★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 β-ラクタム系抗生物質の作用機序はどれか。
①30sリボソーム阻害
②トランスペプチダーゼ阻害
③β-ラクタマーゼ阻害
正解は②でした!
【解説】
①誤。30sリボソームを阻害するのはテトラサイクリン系の抗生物質である。これにより、細菌のタンパク質合成を阻害して、細胞の増殖を抑制し静菌的な作用を示す。
②正。β-ラクタム系の抗生物質にはペニシリン系、セフェム系、ペネム系などがあり、細菌の細胞壁合成酵素である、トランスペプチダーゼを阻害して細胞壁の主成分である、ペプチドグリカンの合成を阻害して、殺菌的な抗菌作用を示す。
③誤。β-ラクタマーゼは細菌がもつ薬剤耐性機構であり、β-ラクタム系抗生物質のβ-ラクタム環を加水分解し抗菌活性を消失させる酵素である。耐性菌に対してはβ-ラクタマーゼ阻害剤であるクラブラン酸、タゾバクタム、スルバクタムを配合した抗生物質を使用する。
詳しい作用機序等はこちらの記事をご参照。
問2 セフテラムの抗菌作用の機序はどれか。
①細胞壁合成阻害
②タンパク質合成阻害
③DNA合成阻害
正解は①でした!
【解説】
①正。セフテラムはセフェム系の抗生物質であり、細菌の細胞膜上に存在するトランスペプチダーゼ(PBP)に結合して細胞壁の合成を阻害する。
②誤。タンパク質合成を阻害するのはマクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質である。
③誤。DNA合成阻害をするのはニューキノロン系の抗生物質である。
問3 バンコマイシンの作用機序はどれか。
①細胞膜合成阻害
②細胞壁合成阻害
③RNA合成阻害
正解は②でした!
【解説】
①誤。細胞膜の合成阻害ではなく、細胞膜の透過性に変化を与えることが確認されている。
②正。バンコマイシンはペプチドグリカンのペンタペプチドの末端のD-Ala-D-Alaと結合してペプチドグリカンの合成を抑制し、細胞壁の合成を阻害する。グラム陽性菌に対して強力な抗菌作用を示し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などに使用される。消化管からの吸収が悪いため、注射で使用される。
③誤。DNA依存性RNAポリメラーゼ阻害作用をもつのはリファンピシンである。リファンピシンは主に結核菌に対して使用されることが多く、結核の治療には耐性菌出現の 問題もあり、多種の薬剤を組み合わせて行う。
問4 抗生物質の耐性に関する記述について誤っているものはどれか。
①MRSA感染症にはテイコプラニンが使用される
②ペニシリンはペニシリナーゼによって分解される
③セファゾリンは、セファロスポリナーゼ産生菌にも有効である
正解は③でした!
【解説】
①正。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症にはテイコプラニンが有効である。
②正。ペニシリンはペニシリナーゼによって分解されて抗菌活性を失う。
③誤。セファロスポリナーゼはセフェム系の薬物に耐性を示すβ-ラクタマーゼの一種である。セファロスポリナーゼ産生菌に対しては、β-ラクタマーゼ阻害薬のスルバクタムなどと一緒に使用する。
問5 抗菌薬に関する記述のうち正しいものはどれか。
①リファンピシンはRNA合成を阻害して、結核菌に有効である
②レボフロキサシンは細胞壁合成を阻害する
③エリスロマイシンはリボソーム30sに結合してタンパク質合成を阻害する
正解は①でした!
【解説】
①正。リファンピシンはDNA依存性RNAポリメラーゼ阻害作用をもち、結核菌のRNA合成を阻害する。
②誤。レボフロキサシンはニューキノロン系の薬物であり、DNAジャイレースを阻害してDNA合成を阻害する。
③誤。エリスロマイシンはリボソーム50sに結合して、細菌のタンパク質合成を阻害する。
問6 ニューキノロン系の抗生物質はどれか。
①スルファメトキサゾール
②ミノサイクリン
③トスフロキサシン
正解は③でした!
【解説】
①誤。スルファメトキサゾールは、スルホンアミド系薬であり、細菌内でパラアミノ安息香酸と拮抗して、葉酸合成を阻害する。
②誤。ミノサイクリンはテトラサイクリン系の抗生物質であり、30sリボソームに結合してタンパク質合成を阻害する。多価金属イオンとキレートを形成して吸収が低下する。
③正。トスフロキサシンはニューキノロン系の抗生物質で、DNAジャイレース阻害により細菌のDNA合成を阻害する。ニューキノロン系の副作用としては抗生過敏症がある。また、多価金属イオンとキレートを形成して吸収が低下する。
問7 マクロライド系の抗生物質はどれか。
①クラリスロマイシン
②ムピロシンカルシウム
③クリンダマイシン
正解は①でした!
【解説】
①正。クラリスロマイシンはマクロライド系の抗生物質であり、15員環の構造をもつ。細菌のリボソーム50sに結合してタンパク質の合成を阻害する。薬物代謝酵素CYP3A4を強力に阻害するため、併用禁忌、注意の薬物が多いため要確認。
②誤。ムピロシンカルシウムはマクロライド系に分類されない。イソロイシルtRNA合成酵素-イソロイシン-AMP複合体 の生成を阻害することにより、タンパク質合成を抑制することによって抗菌活性を示す。鼻腔内のMRSA除菌に有効である。
③誤。クリンダマイシンはリンコマイシン系の抗生物質であり、細菌のリボソーム50sサブユニットと結合してタンパク質合成を阻害する。
問8 アミノグリコシド系の抗生物質はどれか。
①アジスロマイシン
②ゲンタマイシン
③クロラムフェニコール
正解は②でした!
【解説】
①誤。アジスロマイシンはマクロライド系の抗生物質である。
②正。ゲンタマイシンは細菌リボソーム30sに結合してタンパク質合成を阻害する。アミノグリコシド系の副作用として、第Ⅷ脳神経障害による難聴、腎障害がある。
③誤。クロラムフェニコールはクロラムフェニコール系に分類される。細菌のリボソーム50sに結合して、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を阻害して、タンパク質合成を阻害する。副作用には再生不良性貧血、小児のグレイ症候群がある。
問9 ミコール酸の合成を阻害するのはどれか。
①ピラジナミド
②エタンブトール
③イソニアジド
正解は③でした!
【解説】
①誤。ピラジナミドは明確な作用機序は明らかにされていないが、イソニアジドの薬効を増強、耐性菌出現を遅らせる。
②誤。エタンブトールは核酸合成そがいと細胞壁合成阻害作用により、結核治療に使用される。副作用に視力障碍がある。
③正。イソニアジドは結核菌に特異的な細胞壁構成成分である、ミコール酸の合成を阻害して細胞壁合成を阻害する。副作用にはビタミンB6欠乏による末梢神経障害がある。
問10 抗菌薬の作用機序に関する記述のうち正しいものはどれか。
①ホスホマイシンは細胞壁合成過程のUDPサイクルを促進し、細胞壁合成を抑制する
②アンピシリンはペニシリン結合タンパク質に結合して、細胞壁合成を阻害する
③イミペネムはミコール酸合成を抑制することで、細胞壁合成を阻害する
正解は②でした!
【解説】
①誤。ホスホマイシンはペプチドグリカン合成初期のUDPサイクルを阻害することにより、細胞壁合成を阻害する。
②正。アンピシリンはトランスペプチダーゼのペニシリン結合部位に結合して、細菌の細胞壁合成を阻害する。
③誤。イミペネムはβ-ラクタム系抗生物質の一つであるペネム系の薬物である。作用機序はトランスペプチダーゼ阻害による、細胞壁合成阻害である。
問11 リネゾリドの作用機序はどれか。
①細菌リボソームの70s複合体形成を阻害
②細胞膜機能障害作用
③細胞壁合成阻害
正解は①でした!
【解説】
①正。リネゾリドは細菌のリボソームと結合し、70s複合体形成を抑制し、タンパク質合成を阻害する。バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)やMRSAに有効である。
②誤。細胞膜機能障害により抗菌活性を示す薬物には、ポリミキシンBやコリスチンがある。
③誤。細胞壁合成を阻害する薬物にはβ-ラクタム系やグリコぺプチド系の抗生物質である。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!