薬理

薬理学:抗炎症薬・免疫系(16問)

★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア

問1 シクロオキシゲナーゼ(COX)を不可逆的に阻害して抗炎症作用を示すのはどれか。

①フェルビナク

②エトドラク

③アスピリン

正解は③でした!

【解説】

①誤。フェルビナクはCOXを阻害してPCEの産生を抑制し、解熱作用、鎮痛作用を抑制する。フェルビナクは主に外用剤として使用される。

②誤。エトドラグはCOX-2を選択的に阻害するのでNSAIDsによる胃腸障害、腎障害(COX-1阻害による)の副作用が起きにくい。

③正。アスピリンはCOXのセリン残基をアセチル化して、不可逆的に阻害する。消炎作用よりも鎮痛作用のほうが大きく、胃腸障害の副作用も大きい。

詳しい作用機序はこちらの記事をご参照。

 

問2 COX-2を選択的に阻害する抗炎症薬はどれか。

①セレコキシブ

​②エテンザミド

③ピロキシカム

正解は①でした!

【解説】

①正。セレコキシブはCOX-2に対する選択制が高く、非選択的COX阻害薬に比べ、胃腸障害や腎障害の副作用が少ない。セレコキシブは外国において心筋梗塞、脳卒中などの心血管系血栓塞栓性事象のリスクが増大するという報告がある。

②誤。エテンザミドは、サリチル酸誘導体であり生体内で代謝活性化をうけてサリチルアミドとなる。市販薬に配合され、アセトアミノフェン(A)、カフェイン(C)、エテンザミド(E)の三つをACE処方と呼び、より解熱鎮痛効果を高めている。

③誤。ピロキシカムは酸性NSAIDsであり、半減期が長いため1日1回の投与で有効である。

 

問3 COX阻害作用が最も弱いものはどれか。

①ジクロフェナク

②ロキソプロフェンナトリウム

③チアラミド

正解は③でした!

【解説】

①誤。ジクロフェナクはフェニル酢酸系NSAIDsであり、COX阻害作用は強力である。

②誤。ロキソプロフェンナトリウムは、プロピオン酸系のNSAIDsであり、COX阻害作用は強力である。

③正。チアラミドは、COX阻害作用は極めて弱く、他のNSAIDsと比較してアスピリン喘息のリスクは低い(添付文書上は禁忌)

 

問4 非ステロイド抗炎症薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。

①インドメタシンはCOX-2を選択的に阻害するため胃腸障害の副作用が大きい

②ジクロフェナクはインドメタシンと比較して胃腸障害の発生頻度が少ない

③セレコキシブはCOXをアセチル化して不可逆的に阻害する

正解は②でした!

【解説】

①誤。インドメタシンは非選択的COX阻害作用をもち、COX-1阻害作用によってPGE産生を抑制し、胃酸分泌亢進や胃粘液分泌抑制さようにより、胃腸障害の副作用が大きい。

②正。ジクロフェナクは強力な作用を有するが、インドメタシンと比較すると、胃腸障害や腎障害などの副作用は少ない。

③誤。セレコキシブは、COX-2を選択的に阻害する。COXのセリン残基をアセチル化して不可逆的に阻害するのはアスピリンである。

 

問5 薬物とその特徴の組み合わせのうち誤っている組み合わせはどれか。

①ロキソプロフェンナトリウム:プロドラッグであり、代謝活性化を受けて抗炎症効果を発揮する。

②チアラミド:酸性のNSAIDであり、COX阻害作用も強力

③メロキシカム:COX-2を選択的に阻害して胃腸障害作用が少ない

正解は②でした!

【解説】

①正。ロキソプロフェンナトリウムはプロドラッグであり、吸収された後、活性代謝物trans-OH体に変換され抗炎症効果を示す。

②誤。チアラミドは塩基性のNSAIDsであり、COX阻害作用も極めて弱いか、ほとんどない

③正。メロキシカムはCOX-2を選択的に阻害し、COX-1阻害による胃腸障害作用は少ない。

 




問6 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はどれか。

①トラマドール

②ケトプロフェン

③プレドニゾロン

正解は②でした!

【解説】

①誤。トラマドールは弱オピオイドであり、NSAIDsで治療困難な疼痛に使用される。

②正。ケトプロフェンはNSAIDsであり、テープ剤として使用実績が多い。光線過敏症の副作用が多く、貼付した場所が日光にあたると、皮膚の赤み、かゆみを伴う湿疹が現れる。

③誤。プレドニゾロンはステロイド剤であり、細胞質内の受容体と結合して核内へ移行し、抗炎症作用を発揮する。

 

問7 抗炎症薬に関する記述の空欄AからCに当てはまる薬物の組み合わせはどれか。

非ステロイド性抗炎症薬はシクロオキシゲナーゼを阻害する(A)などのCOX-2を選択的に阻害する薬物は(B)などの非選択的薬物と比較して、副作用の胃腸障害が少ないとされる。

また体内で代謝活性化を受けて効力を現す(C)という薬物がある。

A B C
エトドラク インドメタシン ロキソプロフェンナトリウム
インドメタシン エトドラク ロキソプロフェンナトリウム
ロキソプロフェンナトリウム インドメタシン エトドラク

正解は①でした!

【解説】

COX-2を選択的に阻害する薬剤(以下の3種類)は覚えておこう。

  • メロキシカム
  • エトドラク
  • セレコキシブ

 

問8 タクロリムスの免疫抑制作用の機序はどれか。

①IL-2、IFN-γの合成促進

②イムノフィリンと結合して、カルシニューリンを阻害する

③活性化T細胞核内因子(NF-AT)の核内移行促進

正解は②でした!

【解説】

①誤。IL-2やIFN-γの合成、分泌を抑制する。

②正。ヘルパーT細胞内のイムノフィリンと結合してカルシニューリンを阻害し、NF-ATの核内移行を抑制し、ヘルパーT細胞内での、IL-2やIFN-γの合成や分泌を抑制する。

③誤。NF-ATの核内移行を抑制してIL-2合成を抑制する。

 

問9 シクロフィリンに結合して免疫抑制作用を示すのはどれか。

①デキサメタゾン

②シクロフォスファミド

③シクロスポリン

正解は③でした!

【解説】

①誤。デキサメタゾンは、細胞質内の受容体に結合して核内へ移行し、免疫抑制作用を示す。

②誤。シクロフォスファミドは、DNAをアルキル化して細胞増殖を抑制する。B細胞、T細胞の抑制効果を示す。

③正。シクロスポリンはイムノフィリン(シクロスポリンが結合するのは、シクロフィリンと呼ばれる)に結合し、カルシニューリンを阻害して免疫抑制作用を示す。

 

問10 免疫系に作用する薬物のうち正しいものはどれか。

①タクロリムスはマクロファージの活性化を抑制する

②アザチオプリンは代謝活性化を受けて作用する

③プレドニゾロンはT細胞のサイトカインへの反応性を亢進させる

正解は②でした!

【解説】

①誤。タクロリムスはヘルパーT細胞からのIL-2産生を抑制し、キラーT細胞の活性化を抑制する。

②正。アザチオプリンは6-メルカプトプリンのプロドラッグであり、生体内で代謝活性化をうけて核酸合成を阻害する。

③誤。プレドニゾロンはT細胞のサイトカインへの反応性を抑制し、免疫抑制作用を示す。

 




問11 アザチオプリンの作用機序はどれか。

①イノシン酸からグアニル酸への合成阻害

②核酸合成の阻害

③キラーT細胞の誘導

正解は②でした!

【解説】

①誤。イノシン酸からグアニル酸への合成を阻害するのはミゾリビンである。

②正。アザチオプリンは6-メルカプトプリンに変換され、DNAに取り込まれ核酸合成を阻害する。

③誤。キラーT細胞を誘導するのはIL-2製剤であるテセロイキンである。

 

問12 CD25に対する抗体製剤はどれか。

①ムロモナブ

②リツキシマブ

③バシリキシマブ

正解は③でした!

【解説】

①誤。ムロモマブは、ヒトT細胞のCD3に対するモノクローナル抗体であり、CD3陽性T細胞を消失させる。

②誤。リツキシマブはB細胞のCD20に対するモノクローナル抗体であり、CD20陽性のB細胞非ホジキンリンパ腫に使用される。

③正。バシリキシマブはCD25(IL-2受容体α鎖)に対して得意的な親和性を示し、IL-2のIL-2受容 体に対する結合を抑制する。

 

問13 免疫作用を増強するものどれか。

①テセロイキン

②タクロリムス

③ミコフェノール酸モフェチル

正解は①でした!

【解説】

①正。テセロイキンは遺伝子組み換えIL-2製剤であり、T細胞やNK細胞を活性化させて、キラーT細胞を誘導し、免疫作用を増強する。

②誤。タクロリムスはFKBP(イムノフィリン)に結合して、カルシニューリンを阻害して、IL-2産生と分泌を抑制し、免疫抑制作用を示す。

③誤。ミコフェノール酸モフェチルは、de novo経路を可逆的に阻害して、GTP及びdGTPを枯渇させてDNA合成を抑制する。TおよびBリンパ球はde novo経路での合成が主であるため、選択的に免疫細胞の増殖を抑制する。

 

問14 代謝活性化を受けてプリンと拮抗し作用を示すのはどれか。

①アザチオプリン

②ミゾリビン

③ミコフェノール酸モフェチル

正解は①でした!

【解説】

アザチオプリンは生体内で6-メルカプトプリンに変換されて薬効を示す。

6-メルカプトプリンはキサンチンオキシダーゼによって代謝されるため、フェブキソスタットなどのキサンチンオキシダーゼ阻害薬との併用により、血中濃度が上昇するため、併用禁忌である。

 

問15 免疫系に作用する薬物の記述のうち正しいものを選べ。

①タクロリムスは、T細胞活性化因子の核内移行を抑制する。

②シクロスポリンは、キラーT細胞におけるIL-2産生を抑制する。

③アザチオプリンは、ピリミジンヌクレオチドの生合成を抑制する。

正解は①でした!

【解説】

①正。タクロリムスは、カルシニューリンを阻害してT細胞活性化因子の核内移行を抑制することで、IL-2の産生を抑制する。

②誤。シクロスポリンは、ヘルパーT細胞におけるIL-2産生を抑制する。

③誤。アザチオプリンは、プリン代謝を拮抗することにより核酸合成を阻害する。

 




問16 免疫系に作用する薬物の記述のうち正しいものを選べ。

①バシリキシマブは、T細胞表面のCD25と結合して、T細胞の増殖を抑制する

②シクロフォスファミドは、DNAをアセチル化して細胞増殖を抑制する

③シクロスポリンは、カルモジュリンを抑制し、IL-2産生を抑制する

正解は①でした!

【解説】

①正。バシリキシマブはT細胞表面のCD25に対する抗体製剤であり、IL-2のIL-2受容体(CD25)への結合を阻害し、T細胞の増殖を抑制する。

②誤。シクロフォスファミドはDNAをアルキル化することで細胞増殖を抑制する。

③誤。シクロスポリンはカルシニューリンを抑制して、T細胞活性化因子の核内移行を抑制し、IL-2の産生を抑制する。

 

 

薬理学の問題選択に戻る

他の科目選択(TOPページ)

 

PASSMED公式LINE、はじめました。

薬単病単の無料演習が可能です♪

友だち追加

 

★CBTの対策・勉強法については以下の記事をご確認ください。

薬学部CBT対策で押さえておきたい勉強法!合格率99%でも油断大敵

続きを見る

成績優秀者は「薬学生プレミア」で就活を

理想の就職を実現したい方に

  • 登録はCBT・国家試験等の模試で「B判定」以上の方限定
  • 薬剤師国家試験合格を前提とした就職活動
  • 成績優秀者は有利な条件(年収、勤務地、福利厚生等)を引き出すことが可能

薬学生プレミアは手厚いサポートで就活におけるミスマッチ・失敗を最小限にできる理由があります。

\登録者全員にプレゼント/

調剤・ドラッグストアの初任給や残業時間・年間休日日数・住宅手当・奨学金サポート有無などの比較表

成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!

薬学生アープの特徴

公式サイト:https://passmed.co.jp/success/

 

★薬学部の就活については以下の記事をご確認ください。裏技的な必勝法を伝授します。

要チェック!
薬学生の就活に大事な心構えなどを解説!失敗しない必勝法もあります。
薬学部の就職活動は楽じゃない!就活必勝法と主な就職先の年収は?

続きを見る

  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

-薬理