薬理

薬理学:利尿薬・排尿障害治療薬(12問)

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問1 Na-K-2Cl共輸送系に働き利尿作用を示す薬物は次のうちどれか。

①スピロノラクトン

②フロセミド

③ヒドロクロロチアジド

正解は②でした!

【解説】

①誤。スピロノラクトンは抗アルドステロン薬で遠位尿細管~集合部のアルドステロン受容体に拮抗し、Na-K交換系を抑制して利尿作用を示す。

②正。Na-K-2Cl共輸送系に働き利尿作用を示すのは、ループ利尿薬であるフロセミドである。

③誤。ヒドロクロロチアジドはチアジド系利尿薬で、有機アニオン輸送系を介して近位尿細管に分泌された後、遠位尿細管のNa-Cl共輸送系を抑制し利尿作用を示す。

 

問2 アセタゾラミドの直接の作用点は次のうちどれか。

①炭酸脱水酵素

②Na-Cl共輸送系

③Na-H交換系

正解は①でした!

【解説】

アセタゾラミドは近位尿細管の炭酸脱水酵素を阻害することで、尿細管上皮細胞内のH濃度を減少させ、Na-H交換系を抑制させる。

結果として原尿中のNaと水の再吸収を抑制し利尿作用を示す。

なお、Na-Cl共輸送系に作用するのはチアジド系の利尿薬である。

 

問3 バソプレシンV受容体に拮抗し利尿作用を示す薬物はどれか。

①ブメタニド

②デスモプレシン

③トルバプタン

正解は③でした!

【解説】

①誤。ブメタニドはループ利尿薬であり、Na-K-2Cl共輸送系に働き利尿作用を示す。

②誤。デスモプレシンはバソプレシンV受容体に作用して、集合管における水の再吸収を促進、中枢性尿崩症の治療に使用される。

③正。トルバプタンはバソプレシンV受容体に拮抗して、腎集合管でのバソプレシンによる水の再吸収を抑制する。

 

問4 カリウム保持性利尿薬はどれか。

①トリクロルメチアジド

②インダパミド

③スピロノラクトン

正解は③でした!

【解説】

スピロノラクトンは抗アルドステロン作用をもち、Na-K交換系を抑制しカリウムを排泄せずに利尿作用を示す。副作用として高カリウム血症がある。

 

問5 近位尿細管で作用する薬物はどれか。

①フロセミド

②アセタゾラミド

③トリアムテレン

正解は②でした!

【解説】

①誤。フロセミドはヘンレループ上行脚で、Na-K-2Cl共輸送系を阻害して利尿作用を示す。

②正。アセタゾラミドは近位尿細管で炭酸脱水素酵素を阻害して、利尿作用を示す。

③誤。トリアムテレンは遠位尿細管から集合管のアミロイド感受性Naチャネルを遮断して利尿作用を示す。

 




問6 血管平滑筋のα型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体に作用して利尿作用を示すのはどれか。

①D-マンニトール

②メフルシド

③カルペリチド

正解は③でした!

【解説】

①誤。D-マンニトールは血液中の浸透圧を上昇させて、腎血流量を増加させることで利尿作用を示す。

②誤。メフルシドは非チアジド系の利尿薬でヘンレ係蹄、遠位尿細管でNaの再吸収を抑制することで利尿作用を示す。

③正。カルペリチドはANP受容体を刺激し、膜結合型のグアニル酸シクラーゼを活性化させ、cGMPを増加させて血管拡張を示す。腎血流量の増加により糸球体濾過率を増加させ利尿作用を示す。

 

問7 副作用として低カリウム血症を起こしやすい薬物はどれか。

①カンレノ酸カリウム

②フロセミド

③トラセミド

正解は②でした!

【解説】

①誤。カンレノ酸カリウムは抗アルドステロン作用を持ち、低カリウム血症を起こしにくい。

②正。フロセミドはNa-K-2Cl共輸送系を阻害して、Na、K、Clの再吸収を抑制して尿細管管腔のNaを上昇させる。その結果、遠位尿細管のNa-K交換系が働き、Kの排泄を促進し低カリウム血症が起きる。

③誤。トラセミドはフロセミドと同じくループ利尿薬であるが、抗アルドステロン作用を持つため、低カリウム血症を起こしにくい。

 

問8 浸透圧性利尿薬はどれか。

①イソソルビド

②カルペリチド

③エプレレノン

正解は①でした!

【解説】

①正。イソソルビドは血液中の浸透圧を上昇させ、組織水分を血液に引っ張ることで腎血流量を上昇させる。また、尿細管で再吸収を受けないため、尿細管の浸透圧が上昇しNaと水の再吸収を抑制して利尿作用を示す。

②誤。カルペリチドはANP受容体に作用して、腎血流量の増加により糸球体濾過率を増加させ利尿作用を示す。

③誤。エプレレノンはアルドステロン受容体に拮抗して利尿作用を示す。

 

問9 次のうち排尿障害を改善する薬物はどれか。

①プロピベリン

②タムスロシン

③ミラベグロン

正解は②でした!

【解説】

①誤。プロピベリンは排尿筋のM受容体を遮断し、排尿筋を弛緩させ頻尿の治療に使用される。

②正。タムスロシンは前立腺平滑筋のα受容体を遮断することで前立腺肥大による排尿障害を改善する。

③誤。ミラベグロンは排尿筋のβ受容体を刺激し、膀胱平滑筋を弛緩させ、畜尿機能を更新させることで過活動膀胱の治療に使用される。

 

問10 排尿障害改善薬であるシロドシンの作用機序は次のうちどれか。

①α受容体刺激

②α受容体刺激

③α受容体遮断

正解は③でした!

【解説】

シロドシンは前立腺平滑筋のα受容体を遮断することで、前立腺平滑筋を弛緩させて排尿困難を改善する。

 




問11 次のうち、前立腺肥大症の治療に使用されるのはどれか。

①クロルマジノン

②クレンブテロール

③オキシブチニン

正解は①でした!

【解説】

①正。クロルマジノンはアンドロゲン受容体を遮断し、前立腺細胞の成長を抑制する。

②誤。排尿筋のβ受容体を刺激して、排尿筋を弛緩させ腹圧性尿失禁に使用する。

③誤。排尿筋のM受容体を遮断して、排尿筋を弛緩させ頻尿の治療などにつかわれる。

 

問12 次の頻尿治療薬の中で、夜尿症に用いられるのはどれか。

①ソリフェナシン

②フラボキサート

③アミトリプチリン

正解は③でした!

【解説】

①誤。ソリフェナシンは排尿筋のM受容体遮断し排尿筋を弛緩させて過活動膀胱における尿意切迫感に使用される。

②誤。フラボキサートは電位依存性Ca2+チャネルに作用し、Ca2+流入の抑制、ホスホジエステラーゼ阻害によるAMP濃度を上昇させ排尿筋を弛緩させる。

③正。アミトリプチリンは抗うつ薬を適応を持つ他、末梢性抗コリン作用をもち排尿を抑制し夜尿症の治療に使用される。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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