化学系薬学

有機化学:アルケン、アルキン(12問)

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問1 次のブテン異性体のうち、最も不安定であるものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

置換アルケンの安定性序列は下図のようになり、置換基が少ないほど安定性が下がる。

 

問2 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

四酸化オスミウムによる酸化反応ではシンーヒドロキシ化が進行する。低温、希薄アルカリ条件下過マンガン酸カリウムを反応させた場合も、同様の反応が進行する。

 

問3 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

加熱条件下、過マンガン酸カリウムを反応させた場合、二重結合の酸化的開裂が起こる。酸化反応では末端アルケンは二酸化炭素と水に、一置換炭素はカルボン酸に、二置換炭素はケトンへと変換される。

 

問4 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

ヒドロホウ素化-酸化反応は、まず逆マルコウニコフ型でボランが二重結合に付加する。この際、付加反応はシン付加で起こり、続く酸化反応が立体保持で進行するため、生成物は2となる。

 

問5 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は③でした!

【解説】

過酸による二重結合の酸化反応では、生成物としてオキシランが得られる。

 

問6 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

ハロゲンのアルケンへの付加反応は、アンチ選択的に進行する立体特異的反応である。この反応ではブロモニウムイオン中間体を経由し、臭化物イオンがブロモニウムイオンのいずれか一方の炭素をSN2反応で開環することで進行する。したがって、生成物は臭素がトランス配置になっている化合物2。

 




問7 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は②でした!

【解説】

ハロゲン化水素を用いた付加反応では、最初に酸のプロトンと二重結合が反応し、カルボカチオン中間体を生成する。カルボカチオンは電子供与効果を持つアルキル基が多く置換しているほど安定となる。

したがって、反応は下記のように進行し、生成物は2となる。

 

問8 次の反応による主な生成物Aとして、最も適切なものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

酸を用いた付加反応では、最初に酸のプロトンと二重結合が反応し、カルボカチオン中間体を生成する。カルボカチオンは電子供与効果を持つアルキル基が多く置換しているほど安定となる。したがって、生成物としては1、3、もしくは4が考えられる。

しかし、カルボカチオン中間体はアキラルであり、反応も平面の上(path i),下(path ii)から等しく起こるため、生成物はラセミ体1となる。

 

問9 次の反応による主な生成物Aとして、最も適切なものを1つ選べ。

※40℃は加熱条件として扱うものとする。

正解は②でした!

【解説】

共役ジエンへの付加反応は、中間体としてアリル型のカルボカチオンを経由する。このアリルカチオンは、下の共鳴構造をとる。

したがって、生成物としては1もしくは2が考えられるが、加熱条件下では熱力学的支配となり、より安定な生成物2が得られる。

なお、低温では速度論的支配となり、生成物は1になる。生成物3については、中間体として第1級カルボカチオンが生成しなければならないが、不安定であるため実際には発生しない。

 

問10 次の反応による生成物Aとして、正しいものを1つ選べ。

正解は①でした!

【解説】

アルケンに対してオゾンを反応させると、オゾニドが生成する。

生成したオゾニドは不安定であるため、そのまま還元剤で処理し、アルデヒドもしくはケトンを得る。

過マンガン酸による反応とは異なり、生成物はカルボン酸まで酸化されない。

 

問11 次の反応式のうち、生成物が誤っている反応式を1つ選べ。

正解は③でした!

【解説】

式1はLindlar触媒を用いた水素化反応であり、シン付加で進行する。

式2はハロゲンの付加反応で、アルケンの場合と同様にアンチ選択的に進行する。

式3はハロゲン水素の付加反応で、アルケンの場合と同様にマルコウニコフ則にしたがって反応する。

したがって、式3は誤りで正しい生成物は

となる。

 

問12 次の反応を進行させる条件Aとして、適切なものを1つ選べ。

①H2, Pt

②H2, Ni2B

③Li, liq.NH3

④H2, Pd/CaCO3

正解は③でした!

【解説】

1、2(P-2触媒)、4(Lindlarの触媒)の遷移金属触媒を用いた反応はシン選択的に進行する。一方、3(バーチ還元)は三重結合に対してアンチ付加が起こる。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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