生物系薬学

生物:代謝変動、遺伝子のクローニング・解析技術(15問)

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問1 グリコーゲンの合成される場所として誤っているものはどれか。

①筋肉

②脳

③肝臓

正解は②でした!

【解説】

血糖値が上昇すると、膵臓のランゲルハンス島B細胞からのインスリン分泌が促進され、肝臓や筋肉でグリコーゲン合成が起こる。

 

問2 グリコーゲンの合成を促進するホルモンはどれか。

①インスリン

②グルカゴン

③コルチゾール

正解は①でした!

【解説】

グリコーゲンの合成はインスリンによって促進される。

グルカゴンは糖質が不足したときなどに分泌され、グリコーゲンの分解や糖新生を促進する。

コルチゾールは糖質が不足した際に糖新生を促進する。

 

問3 グリコーゲン合成に関与する酵素はどれか。

①グリコーゲンホスホリラーゼ

②グリコース6-ホスファターゼ

③グリコーゲンシンターゼ

正解は③でした!

【解説】

血糖値が上昇するとインスリン分泌により、グリコーゲンの合成が促進されるが、このグリコーゲンはUDP-グルコースからグリコーゲンシンターゼによって合成される。

 

問4 グリコーゲン分解を促進するホルモンはどれか。

①アドレナリン

②インスリン

③コルチゾール

正解は①でした!

【解説】

血糖値が低下すると、膵臓のランゲルハンス島A細胞からグルカゴンの分泌が促進する。

このグルカゴンはグリコーゲンの分解を促進することで血糖維持に働く。

 

問5 グリコーゲン分解に関わる酵素のうち、筋肉では活性のないものはどれか。

①グリコーゲンホスホリラーゼ

②ホスホグルコムターゼ

③グルコース6-ホスファターゼ

正解は③でした!

【解説】

筋肉では、グルコース6-リン酸からグルコースを合成するグルコース6-ホスファターゼの活性がない。

そのため、筋肉中のグルコース6-リン酸はそのまま解答系で利用され、エネルギーに変換される。

筋肉内に貯蔵されているグリコーゲンは、体内の血糖維持には働かない。

 




問6 糖新生に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①糖新生はグルカゴンによって促進される。

②糖新生は脳や筋肉で起こる。

③アセチルCoAは、糖新生を経て血糖の上昇に利用される。

正解は①でした!

【解説】

糖新生は肝臓や腎臓で起こり、脳や筋肉では起こらない。

また、アセチルCoAは、クエン酸回路に組み込まれると二酸化炭素に代謝されるため、糖新生の原料とはならない。

 

問7 糖新生の際にグルコースの合成の原料となるもののうち、誤っているものはどれか。

①乳酸

②グリセロール

③ケトン体

正解は③でした!

【解説】

乳酸や糖原性アミノ酸、グリセロールなどは血糖維持のために糖新生にて、グルコースの合成に利用される。

ケトン体は血統低下時の脳のエネルギー源として利用される。

 

問8 次のうちケトン体に含まれないものはどれか。

①アセト酢酸

②β-ヒドロキシ酪酸

③α-ケトグルタル酸

正解は③でした!

【解説】

ケトン体とはアセト酢酸、アセトン、β-ヒドロキシ酪酸の総称である。

 

問9 ケトン体が生成される状況として誤っているものはどれか。

①糖質の摂取が少ないとき。

②糖が利用されないとき。

③アセチルCoAが少ないとき。

正解は③でした!

【解説】

ケトン体は、糖質の摂取が少ないような飢餓時や糖が利用されないような糖尿病の時、脂肪酸のβ酸化によりアセチルCoAが過剰になった時などに生成される。

アセトン以外のケトン体は心筋や脳のエネルギー源として利用されるが、血中にケトン体が増加するとケトアシドーシスとなり、中枢神経障害や昏睡の原因となる。

 

問10 ケトン体のうち肝外組織にエネルギー源として利用されないものはどれか。

①アセトン

②アセト酢酸

③β-ヒドロキシ酪酸

正解は①でした!

【解説】

アセトン以外のケトン体は心筋や脳のエネルギー源として利用される。

 




問11 ケト原性アミノ酸はどれか。

①バリン

②イソロイシン

③ロイシン

正解は③でした!

【解説】

アセチルCoAに転換され、ケトン体の合成や脂質代謝に使用されるアミノ酸をケト原性アミノ酸と呼ぶ。

ケト原性アミノ酸はロイシンとリシンである。

 

問12 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①耐熱性DNAポリメラーゼが必要。

②特定のRNAを大量に増幅させる方法である。

③DNAを熱変性させる必要はない。

正解は①でした!

【解説】

PCR法では以下の3段階を繰り返すことで目的のDNA配列を短時間に増幅することができる。

  1. 熱変性により二本鎖DNAを一本鎖DNAにする。
  2. アニーリングにより2つのDNAの3′末端側にそれぞれプライマーを結合させる。
  3. 基質のデオキシリボヌクレオチド三リン酸と耐熱性DNAポリメラーゼによりDNAを複製。

 

問13 cDNAに関する記述のうち、正しいものはどれか。

①イントロンもエキソンも含まれている。

②mRNAを鋳型にして逆転写酵素により合成されたDNAである。

③cDNAライブラリーには、特定の生物が有するすべての配列が含まれる。

正解は②でした!

【解説】

①誤。cDNAはイントロンを含まず、エキソンのみの配列になる。

②正。

③誤。cDNAライブラリーは、特定の組織で発現されている遺伝子情報のみが含まれる。

 

問14 タンパク質を検出対象とするブロッティング法はどれか。

①サザンブロット法

②ノーザンブロット法

③ウエスタンブロット法

正解は③でした!

【解説】

ウエスタンブロット法は特定のタンパク質を特異抗体で検出することで遺伝子発現を解析する方法である。

 

問15 DNAの塩基配列決定法において、酵素反応を利用する方法はどれか。

①サンガー法

②マクサム・ギルバート法

③サウスウエスタンブロット法

正解は①でした!

【解説】

サンガー法は、DNAポリメラーゼによるDNA合成の伸長反応を特定の塩基の位置でランダムに停止させることで塩基配列を決定する方法である。

この方法で用いられる2’,3’-ジデオキシリボヌクレオチド(ddNTP)は3’位に水酸基がないため、DNAの伸長反応においてddNTPが取り込まれるとその時点で停止する。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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