- 「在宅は大切な仕事だけど、自分ではやりたくない!」
- 「患者さんの自宅に入ることに、どうしても抵抗がある」
- 「薬局で働きたいけれど、在宅で残業が発生してしまうことが嫌だ」
こんな思いを抱えている薬剤師さんはいませんか?
薬剤師であっても、「在宅が苦手」「在宅に行きたくない・やりたくない」と考える方は多いものです。
この記事で伝えたい事(結論)
- 在宅業務の辛さは衛生環境・密な関係性・急な対応・プレッシャー
- 在宅を楽しくするコツは勉強と割り切ること
- 嫌なら無理をせず、在宅以外の業務で活躍しよう(転職もあり)
- 在宅のために薬剤師が潰れてはいけない
在宅業務では外来での投薬に比べ、より密に患者さんと接します。やりがいを得ることができる反面、患者さんや他医療従事者とのコミュニケーションに苦しみ、大きなストレスを抱えてしまう人もいるのです。
薬剤師の仕事は在宅だけではありません。
在宅業務を行っていない職場への転職
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在宅医療の今後の流れ
在宅医療を始める医療機関・薬局は増加しており、患者さんからのニーズも高まっています。
なぜ在宅訪問業務がこんなにも重要とされているのかをみていきましょう。今後の医療の方向性も見えてくると思いますよ~。
一番大きい流れとしては「地域包括ケアシステム」が挙げられます。
平成31年に、政府は地域包括ケアシステムと呼ばれる概念を発表しました。
『高齢者が自立し、最後まで自分の住み慣れた地域で人生を過ごすことができる』、そんな医療サービスのありかたを目指し、それぞれの医療従事者に求められる業務内容を解説しています。
薬剤師に関する記載の中で大きなウェイトを占めるものが、在宅医療です。厚生労働省が薬局に期待する役割として、『24時間対応・在宅対応』を上げているのは皆さんご存じの通りでしょう。
この流れを受けて、調剤報酬改定では、在宅医療にまつわる加算が強化される傾向にあります。
また、日本では急激に高齢化が進んでいますが、処方箋の伸び率は鈍化していることをご存知でしょうか。
厚生労働省|居宅療養管理指導(R2.8.19)
今後は外来で処方箋を受け付けるだけでは、以前のような利益は見込めないと想定されます。そのため、加算が強化されている在宅医療にシフトせざるを得ない薬局が多数を占めているのです。
二つ目の流れはやはり高齢化でしょう。日本では後期高齢者の割合が急激に増加しています。
それに伴い、自立して活動が行えない人の割合も増加することが予想されているのです。
病院や薬局に通うことができない人は、薬を手に入れるために薬剤師の在宅訪問を希望されるでしょう。経腸栄養剤などの重い薬を運ぶことができず、薬剤師に依頼をする場合もあります。
身体的な衰えがあっても、自分の家で住み続けるために、在宅のニーズはどんどん増えているのです。
「地域包括ケアシステム」と「高齢化」といった二つの要素によって、今後も在宅医療へのシフトは益々加速していくと予想されます!
やりがいはあるけれど、在宅はキツイ!4つの理由
ニーズが高まる在宅医療ですが、現場で働く薬剤師にとっては、良いことだけではありません。
中には在宅が原因で、多くのストレスを抱えてしまう人もいます。在宅がキツイと言われる理由は何でしょうか?
患者さんの自宅の衛生環境が良いとは限らない
在宅が大きなストレスになる理由は、患者さんの自宅環境が不衛生である場合…。
中には、びっくりするような生活環境で暮らしている患者さんもいます。
特に認知症を患っている患者さんであれば、衛生環境が悪くなるケースが多いです。
私が体験したケースでは、ゴミが散らかっている、家の中に虫がいる、お手洗いの処理ができていない・・・と様々でした。
このような患者さんが担当になった場合は、在宅が辛いと思う可能性が高いでしょう。
患者さんや医療従事者と密に接しなければならない
在宅がキツイと感じる理由の2つ目は、患者さんや他の医療従事者とのコミュニケーションが増えることです。
在宅の現場では、日常生活に密着した情報収集が重要。患者さんとの距離が近くなる分、雑談など、薬と関係のない話をする機会もふえます。
コミュニケーションを取るのは患者さんだけではありません。
医師やケアマネージャーさん、ヘルパーさん、訪問看護師さんといった、様々な医療従事者と接する機会が増えます。場合によっては、薬剤師側から処方の提案をすることもあるでしょう。
休憩中・休日中の対応を余儀なくされる
地域連携包括ケアシステムでも取り上げられた、『24時間対応・在宅対応』。
在宅訪問を行う以上、休憩時間中・休日中の対応を覚悟しなければいけません。
在宅を始めると、患者さんから様々な連絡を頂くようになります。薬の質問、薬を紛失した、体調変化、次の受診について・・・。普段の生活でも、いつ電話がかかってくるか気になってしまいます。
患者さんの体調が急変したときは、急いで薬を届けに行かなければなりません。在宅を担当していないときに比べると、自由な時間が減る可能性は考慮しなければならないでしょう。
患者さんの健康維持に対するプレッシャーは大きい
在宅は、薬剤師が薬を届けるだけでは意味がありません。
患者さんの日常に接し、微妙な体調の変化を見極め、大きな病気を予防することも重要な役割です。
- 「眠剤が追加になったけれど、転倒リスクを引き起こすような薬は無いかな?」
- 「この薬の副作用が疑われるから、休薬を相談しようかな」
上記のように、薬の副作用を防止することはもちろん、将来のリスクを見極めて薬剤師から医師に相談を持ちかけることが重要になってきます。
薬剤師にとって意義がある業務であることは間違いありません。その分、プレッシャーも大きいものです。
私が処方変更を提案するときは、薬について勉強し、本当に間違いないかを吟味してから提案していますよ~。
患者さんの健康を自分が担っている事に対するストレスは、耐えられない人にとっては非常に辛いものかもしれませんね。
辛い在宅が楽になった!在宅を楽しくする2つのコツ
- 「在宅は苦手だけれど、今の職場ではどうしても在宅を担当しないといけない」
- 「どうすれば、在宅が楽しくなるのかな?」
在宅が嫌だと思っていても、どうしても業務から離れられない人もいるはずです。
患者さんの認知症が原因の場合は、行動心理症状(BPSD)について学ぼう
- 「会話中、ちょっとしたことで怒られてしまった!」
- 「すぐに不安になってしまい、会話が成り立たない」
認知症の患者さんの場合、上記のように、患者さんとのコミュニケーションに悩んで、在宅が辛いと思った時期がありました。。
しかし、しっかり認知症について学んで対策を取ることで、改善を目指すことができましたよー!
認知症の主な症状は、認知にまつわる脳機能の障害である『中核症状』と、精神症状や行動障害を中心とする『行動・心理症状(BPSD)』に分かれます。
「もの忘れが激しくなる」、「言葉が出てこない」といった症状は『中核症状』。「掃除ができない」、「興奮したり、暴言を言われたりする」、「妄想がある」といった症状は、『行動・心理症状(BPSD)』に分類されます。
認知症が家族や医療従事者のコミュニケーション上問題となるのは、中核症状ではなく、BPSDです。
BPSDのガイドラインでは、症状に応じて抗精神病薬を追加する、抗コリン薬を減薬する、といった対応が効果的であることがわかります。
自分の取り組みによって、患者さんの症状が徐々に和らいでくると、コミュニケーションが取りやすくなり、日々の在宅が苦痛ではなくなるでしょう。
家族や他の医療従事者に感謝され、自分のモチベーションに繋がります。
感情移入しすぎない!あくまでも薬剤師として割り切る
在宅訪問を始めたばかりのころは、どうしても在宅が苦手でした。毎週患者さんの家に行く日が億劫だった時期もあります。
患者さんに理不尽な対応をされたときも、他の医療従事者との意見交換で緊張しているときも、自分は「かっこいい薬剤師だ!」と思い込んで、あくまでも素の自分を出さないようにしました。
薬剤師の仮面を被って接すれば、患者さんに感情移入しすぎることなく、あくまでも「仕事だ」と割り切って在宅に取り組むことができます。
在宅中は苦労した経験もありましたが、そこは素の自分の感情は一旦棚にあげて、薬剤師として物事を俯瞰するように務めました。
たとえ心の中では嫌だと感じていても、経験を積むうちに、患者さんや他医療従事者から頼られるようになります。自分の取り組みで患者さんのQOLが改善し、感謝の言葉を頂いたときは、非常に嬉しいものです。
辛いと思っていても、薬剤師として割り切って接することで、だんだんと業務の魅力に気づくこともありましたよー!
在宅をどうしてもやりたくない!と感じたときの対処法5つ
上記を実施したとしても、どうしても在宅が受け入れられないと感じる人もいます。そんな薬剤師さんに伝えたいことは、決して無理をしてはいけないということ。
いくら患者さんのためとはいえ、自分自身が消耗してしまっては元も子もありません。
「どうしても無理・・・」と感じた際は、早めに行動しましょう。
ここからは、「薬局で働きたいけれど、在宅をどうしてもやりたくない!」と感じた場合の対処法を5つ紹介します。
- 会社に相談し、外来メインで働く
- 在宅に力をいれていない・在宅を行っていない薬局に転職する
- 調剤併設型のドラッグストアに転職する
- 薬局以外(製薬企業、卸など)に転職する
- パート薬剤師、派遣薬剤師として働く
会社に相談し、外来メインで働く
まずは、所属している薬局の上司に相談することです。
在宅がどうしても辛いこと、在宅に行くことに抵抗があることをしっかり伝えましょう。
その際のポイントは、「なぜ在宅が嫌なのか」、「その代わりに自分が同薬局に貢献できるのか」としっかり伝えることです。
嫌だと伝えるだけで終わらせず、在宅以外の場面で自分がどう活躍できるのかを明確にした上で相談しましょう。
- 学校薬剤師の業務を担当する
- 糖尿病認定指導士等の資格を取り、外来で生活習慣病の指導ができるようになる
- 『かかりつけ薬剤師算定指導料』を多く算定する
外来でこそ輝くことができる薬剤師もたくさんいます。在宅で消耗するよりも、自分に合った方法で働くことが重要です。
例えば『かかりつけ薬剤師』ですが、患者さんのかかりつけとなって薬剤を一元管理し、薬の被害・体調悪化を防止することは、在宅と同じぐらい大切な業務です。
かかりつけが多い薬剤師さんは、その分外来で指導に当たる機会が増えます。当然薬歴も多くなり、外来メインで働くことができるかもしれませんね。
在宅に力をいれていない・在宅を行っていない薬局に転職する
2つ目の方法は、在宅そのものを行っていない薬局に転職することです。
意外とありますよ~。具体的な薬局象は「大病院の門前薬局」と「小児科・整形外科・眼科の門前薬局」ですね。
①大病院の門前薬局
大病院の門前薬局では、日々多くの患者さんが来局されます。
必然的に調剤、外来対応、薬歴の記入が優先され、在宅を受けいれる余裕がない薬局もあるのです。
私が学生実習でお世話になった薬局は、県内でも有数の大きさを誇る病院の門前でした。その薬局は外来機能に特化しており、在宅を担当している薬剤師はいなかったのです。
在宅の依頼があった際は、近隣にあるグループ薬局に相談していました。薬局で協力し合って、「門前薬局は外来中心」「近隣薬局は在宅中心」と棲み分けがなされていたのです。
そのため、在宅を希望しない薬剤師さんは、大病院の門前を中心に求人を探し、転職することが一つの方法です。
②小児科・整形外科・眼科の門前薬局
病院からの依頼を受けて、在宅が始まるケースもあります。そのため、門前病院の診療科によっても、在宅の依頼を受ける数が左右されるのです。
在宅の依頼を受ける事が多い診療科は、内科。
慢性期の生活習慣病を治療している高齢者が多く、年齢を重ねるにつれて在宅に移行する人も多いと考えられます。
反対に、在宅が少ないのは小児科・整形外科・眼科。
これらの病院では、医師が在宅医療に対応していない場合が多く、薬局への依頼も少ないです。
しかし、レアなケースでは、『小児在宅』を実施している病院・薬局もあります。事前に情報を収集して、在宅が行われているかどうか、転職前に必ず確認しておきましょう。
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調剤併設型のドラッグストアに転職する
おすすめの転職先として、調剤併設型ドラッグストアも挙げられます。
ドラッグストアは、まだまだ在宅に対応していない店舗が多いことが理由です。
また、ドラッグストアは薬局と違い、受付に中抜けの時間が無いことも多く、そのため、在宅訪問に取り組みにくいことが考えられます。
大手ドラッグストアであれば、在宅訪問を受け入れる体制を整えている企業もありますが、まだまだ少数派です。転職の際は、ドラッグストアも視野にいれて就職先を探すことがおすすめです。
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薬局以外(製薬企業、卸など)に転職する
薬剤師の資格が活かせるのは薬局・ドラッグストアだけではありません。
以下のような職場で働いている薬剤師もいっぱいいますよ~!
- メディカルライター
- 製薬企業・卸の内勤職
- 物流センター
- 予備校講師
調剤以外の働き方や在宅勤務・在宅ワークについては別の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
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パート薬剤師、派遣薬剤師として働く
働き方を変えることで、在宅勤務をせずに働くことも可能です。
おススメの働き方は、パート薬剤師、もしくは派遣薬剤師です。パート薬剤師として時短勤務で働くことができれば、時間の制約を受けるため、日中在宅に伺うことは難しくなります。
また、派遣薬剤師は契約期間に応じて様々な店舗を移動するため、在宅訪問を任せられることは非常に稀ですね。
パート薬剤師・派遣薬剤師であれば、在宅で休日の対応を迫られることも無いため、自分の時間を漫喫することができるでしょう。ただし、正社員と比較して雇用は安定していません。
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まとめ:在宅を辞めたい場合は無理せずにやめよう
以上、在宅訪問をどうしてもやりたくない薬剤師さんのために、対処法について解説しました。
在宅は、超高齢化社会を迎えている日本にとって欠かせない業務であり、患者さんのニーズも高いことは間違いありません。
しかし、決して在宅のために、薬剤師が潰れてはいけないと感じています。
辛い業務に耐え続けて体力的、精神的に疲弊してしまうよりも、自分の適正に合った職場で働くほうが、ずっと有意義です。悩んでいる人は、この記事の内容を参考にしてみてくださいね。
「在宅が苦手だから、転職したいな!」
と思っているあなたは、複数の転職エージェントサイトに登録して転職先を探すことをおすすめします。
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