★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 腫瘍壊死因子-α(TNF-α)のおとり受容体として機能するのはどれか。
①アバタセプト
②アダリムマブ
③エタネルセプト
問2 IL-6受容体に対する抗体製剤はどれか。
①トシリズマブ
②トファチニブ
③ゴリムマブ
正解は①でした!
【解説】
①正。トシリズマブはヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体である。可溶性および膜結合性のIL-6受容体に結合して、IL-6によるシグナル伝達を抑制する。
②誤。トファシチニブはヤヌス(JAK)キナーゼの阻害剤であり、JAKの抑制によりインターロイキンの働きを抑制することで、リンパ球の活性化を抑制する。
③誤。ゴリムマブは完全ヒト型TNF-αモノクローナル抗体である。インフリキシマブと異なり、メトトレキサートとの併用は必須ではない。既存治療で不十分な関節リウマチに使用される。
問3 ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する薬物はどれか。
①メトトレキサート
②インフリキシマブ
③トファシチニブ
正解は③でした!
【解説】
①誤。メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、テトラヒドロ葉酸(活性型葉酸)の合成を阻害してDNA合成を阻害する。関節リウマチでは、抗体産生およびリンパ球増殖の抑制作用を期待して使用される。メトトレキサート中毒の解毒には葉酸を用いる。
②誤。インフリキシマブはキメラ型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体である。効果増強、中和抗体産生を抑制するためメトトレキサートと併用で使用される。
③正。トファシチニブはヤヌス(JAK)キナーゼの阻害剤であり、JAKの抑制によりインターロイキンの働きを抑制することで、リンパ球の活性化を抑制する。
JAK阻害薬の一覧や作用機序についてはこちらの記事をご参照。
問4 アバタセプトに関する記述のうち正しいものはどれか。
①TNF-αに対する抗体製剤である
②表的物質のおとり受容体として機能する
③免疫細胞によるCD28を介した共刺激シグナルを阻害する
正解は③でした!
【解説】
①誤。アバタセプトはCD80/CD86を標的とする薬剤である。
②誤。表的物質のおとり受容体として作用するのはエタネルセプトである。
③正。アバタセプトはCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。
問5 関節リウマチの治療薬のうち正しいものはどれか。
①金チオリンゴ酸ナトリウムはマクロファージの貪食能を抑制する。
②ブシラミンは分子内にSH基をもち、リウマトイド因子のジスルフィド結合を保護する
③アクタリットは骨髄でのサプレッサーT細胞の分化誘導を促進する
正解は①でした!
【解説】
①正。金チオリンゴ酸ナトリウムは、金製剤でありマクロファージの貪食能を抑制する。D-ペニシラミンのようなキレート剤と併用すると重篤な血液障害を起こす。
②誤。ブシラミンはSH基によって、リウマトイド因子のジスルフィド結合(-S-S-)を切断する。
③誤。アクタリットは胸腺からのサプレッサーT細胞の分化誘導を促進する。
問6 メトトレキサートの記述のうち誤っているものはどれか。
①活性型の葉酸を枯渇させることで抗リウマチ作用を示す
②葉酸製剤との併用はしない
③副作用には間質性肺炎がある
正解は②でした!
【解説】
①正。メトトレキサートはジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、活性型葉酸を枯渇させることで、リンパ球や滑膜細胞の増殖を抑制する。
②誤。メトトレキサート服用後24〜48時間後に葉酸製剤(商品名:フォリアミン)を併用すると、副作用の一部を減弱することができる。
③正。重篤な副作用に間質性肺炎、骨髄抑制がある。
問7 イグラチモドの作用機序はどれか。
①リウマトイド因子のジスルフィド結合開裂
②NF-ΚB阻害
③ピリミジン代謝阻害
正解は②でした!
【解説】
①誤。ペニシラミン、ブシラミンの作用機序である。
②正。イグラチモドはマクロファージにおいて、転写因子であるNF-ΚBを阻害して、炎症性サイトカインや免疫グロブリンの産生を抑制する。ワルファリンと併用禁忌である(重篤な出血を起こす可能性がある)
③誤。レフルノミドの作用機序である。レフルノミドはピリミジン代謝を阻害して、核酸合成阻害による、リンパ球の増殖を抑制する。
問8 マウスとのキメラ型のモノクローナル抗体製剤はどれか。
①インフリキシマブ
②トシリズマブ
③ゴリムマブ
正解は①でした!
【解説】
①正。インフリキシマブはマウスとのキメラ型の抗体製剤である。Fab部の可変領域のみがマウス由来であり、定常領域はヒト由来である。中和抗体の産生を抑制するために、メトトレキサートとの併用が必須となる。
②誤。トシリズマブはヒト型抗体であり、可変領域のCDR部位のみがマウス由来由来である。
③誤。ゴリムマブは完全ヒト型抗体であり、Fab部およびFc部が全てヒト由来である。
問9 ヒスタミンH1受容体遮断作用を持たないケミカルメディエーター遊離抑制薬はどれか。
①ジフェンヒドラミン
②ケトチフェン
③クロモグリク酸
正解は③でした!
【解説】
①誤。ジフェンヒドラミンは第一世代のヒスタミンH1受容体を遮断して、抗アレルギー作用を示す。抗コリン作用および鎮静性が強い。
②誤。ケトチフェンは第二世代のヒスタミンH1受容体遮断薬である。他の第二世代に比べ鎮静性は強い。
③正。クロモグリク酸はケミカルメディエーター遊離抑制作用を持ち、肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンの放出を抑制する。
問10 セラトロダストの抗アレルギー作用の機序はどれか。
①ロイコトリエン受容体遮断
②トロンボキサンA2受容体遮断
③シクロオキシゲナーゼ-2阻害
正解は②でした!
【解説】
①誤。プランルカストの作用機序である。
②正。セラトロダストはトロンボキサンA2受容体遮断作用により、トロンボキサンA3による気管支の収縮を抑制する。
③誤。シクロオキシゲナーゼ-2を阻害する薬物にはセレコキシブがある。
問11 ヒスタミンH1受容体遮断作用を有する抗アレルギー薬はどれか。
①ザフィルルカスト
②トラニラスト
③エピナスチン
正解は③でした!
【解説】
①誤。ザフィルルカストはロイコトリエン受容体を遮断する。
②誤。トラニラストはケミカルメディエーターの遊離を抑制する。
③正。エピナスチンはヒスタミンH1受容体を遮断するほか、抗ロイコトリエン作用、抗PAF作用を有する。
問12 モンテルカストの抗アレルギー作用の機序はどれか。
①ヒスタミンH1受容体の遮断
②ムスカリンM3受容体の遮断
③ロイコトリエン受容体の遮断
正解は③でした!
【解説】
①誤。メキタジンなどの作用機序である。
②誤。ヒスタミンH1受容体拮抗薬は副作用として、ムスカリンM3受容体遮断作用による口喝等が現れることがある。これはクロルフェニラミンなどの第一世代の薬物に特に多く、オロパタジンなどの第二世代の薬物では起きにくいように改善されている。
③正。モンテルカストはロイコトリエン受容体を拮抗することで抗アレルギー作用を示す。
問13 抗アレルギー薬の薬物名と主たる作用機序の組み合わせのうち正しいものはどれか。
①オザグレル:トロンボキサン受容体遮断
②スプラタスト:IgE抗体産生抑制
③レボセチリジン:ヒスタミンH2受容体遮断
正解は②でした!
【解説】
①誤。オザグレルはトロンボキサン合成酵素を阻害して、トロンボキサンA2の生合成を阻害する。
②正。スプラタストはIL-4,5の産生抑制、IgE抗体産生抑制などにより抗アレルギー作用を示す。
③誤。レボセチリジンはセチリジンの光学活性体であり、持続的かつ選択的にヒスタミンH1受容体を拮抗する。
問14 次のうち副作用である眠気が特に起こりにくいH1受容体拮抗薬はどれか。
①オロパタジン
②セチリジン
③ロラタジン
正解は③でした!
【解説】
①誤。オロパタジンは第二世代の抗H1受容体遮断薬であり、第一世代にくらべ眠気の副作用は弱い。
②誤。セチリジンは第二世代の抗H1受容体遮断薬であり眠気は比較的起こりにくいが、選択肢の中で一番ではない。
③正。ロラタジンは特に眠気の副作用が少ない抗H1受容体遮断薬であり、インペアードパフォーマンスへの影響も少ない。
問15 非鎮静性のH1受容体拮抗薬はどれか。
①アゼラスチン
②フェキソフェナジン
③プロメタジン
正解は②でした!
【解説】
①誤。アゼラスチンは第二世代の抗H1受容体遮断薬であるが、眠気の副作用がみられやすい。
②正。フェキソフェナジンは第二世代の非鎮静性の抗H1受容体遮断薬であり、眠気の副作用が特に起こりにくい。近年は新薬にこのような特徴をもつ薬物が増えてきている。
③誤。プロメタジンは第一世代の抗H1受容体遮断薬であり、眠気だけでなく、口喝、排尿困難など抗コリン作用の副作用もみられやすい。
問16 口渇、排尿困難、眼圧上昇などの副作用の強いH1受容体拮抗薬はどれか。
①クロルフェニラミン
②エバスチン
③アンレキサノクス
正解は①でした!
【解説】
①正。クロルフェニラミンは第一世代の抗H1受容体遮断薬であり、抗コリン作用による排尿困難や口喝、眼圧上昇などの副作用が起こりやすい。
②誤。エバスチンは第二世代の抗H1受容体遮断薬であり、第一世代にあった抗コリン作用による副作用が改善されている。
③誤。アンレキサノクスはケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、抗コリン作用による副作用はみられない。
問17 肥満細胞膜を安定化させて、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を示すのはどれか。
①ラマトロバン
②ペミロラスト
③オキサトミド
正解は②でした!
【解説】
①誤。ラマトロバンはTXA2受容体阻害薬であり、TXA2によるアレルギー症状を改善する。
②正。ペミロラストは、肥満細胞膜を安定化させて、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を示す。
③誤。オキサトミドはヒスタミンH1受容体遮断薬であり、ヒスタミンとH1受容体との結合を阻害して抗アレルギー作用を示す。
問18 鼻炎に用いられる薬物と薬理作用の組み合わせのうち、正しいものはどれか。
①モンテルカスト:抗コリン作用による血管透過性抑制作用
②トラニラスト:肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制
③クロルフェニラミン:ヒスタミンH2受容体遮断作用により、鼻水、くしゃみを抑制する
正解は②でした!
【解説】
①誤。モンテルカストはロイコトリエン受容体を遮断することにより、ロイコトリエンによる鼻閉症状を改善する。
②正。トラニラストは肥満細胞からのヒスタミン、ロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制する。
③誤。クロルフェニラミンはヒスタミンH1受容体遮断作用により、鼻水、くしゃみを抑制する
問19 抗アレルギー薬に関する記述のうち正しいものはどれか。
①フェキソフェナジンは血液脳関門を通過しやすいため、鎮静性が強い
②アレジオンはヒスタミンH1受容体遮断作用の他に、抗ロイコトリエン作用をもつ
③クレマスチンはロイコトリエン受容体を拮抗して抗アレルギー作用を示す
正解は②でした!
【解説】
①誤。フェキソフェナジンは非鎮静性の第二世代のヒスタミンH1受容体遮断薬であり、脳血液関門を通過しにくいため、眠気の副作用は起こりにくい。
②正。アレジオンはH1受容体遮断作用の他に、抗ロイコトリエン作用と抗PAF作用をもつ。
③誤。クレマスチンはH1受容体遮断作用により抗アレルギー作用を示す。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!