衛生

衛生:電離放射線の生体への影響②(13問)

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問1 次の診断方法のうちβ壊変するポジトロン核種を用いる画像診断法はどれか。

①シンチグラフフィー

②PET

③ラジオアッセイ

正解は②でした!

【解説】

PET(positron emission tomography、陽電子放射型断層撮影)はβ壊変するポジトロン放出核種を用いる。

陽電子は近くの電子と衝突し、180°方向に2本のγ線を出す。

このγ線を検出することで、高感度で核種の位置を画像化することができる。

 

問2 放射線に関する記述のうち正しいものはどれか。

①電離放射線のα、β、γ線のうち、生体に対する透過性が最も高いのはγ線である。

②放射線の吸収線量を表すSI単位はベクレル(Bq)である。

③放射線の生物作用は一般に温度が高い方が小さい。

正解は①でした!

【解説】

①正。

②誤。吸収線量の単位はグレイ(Gy)である。

③誤。放射線は生物に対して温度が高いほど効果が高くなる。

 

問3 生体への影響を考慮した電離放射線の実効線量の単位はどれか。

①クーロン

②シーベルト

③カンデラ

正解は②でした!

【解説】

実効線量は放射線防護に用いる線量であり、放射線の確率的影響に関連した線量概念である。

等価線量の単位もシーベルトであり、これは吸収線量に放射線加重係数を乗じたものである。

 

問4 放射性核種に関する記述のうち正しいものはどれか。

①自然環境中での222Rnによる体内被曝は、呼吸に由来する。

90Srは筋肉に蓄積する。

131Iは心臓に蓄積する。

正解は①でした!

【解説】

①正。天然放射性核種である222Rnは呼吸にとって肺に沈着するため内部被爆が問題となる。

②誤。筋肉ではなく主に骨に蓄積する。

③誤。心臓ではなく甲状腺に蓄積する。

 




問5 次の組織の放射線に対する感受性の大きさの順序を正しく示しているのはどれか。

①皮膚>脂肪組織>骨髄

②骨髄>皮膚>脂肪組織

③脂肪組織>皮膚>骨髄

正解は②でした!

【解説】

放射線感受性は、細胞分裂が盛んで未分化なほど高くなる。

骨髄、脾臓、胸腺などは感受性が高く、神経や脂肪組織などは感受性が低い。

 

問6 18F-フルデオキシグルコースの体内分布を測定するには何を検出すればよいか。

①陽電子

②特性X線

③消滅放射線

正解は③でした!

【解説】

ポジトロン放出核種(11C、13N、15O、18F)はβ壊変を起こす核種で、近くの陰電子と衝突して消滅し、180°方向に2本のγ線を放出する。

これを検出するのがPETである。

18F-フルデオキシグルコースはグルコース誘導体なので脳や心臓、代謝の活発ながん細胞などに取り込まれ、それらの組織のがんの早期発見や転移の有無を調べるために用いられている。

 

問7 紫外線に関する記述のうち正しいものはどれか。

①SPFは主にUV-Aによるサンバーンの防止効果を表す。

②PAは主にUV-Aによるサンタンの防止効果を表す。

③290nm以下の紫外線はオゾン層で吸収されないので、地表に到達しやすい。

正解は②でした!

【解説】

①誤。SPF(sun protection factor)は主にUV-Bによるサンバーンの防止効果を表す。

②正。PAとはprotection grade of UV-Aの略である。

③誤。290nm以下の紫外線はオゾン層に吸収されるため地表に到達しない。

 

問8 UV-Aに関する記述のうち誤っているものはどれか。

①地表に到達する紫外線の90%を占める。

②地上での光化学オキシダントの生成に寄与する。

③DNAの吸収波長を含んでいるためDNAを直接障害する。

正解は③でした!

【解説】

①正。

②正。

③誤。DNAの吸収波長を含んでいないため直接DNAを障害することはないがUV-Aによって光増感物質が励起されて活性酸素を発生し、細胞を障害する可能性がある。

 

問9 UV-Bに関する記述のうち誤っているものはどれか。

①皮膚で7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)を開環させビタミンD3に変換する。

②UV-Aよりも光子エネルギーが小さいためDNA損傷作用はUV-Aよりも弱い。

③活性酸素の発生や酸化作用も示し、老人性白内障の主要因である。

正解は②でした!

【解説】

①正。ビタミンD3の合成にはある程度の紫外線は必要である。

②誤。UV-Aよりもエネルギーが大きくDNA障害作用は大きい。

③正。角膜炎や結膜炎なども引き起こす。

 

問10 UV-Cに関する記述のうち誤っているものはどれか。

①太陽光に含まれるUV-Cはオゾン層に吸収され、地表には到達しない。

②254nmのUV-Cは殺菌灯として調理器具、調理台などの表面殺菌に用いられる。

③波長が短いため透過性に優れ、食品内部まで殺菌することができる。

正解は③でした!

【解説】

①正。

②正。

③誤。波長は短いが透過性が低く、食品内部まで殺菌することはできない。

 




問11 赤外線の特徴や生体への影響に関する記述のうち、正しいのはどれか。

①紫外線に比べ、皮膚における透過性が低い。

②ガラス工などの高温作業従事者における白内障の原因となる。

③遠赤外線は殺菌灯に用いられる。

正解は②でした!

【解説】

①誤。赤外線のほうが透過性は高い。

②正。赤外線が水分子を振動し、発生した熱エネルギーによって白内障を引き起こす。

③誤。254nmの紫外線が殺菌灯に使われている。

 

問12 次のうち最も波長の短いのはどれか。

①可視光線

②UVC

③UVA

正解は②でした!

【解説】

オゾン層は主に290nm以下の紫外線を吸収する。

UVCはUVAよりも波長が短く生物にとって有害であるがオゾン層に吸収されるため地表に届くことはない。

 

問13 次のうち非荷電粒子線であるである電離放射線はどれか。

①中性子線

②陽子線

③γ線

正解は①でした!

【解説】

粒子線のうち、α線、β-線、陽子線などは荷電粒子線、中性子線は非荷電粒子線、γ線やX線は電磁波である。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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