★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 局所麻酔薬の作用機序として正しいのはどれか。
①陰イオン形が神経内へ流入 → 非イオン形がNa+チャネル遮断
②非イオン形が神経内へ流入 → 陽イオン形がNa+チャネル遮断
③陰イオン形が神経内へ流入 → 陽イオン形がNa+チャネル遮断
正解は②でした!
【解説】
神経細胞内への薬物の流入は、脂溶性の高い「非イオン形(分子形)」によって行われます。
続いて、細胞内に入ってからは、Na+に近い形に変化し、そろ~りとNa+チャネル部分に近づき「えいや!」と遮断していきます。Na+に近い形とは「陽イオン形」です。
なので、非イオン形で細胞内へ → 陽イオン形に変換されてNa+チャネル遮断、が正解です!
問2 組織浸透性が低いため、表面麻酔には用いられないものはどれか。
①リドカイン
②プロカイン
③コカイン
正解は②でした!
【解説】
プロカインの特徴です。浸透性が低すぎて、塗っても効きません!
問3 組織浸透性が高すぎるため、用法が表面麻酔に限られるものはどれか。
①リドカイン
②プロカイン
③コカイン
正解は③でした!
【解説】
コカインの特徴です。
麻薬であり、かつ浸透性も高すぎて、注射すると危険です。よって塗り薬専門で使用します。
問4 局所麻酔薬とアドレナリンを併用する目的はどれか。
①血糖値のキープ
②血圧のキープ
③麻酔作用の持続化
正解は③でした!
【解説】
アドレナリンの血管収縮作用により、局所麻酔薬が血流で全身に流れることなく「局所」に留まりやすくなります(作用の持続化及び副作用の軽減)。
糖尿病患者へのアドレナリン投与は原則禁忌です。
問5 アミンポンプ(アミントランスポーター)阻害作用を示す局所麻酔薬はどれか。
①リドカイン
②プロカイン
③コカイン
正解は③でした!
【解説】
コカインの投与では、局所麻酔作用に加えアミンポンプ(アミントランスポーター)阻害作用により、放出されたままのノルアドレナリンが増え、交感神経興奮作用が現れます。
よって、血管収縮作用を示すため、コカインが血流で全身に流れることなく「局所」に留まりやすくなります(作用の持続化及び副作用の軽減)。
上記の作用を示すため、コカインを局所麻酔薬として使用する場合は、アドレナリンの併用は不要です。
問6 エステル型の局所麻酔薬はどれか。
①リドカイン
②プロカイン
③ブピバカイン
正解は②でした!
【解説】
エステル型の局所麻酔薬は〇~カイン、アミド型の局所麻酔薬は〇゛~カインという名前となっているのが見分け方のコツです♪
エステル型は、「エステラーゼ」による分解を受けやすく、作用持続時間が短くなってしまうことが特徴です!
問7 局所麻酔薬投与後、感覚の抑制順で正しいのはどれか。
①痛覚→触覚→温覚
②痛覚→温覚→触覚
③温覚→触覚→痛覚
正解は②でした!
【解説】
局所麻酔薬投与後は、まず痛覚が失われます。
そして、痛覚が失われたかどうかは、麻酔部位に「冷たいもの」を当て、冷たさを感じるかどうか?患者に確認します。そう、「温覚」が失われていれば、自動的に「痛覚」が無くなっていることが証明できるんです。
・・・ここで、恐ろしいことに気づいた方もいるはず!「触覚」は、けっこう残っています!!!
なので、局所麻酔での手術では、切っているのは分かるけど、痛みは感じないという摩訶不思議な感覚を体験できますよ!(筆者体験談)
痛覚→温覚→触覚 で、頭文字をとって、「つ、お、し」と覚えておきましょう。
問8 メピバカインの特徴として正しいのはどれか。
①エステル型の局所麻酔薬である
②太い神経よりも、細い神経から局所麻酔作用を発揮する
③粘膜からの浸透性が良く、表面麻酔に使用できる
正解は②でした!
【解説】
①誤。アミド型の局所麻酔薬です。
②正。太い神経よりも、細い神経から局所麻酔作用を発揮します。・・・が、これは別に「メピバカイン」だけでなく、局所麻酔薬、全てに共通する作用の仕方です。
極端ですが、太い神経の究極形は「脳」です。局所麻酔薬が、脳から作用し始めたら怖いですよね??細い知覚神経を中心に抑制させていきます。
③誤。粘膜からの浸透性が悪く、表面麻酔には使用できません。「メ」ピバカインは、表面麻酔にはダ「メ」。・・・覚えにくいか?!
問9 強酸性下でも局所麻酔作用を示し、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和できるものはどれか。
①オキセサゼイン
②プロカイン
③リドカイン
正解は①でした!
【解説】
多くの局所麻酔薬は塩基性であり、「イオン形」に変化し神経細胞内への流入ができなくなることから、胃・炎症部位などの酸性部位では薬効が非常に低くなる。
この酸性部位でも局所麻酔作用を発現できる、数少ない局所麻酔薬にはオキセサゼインとアミノ安息香酸エチルがあり、2つだけなので頑張って覚えよう。
オキセサゼインは、「胃がキリキリ痛むねん」という方に、内服で用いられますよ!
問10 ステロイド骨格を持ち、アセチルコリンNM受容体に対して競合的拮抗作用を示し、かつヒスタミン遊離作用や自律神経節遮断作用が弱い筋弛緩薬はどれか。
①ツボクラリン
②ベクロニウム
③スキサメトニウム
正解は②でした!
【解説】
問題の文章は、ベクロニウム、パンクロニウム、ロクロニウムなどの説明です。
ヒスタミン遊離作用や自律神経節遮断作用が強い筋弛緩薬にはツボクラリン(天然品)がある。
天然品は、基本的に悪い作用が比較的多いですよね。
問11 静止膜電位を変化させず、骨格筋弛緩作用を示すものはどれか
①パンクロニウム
②スキサメトニウム
③ダントロレン
正解は①でした!
【解説】
静止膜電位が変化する=脱分極が起こること、です。
この問題は、脱分極を起こさずに筋弛緩作用を示す薬はどれなの??ってことを聞いている問題です。
答えは、①NM受容体拮抗薬のパンクロニウム。骨格筋表面でアセチルコリンの反応を止めてしまうので、脱分極を起こしません。
※②スキサメトニウムは脱分極型(わざと脱分極を起こすため、一過性の筋収縮あり)、③ダントロレンは脱分極が起こってから、骨格筋内部で作用し筋収縮を抑える薬。
問12 ベクロニウムによる過度の筋弛緩からの回復に使用できないものはどれか。
①コリンエステラーゼ阻害薬
②スガマデクス
③スキサメトニウム
正解は③でした!
【解説】
①コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンを増加させ、NM受容体にてベクロニウムと競合するため解毒薬として使用できます。
②スガマデクスは、ベクロニウムに結合し、その作用を減弱させる解毒薬です。現場では、コリンエステラーゼ阻害薬ではなく、こっちが主流。
③スキサメトニウムは、筋弛緩薬のため、筋弛緩状態からの回復には用いられません!
問13 骨格筋の「直接電気刺激による筋収縮」を抑制できる筋弛緩薬はどれか。
①パンクロニウム
②ボツリヌス毒素
③ダントロレン
正解は③でした!
【解説】
「骨格筋を直接電気刺激する=無理やり脱分極を起こしてしまう」とご理解ください!
と、いうことで、例え脱分極が起きたとしても、骨格筋を弛緩できる筋弛緩薬が答えです!
正解は、脱分極が起こってから骨格筋内部で作用し筋収縮を抑える③のダントロレンです。
問14 アセチルコリンNM受容体を刺激し、持続的に脱分極を起こし続けることで筋弛緩作用を示すものはどれか。
①パンクロニウム
②スキサメトニウム
③ダントロレン
正解は②でした!
【解説】
スキサメトニウムやデカメトニウムの作用機序です。
これらは、脱分極型の筋弛緩薬と呼ばれています。
問15 コリンエステラーゼ阻害薬との併用により、筋弛緩作用が増強されるものはどれか。
①パンクロニウム
②スキサメトニウム
③ダントロレン
正解は②でした!
【解説】
スキサメトニウム特有の性質です。
なぜなら・・・!スキサメトニウムの構造は、アセチルコリンが2つくっついた構造をしているのです!!!
なので、スキサメトニウムは、体内のコリンエステラーゼで簡単に分解されてしまうんですね。
コリンエステラーゼ阻害薬とスキサメトニウムの併用により、スキサメトニウムの分解が抑制されるため、筋弛緩作用が増強されてしまいます。
問16 ダントロレンの作用機序はどれか。
①リアノジン受容体遮断による筋小胞体からのCa2+遊離抑制
②運動神経終末からのアセチルコリン遊離抑制
③NM受容体刺激による持続的脱分極
正解は①でした!
【解説】
どこの筋肉でもそうですが、筋肉細胞の中で、「小胞体からCa2+が出たら」絶対に筋収縮が起こりますからね。
心筋、平滑筋、骨格筋、全て共通です。
ちなみに、
②はボツリヌス毒素や、テトロドトキシン(フグ毒)の作用機序です。
③はスキサメトニウムの作用機序ですね。
問17 運動神経終末への「コリン」の取り込み機構を阻害し、「アセチルコリン」の合成を抑制する筋弛緩薬はどれか。
①ヘミコリニウム
②テトロドトキシン
③ボツリヌス毒素
正解は①でした!
【解説】
文章はヘミコリニウムの作用機序。
ただ、結果的にヘミコリニウムもテトロドトキシンもボツリヌス毒素も最終的には運動神経終末からのアセチルコリン遊離を抑制します。
問18 チザニジンの作用機序はどれか。
①アドレナリンα2受容体刺激
②GABAB受容体刺激
③NM受容体遮断
正解は①でした!
【解説】~ニジン=α2受容体刺激薬、です。中枢性の筋弛緩作用を示します。
問19 バクロフェンの作用機序はどれか。
①アドレナリンα2受容体刺激
②GABAB受容体刺激
③NM受容体遮断
正解は②でした!
【解説】バクロフェンは「バ」だから、GABABとでも覚えておきましょう!
問20 エペリゾンは以下のどれに分類されるか。
①末梢性筋弛緩薬
②中枢性筋弛緩薬
③コリンエステラーゼ阻害薬
正解は②でした!
【解説】
骨格筋周辺や運動神経にて作用するものを末梢性筋弛緩薬といいます。
中枢に作用し、筋弛緩作用を示すものが中枢性筋弛緩薬といい、チザニジンやバクロフェン、エペリゾンがあります。
筋弛緩薬というと大げさに聞こえますが、実際はチザニジンやエペリゾンは肩こりなどで使用されることが多いですね。
あ、でもチザニジンはフルボキサミンと併用禁忌など油断してると怖い薬ですよ!!
問21 運動神経を付けたまま摘出したラット神経-骨格筋標本を用いた実験において、終板電位変化と筋の張力変化を同時に記録した。下図は、運動神経の電気刺激で発生する終板の活動電位(図中Ⓐ)と筋の張力変化(図中Ⓑ)を示したものである。
次の記述のうち、誤っているのはどれか。
①A型ボツリヌス毒素は、Ⓐに影響せず、Ⓑを抑制する
②ベクロニウムは、Ⓐ及びⒷを抑制する
③スキサメトニウムは、Ⓐの反応を持続的にし、Ⓑの一過性の増大を示す
④ダントロレンは、Ⓐに影響せず、Ⓑを抑制する
- 終板=骨格筋 のことで、Ⓐは「骨格筋内での脱分極の発生」を現しています。脱分極が起きなければⒶは真っ平らになります。
- Ⓑの張力というのは、筋収縮が起きたかどうか?のグラフです。筋収縮が抑えられれば、Ⓑは真っ平らになります。筋弛緩薬の使用でⒷが抑制されるのは、いわば当然の現象です。
- 運動神経の電気刺激=運動神経の興奮 です。つまり、この電気刺激によって、アセチルコリンの遊離が起こります。
正解は①でした!
【解説】★ヒント★を読んでいただいた後に、解説をお読みください♪
①誤。A型ボツリヌス毒素は、アセチルコリンの遊離抑制作用を示す筋弛緩薬です。アセチルコリンの遊離が抑制されると、骨格筋の脱分極・収縮が共におこらないので、Ⓐ及びⒷが抑制されます。
②正。ベクロニウムは、NM受容体を遮断する筋弛緩薬です。NM受容体が遮断されると、骨格筋の脱分極・収縮が共におこらないので、Ⓐ及びⒷが抑制されます。
③正。スキサメトニウムは、脱分極性の筋弛緩薬です。NM受容体刺激による持続的脱分極及び、それに伴う一過性の筋収縮を起こし、その後に筋弛緩作用を示します。よってⒶに持続性が出現、Ⓑの一過性の上昇が見られます。
④正。ダントロレンは、脱分極後の筋収縮メカニズムを抑制する筋弛緩薬です。よって、骨格筋の脱分極は起こるものの収縮は抑制できるので、Ⓐには影響せず、Ⓑを抑制します。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!