのどれか。1つ選べ。
正解は④でした!
【解説】
電気陰性度が大きい塩素原子を有するカルボン酸4が最も酸性度が高い。
酸性度の大きさは②<①<③<④ の順になる。
問21 塩基性の最も弱い化合物は次のうちのどれか。1つ選べ。
正解は③でした!
【解説】
芳香環へ非共有電子対が非局在化することで塩基性は下がる。
化合物③では更に非局在化した電子が、電子求引性のニトロ基で安定化されるため塩基性が低くなる。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!