生物系薬学

生物:タンパク質・代謝経路(19問)

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問1 血中に最も多いタンパク質はどれか。

①コラーゲン

②ケラチン

③アルブミン

正解は③でした!

【解説】

血中にもっとも多いタンパク質は、アルブミンである。

アルブミンは肝臓で合成され、膠質浸透圧の維持に関与している。

 

問2 真核生物の核内でDNAに結合して存在しているタンパク質はどれか。

①ケラチン

②ヒストン

③コラーゲン

正解は②でした!

【解説】

ヒストンは正電荷をもつ塩基性アミノ酸を多く含む球状タンパク質であり、DNAに結合している。

 

問3 タンパク質の一次構造に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①αヘリックス構造とβシート構造が形成される。

②加熱により構造が破壊される。

③ペプチド結合やジスルフィド結合により形成される。

正解は③でした!

【解説】

①タンパク質の二次構造のことである。

②加熱によって変性してもペプチド結合は破壊されないので、一次構造は変わらない。

③記述の通り。

 

問4 鉄の貯蔵に関与しているタンパク質はどれか。

①トランスフェリン

②フェリチン

③ヘモグロビン

正解は②でした!

【解説】

鉄の貯蔵に関与するタンパク質はフェリチンである。

トランスフェリンは鉄の運搬、ヘモグロビンは酸素の運搬に関与するタンパク質である。

 

問5 タンパク質の翻訳後修飾において、糖鎖による修飾を受けるアミノ酸残機はどれか。

①L-アラニン

②L-アスパラギン

③L-グルタミン酸

正解は②でした!

【解説】

糖鎖の付加はタンパク質の安定にかかわっている。

セリン、トレオニン残基の水酸基に結合するO-糖鎖と、アスパラギン残基のアミド基に結合するN-糖鎖がある。

 




問6 構造中にセレン(Se2+)を含むタンパク質はどれか。

①セルロプラスミン

②スーパーオキシドジスムターゼ

③グルタチオンペルオキシダーゼ

正解は③でした!

【解説】

セルロプラスミンはCu2+を構造中に含んでいる。

また、スーパーオキシドジスムターゼはMn2+やFe2+を含んでいる。

 

問7 プロテアソームによるタンパク質分解の指標となるタンパク質翻訳後修飾はどれか。

①アセチル化

②ユビキチン化

③リン酸化

正解は②でした!

【解説】

不要となったタンパク質のリジン残基にユビキチンが結合し、そのユビキチンにさらにユビキチンが結合することで、プロテアソームの指標となる。

 

問8 解糖系に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①すべて可逆反応である。

②細胞質で進行する。

③反応には酸素が必要である。

正解は②でした!

【解説】

①可逆的な反応と不可逆的な反応がある。

②解糖系は細胞質で進行する反応である。

③解糖系の反応自体には酸素は必要としていない。

 

問9 解糖系により1モルのグルコースから生成されるATPはいくつか。

①2モル

②4モル

③6モル

正解は①でした!

【解説】

1モルのグルコースが2モルのピルビン酸になる過程で、2モルATPが生成する。

 

問10 解糖系の嫌気的条件下で1モルのグルコースから生成するものはどれか。

①ピルビン酸

②アセチルCoA

③乳酸

正解は③でした!

【解説】

解答系の嫌気的条件下では、ピルビン酸は乳酸デヒドゲナーゼによって乳酸になる。

 




問11 好気的条件下、ピルビン酸の酸化的脱炭酸反応に関与する酵素はどれか。

①ピルビン酸キナーゼ

②ピルビン酸デヒドロゲナーゼ

③ピルビン酸カルボキシラーゼ

正解は②でした!

【解説】

①ピルビン酸キナーゼは解答系において、ホスホエノールピルビン酸からピルビン酸を生成する反応の酵素である。

②記述の通り。

③糖新生の際にピルビン酸からオキサロ酢酸を生成する反応に関与する酵素である。

 

問12 ピルビン酸の酸化的脱炭酸反応の補酵素はどれか。

①チアミンピロリン酸

②ピリドキサールリン酸

③テトラヒドロ葉酸

正解は①でした!

【解説】

酸化的脱炭酸反応では、補酵素としてビタミンB1のリン酸化退であるリアミンピロリン酸が関与する。

 

問13 ピルビン酸の酸化的脱炭酸反応に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①可逆的反応である。

②細胞質で進行する反応である。

③好気的条件下で進行する反応である。

正解は③でした!

【解説】

ピルビン酸の酸化的脱炭酸反応は、ミトコンドリアマトリックスで起こる不可逆的な反応であり、好気的条件下で進行する。

 

問14 クエン酸回路に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①ミトコンドリアに存在する経路である。

②1回転する間に3モルのCOを放出する。

③すべて不可逆的反応である。

正解は①でした!

【解説】

クエン酸回路はミトコンドリアに存在する経路で、1回転する間に2モルのCOが放出される。

また、解答系には不可逆的な経路が3つある。

 

問15 クエン酸回路1回転により生成するATPはいくつか。

①10モル

②20モル

③30モル

正解は①でした!

【解説】

クエン酸回路が1回転(1モルのアセチルCoAが酸化)すると以下が得られる。

  • NADH:3モル
  • FADH:1モル
  • GTP:1モル

NADHは1モルあたり2.5ATP、FADHは1モルあたり1.5ATP、GTPは1モルあたり1ATPであるため、合計10モル(3×2.51×1.51×1)のATPが得られる

 




問16 電子伝達系に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①ミトコンドリア外膜に存在する系である。

②最終産物は酸素である。

③補酵素Qは電子授受に関与する。

正解は③でした!

【解説】

①電子伝達系はミトコンドリア内膜に存在する。

②電子伝達系では、電子を最終的に酸素に渡すことで水を生成する系である。

③補酵素Q複合体Ⅰや複合体Ⅱから受け取った電子を複合体Ⅲに渡す。

 

問17 電子伝達系、酸化的リン酸化に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①電子がNADHからフラビンタンパク質に伝達されると、プロトン(H)がミトコンドリアの膜間腔に汲みだされる。

②電子の最終的な受容体は、水分子である。

③1モルのNADHから約1.5モルのATPが生成する。

正解は①でした!

【解説】

①この膜間腔にくみ出されたプロトンの電気化学的勾配を駆動力としてATPシンターゼ複合体を通過するとき、ATPが生成する。

②電子の最終的な受容体は、酸素分子である。

③1モルのNADHから2.5モルのATPが生成する。

 

問18 脂肪酸のβ酸化反応が起こる場所はどこか。

①細胞質

②ミトコンドリアマトリックス

③ミトコンドリア外膜

正解は②でした!

【解説】

脂肪酸のβ酸化はミトコンドリア内膜で起こる。

そのため、脂肪酸がミトコンドリア外膜を通過するためにアシルCoAとなり、ミトコンドリア内膜内膜を通過するためにカルニチンと反応してアシルカルニチンとなる必要がある。

 

問19 ペントースリン酸回路に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①ATPやNADHなどの高エネルギー化合物が産生する。

②グルコース6-リン酸の酸化でNADPHが得られる。

③心筋や骨格筋で機能する。

正解は②でした!

【解説】

ペントースリン酸回路では、ATPやNADHなどの高エネルギー化合物は産生されない。

そのため、専らエネルギーを消費する心筋や骨格筋では機能しない回路である。

また、グルコース6-リン酸の酸化で得られたNADPHはステロイドホルモン、脂肪酸の不飽和反応、シトクロムP450などの反応などで還元剤として働く。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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