★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 かびが発育可能な水分活性の下限に最も近い値はどれか。
①0.3
②0.5
③0.8
正解は③でした!
【解説】
水分活性とは食品中の自由水の割合である。かびは水分活性が0.8以上あれば発育可能である。
細菌などが発育できる水分活性の下限は0.9-0.94であり、かびよりも高い。
生鮮食品は水分活性が高いため微生物が増殖しやすい。
そのため糖漬や塩漬、乾燥させ水分活性を低下させることで微生物を増殖しにくくさせることができる。
問2 リジンの脱炭酸によって生じるアミンはどれか。
①チラミン
②カダベリン
③アグマチン
正解は②でした!
【解説】
チラミンはチロシンの脱炭酸によって生じるアミンである。チーズやワインなどに含まれており、交感神経を刺激しノルアドレナリンの遊離を促進することで血圧上昇作用を有する。
アグマチンはアルギニンの脱炭酸反応によって生じる腐敗アミンである。
問3 次の脂肪酸のうちn-3系脂肪酸はどれか。
①オレイン酸
②リノール酸
③α-リノレン酸
正解は③でした!
【解説】
上の三つはすべて不飽和脂肪酸である、不飽和脂肪酸は末端炭素から数えて、一番最初に二重結合が現れる場所によって分類する。
オレイン酸は9番目炭素に二重結合が現れるためn-9系脂肪酸に分類され、同様にリノール酸はn-6系脂肪酸となる。
α-リノレン酸はn-3系脂肪酸であるがγ-リノレン酸はn-6系であることに注意しよう。
問4 不飽和脂肪酸の酸化が進むにつれて値が減少するものはどれか。
①ヨウ素価
②カルボニル価
③チオバルビツール酸試験値
正解は①でした!
【解説】
ヨウ素価とは油脂100gに付加することのできるヨウ素のグラム数である。
一見、酸化が進むと二重結合が増加し、結合できるヨウ素が増えるように思われるが不飽和脂肪酸の酸化では酸素が結合することでおこるので、むしろ二重結合は減少する。
そのため不飽和脂肪酸の酸化にともないヨウ素価は減少する。
残り2つの値は酸化とともに上昇する。
問5 油脂1kgによってKIより遊離されるヨウ素のミリ等量数を求める試験法はどれか。
①ヨウ素価
②過酸化物価
③カルボニル価
正解は②でした!
【解説】
過酸化物価はヒドロペルオキシドなどの過酸化物を検出対象とする。
ヨウ素価とは油脂100gに吸収されるハロゲンの量をヨウ素のg数で表すものであり、不飽和脂肪酸の二重結合を検出対象とする。
カルボニル価はカルボニル化合物を2,4-ジニトロフェニルヒドラジンと反応させ、アルカリで呈色させたのち油脂1gあたりの440nmにおける吸光度で表し、アルデヒドやケトンなどのカルボニル化合物を検出対象とする。
問6 油脂の変敗にともない、一度上昇したのち値が低下するものはどれか。
①酸価
②過酸化物価
③チオバルビツール酸試験
正解は②でした!
【解説】
過酸化物価は油脂の過酸化における中間生成物のヒドロペルオキシドを検出対象とするため油脂の過酸化にともない、一度値が上昇するが、生成したヒドロペルオキシドがカルボニル化合物やアルデヒド類に分解されることでのちに低下する。
酸化とチオバルビツール酸試験では値は上昇のみする。
問7 植物性食品に存在するポリフェノールオキシダーゼにより食品中のオルトジフェノール類が酸化されてオルトキノン体を生じる。このオルトキノン体が重合したものを何と呼ぶか。
①メラニン色素
②メラノイジン
③アゾ色素
正解は①でした!
【解説】
問題文は酵素的褐変現象を説明したものであり、りんごやバナナの皮をむいたときにおこる現象である。
メラノイジンは非酵素的褐変現象におけるメイラード反応によって生成する褐色重合体であり、還元糖のカルボニル基がアミノ酸又はタンパク質のアミノ基と非酵素的に反応してシッフ塩基を生成し、アマドリ転位を経て最終的に生成するものである。
アゾ色素は化学染料であり全く関係ない。
問8 亜硝酸と第二級アミンが胃酸酸性下で反応して生成するものはどれか。
①ニトロソアミン
②ベンソ〔α〕ピレン
③アクリルアミド
正解は①でした!
【解説】
ニトロソアミンは亜硝酸と第二級アミンが胃酸酸性下で反応して生成される。
シトクロムP450により代謝されて、発がん物質アルキルジアゾヒドロキシドに変化する。また置換基の構造の違いにより異なる臓器に発がん性を示す。
ベンゾ〔α〕ピレンは食品の加熱により焦げた部分などに含まれる多環芳香族炭化水素の一種である。
アクリルアミドはアスパラギンを多量に含むジャガイモを高温で加熱してフライドポテトやポテトチップスにするとアスパラギンと糖がメイラード反応を起こし、その過程で生成される。神経障害の原因として知られている。
問9 トリプトファン由来のヘテロサイクリックアミンはどれか。
①MelQ
②IQ
③Trp-P-1
正解は③でした!
【解説】
ヘテロサイクリックアミン(複素環アミン)とは食品中のアミノ酸、タンパク質の加熱により、特に魚や肉類の焦げに生成する変異原性物質である。
MelQとIQはタンパク質由来のヘテロサイクリックアミンである。
問10 次のうち保存料はどれか。
①安息香酸
②ジフェニル
③チアベンダゾール
正解は①でした!
【解説】
安息香酸は酸型の保存料であり、酸性で効果はあるがアルカリ性ではイオン型となってしまうため無効である。
そのほかのふたつは防かび剤である。
問11 次のうち殺菌料として使われているものはどれか。
①プロピオン酸
②オルトフェニルフェノール
③過酸化水素
正解は③でした!
【解説】
プロピオン酸は保存料、オルトフェニルフェノールは防かび剤として使われている。
過酸化水素は数の子などの殺菌料として使われ、最終食品の完成前に分解または除去されている必要がある。
問12 次のうち還元作用を持つ酸化防止剤はどれか。
①エリソルビン酸
②没食子酸プロピル
③BHA
正解は①でした!
【解説】
エリソルビン酸はL-アスコルビン酸の異性体であり、アスコルビン酸よりも強い還元力を持つ酸化防止剤である。
没食子酸プロピルは天然由来のラジカル捕捉剤である。酸化防止作用は強いが着色のおそれがある。
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)もラジカル捕捉剤として有名なので知っておこう。
問13 次のうち金属封鎖剤(キレート剤)はどれか。
①硫酸第一鉄
②エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
③亜硝酸ナトリウム
正解は②でした!
【解説】
硫酸第一鉄はナスの漬物などの発色に使われる色調調整剤である。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムはEDTA・2Naともいわれ代表的なキレート剤であり金属と鎖体を生成する。
亜硝酸ナトリウムは食肉など動物性食品中の色素と結合することで食品自身の色を安定させ、食品本来の色を増強する発色剤である。
ちなみに硫酸第一鉄の発色効果は食肉には無効なので注意しておこう。
問14 次のうちタール系の着色料はどれか。
①β-カロテン
②食用赤色40号
③二酸化チタン
正解は②でした!
【解説】
β-カロテンと二酸化チタンは非タール系の着色料である。
タール色素とは石炭タールから得られる芳香族炭化水素を原料として合成される色素である。
有害物が混入する可能性があり、製造ロットごとに製品検査を受けることが義務付けられている。
問15 タール系色素に関する以下の記述のうち正しいものはどれか。
①脂溶性のタール色素は食用として使用できる。
②水溶性のタール色素のうち塩基性のものは食用として使用できる。
③水溶性のタール色素のうち酸性のものは食用として12種類のみ使用許可されている。
正解は③でした!
【解説】
①誤。脂溶性のタール色素は食用としてはすべて禁止されている。
②誤。塩基性のタール色素は食用としてはすべて禁止されている。
③正。タール色素は酸性のみ食用として使うことができ、そのうちの12種類の酸性タール色素のみ使用できる。
問16 アスパラギン酸とフェニルアラニンのメチルエステル体とのジペプチドである甘味料はどれか。
①サッカリン
②アスパルテーム
③キシリトール
正解は②でした!
【解説】
サッカリンは砂糖の500倍の甘さを持つ甘味料である。
アスパルテームは砂糖の200倍の甘さがある人工甘味料であり、苦み、渋みがないためよく使われる。
フェニルケトン尿症の患者には避けた方が良いとされる。
キシルトールはショ糖と同等の甘さをもち、非う蝕性があるため虫歯予防に使用される。よくガムに入っているのがキシリトールである。
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