★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 薬物を除去する能力を表すパラメーターで、血流速度と同じ単位を持つのはどれか。
①消失半減期
②クリアランス
③血液濃度—時間曲線下面積
正解は②でした!
【解説】
薬物を除去する能力のパラメーターはクリアランスと呼ばれ、L/hrなどの容積/時間であらわされる。
消失半減期は血中薬物濃度が元の半分になるまでの時間をいいh、minなどの時間であらわされる。
血中濃度-時間曲線下面積は血中に出現した総薬物量でmg・hr/Lなどの単位であらわされる。
問2 薬物動態が線形モデルに従うとき、投与量に比例するパラメーターはどれか。
①消失半減期
②クリアランス
③血液濃度—時間曲線下面積
正解は③でした!
【解説】
線形モデルに従う時、投与量に比例するパラメーターは血中濃度時間曲線下面積である。
一方、線形モデルに従う時一定の値を示すパラメーターには
- 吸収速度定数(ka)
- 消失速度定数(ke)
- 消失半減期(t1/2)
- 全身クリアランス(CLtot)
- 分布容積(Vd)
などがあげられる。
問3 薬物動態に線形性が成り立っているとき、経口投与後の平均吸収時間を算出する式はどれか。ただし、経口投与後と静脈内投与後の平均滞留時間 (MRT)を、それぞれ MRTpoとMRTivとする。
①MRTpo+MRTiv
②MRTpo-MRTiv
③MRTiv-MRTpo
正解は②でした!
【解説】
平均吸収時間(MAT)はMRTpo-MRTivであらわされる。
問4 体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物 800mgをヒトに単回静脈内投与したところ、投与直後の血中濃度は 40μg/mL、投与6時間後の血中濃度は 5μg/mLであった。この薬物の消失半減期(h)に最も近い値はどれか。
①1.0
②2.0
③3.0
正解は②でした!
【解説】
線形1コンパートメントに従うため血中濃度が半分になるごとに半減期が過ぎていく。
血中濃度が40→20→10→5㎍/mlに変化するごとに半減期(t1/2)時間が過ぎていってるので血中濃度が5㎍/mlになるのに3 t1/2時間が経過したこととなる。
3 t1/2=6になるためt1/2=2となる。
問5 体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物において、全身クリアランスと分布容積がともに2倍に上昇すると、消失半減期はどうなるか。
①4倍になる
②変化しない
③1/4倍になる
正解は②でした!
【解説】
1-コンパートメントモデルに従う薬物において消失半減期は一定であり変化しない。
問6 腎クリアランス(CLr)と糸球体ろ過速度(GFR)、分泌クリアランス(CLs)、再吸収率(FR)の関係を正しく表しているのはどれか。ただし、fuは 血漿中タンパク非結合形分率を示すものとする。
①CLr= (fu×GFR + CLs)×(1-FR)
②CLr= (fu×GFR + CLs)×FR
③CLr= (fu×GFR + CLs)×(1+FR)
正解は①でした!
【解説】
腎クリアランスはCLr= (fu×GFR + CLs)×(1-FR)であらわされる。
問7 体内動態が線形 1-コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最高血中濃度到達時間が遅延する原因として正しいのはどれか。
①吸収速度定数の増大
②消失速度定数の増大
③消失速度定数の低下
正解は③でした!
【解説】
経口投与したとき最高血中濃度に到達する時間を最高血中濃度到達時間といい、「吸収速度=消失速度」になる。
消失速度定数が低下すると消失速度が低下し最高血中濃度到達時間は遅延すると考えられる。
消失速度定数が増大すると消失速度が増大し最高血中濃度到達時間は早くなると考えられる。
吸収速度定数が増大すると吸収速度が速くなり最高血中濃度到達時間は早くなると考えられる。
問8 全身クリアランスが 50L/hである薬物を10mg/hの速度で点滴静注した場合の定常状態における血中濃度(μg/mL)に最も近い値はどれか。
①0.2
②0.5
③5.0
正解は①でした!
【解説】
定常状態における血中濃度(Css)は全身クリアランス(CLtot)を用いて表すと以下となる。
- Css=投与速度(k₀)/CLtot
よってCss=10mg/h/50L/h=0.2mg/L=0.2㎍/mlとなる。
問9 肝代謝と腎排泄により体内から消失する薬物について、全身クリアランス (CLtot)、腎クリアランス(CLr)及び肝血流速度(Qh)から肝抽出率(Eh)を算出する式はどれか。
①Eh= CLtot/ Qh-CLr
②Eh=(CLtot-CLr)/ Qh
③Eh=Qh/(CLtot-CLr)
正解は②でした!
【解説】
肝抽出率は Eh=CLh/ Qhである。
CLh=CLtot-CLrであらわされるため②が正解となる。
問10 消失速度定数が0.693h-1の薬物の半減期(T1/2)はどれか。※この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うもの、またLn2≒0.693とする。
①1.0
②2.0
③3.0
正解は①でした!
【解説】
1-コンパートメントモデルにおいて半減期(T1/2)は消失速度定数(ke)を用いてT1/2=ln2/keとあらわされる。
よって、T1/2=0.693/0.693h-1=1である。
問11 ある薬物100mgを急速静脈内投与すると、投与直後の血中濃度は10㎍/mlであった。この薬物の分布容積(L)はどれか。※この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする
①1.0
②10
③100
正解は②でした!
【解説】
分布容積(Vd)は投与直後の血中濃度(C₀)と静脈内投与量(Div)を表すとVd=Div/C₀である。
この式に当てはめると、「Vd=100mg/10㎍/ml=100mg/10mg/L=10L」である。
問12 ある薬物500mgを静脈内投与したところ投与直後の血中濃度は25㎍/ml、投与5時間後の血中濃度は12.5㎍/mlであった。この薬物の消失半減期(h)はどれか。この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。
①2.0
②5.0
③10
正解は②でした!
【解説】
半減期を求めるときはグラフを思い浮かべるとよい。
線形1-コンパートメントモデルに従う薬剤であれば片対数グラフは右下がりの直線になる。よって下の図の通りとなる。
半減期の定義は「薬物の血中濃度が半分になる時間」である。
グラフから薬物の血中濃度が25㎍/mlからその半分の12.5㎍/mlになるまでに5時間を要している。
したがって半減期は5時間である。
問13 ある薬物600mgを静脈内投与したところ投与直後の血中濃度は60㎍/ml、投与12時間後の血中濃度は15㎍/mlであった。この薬物の消失速度定数(h-1)に近い値はどれか。この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。
①0.12
②0.16
③0.24
正解は①でした!
【解説】
先ずは半減期を求める。
線形1-コンパートメントモデルに従う薬剤であれば片対数グラフは右下がりの直線になる。
「投与直後の血中濃度は60㎍/ml、投与12時間後の血中濃度は15㎍/mlであった」とあり下の図の通りとなる。
半減期の定義は「薬物の血中濃度が半分になる時間」である。
グラフから薬物の血中濃度が60㎍/mlからその半分の30㎍/mlになるまでに6時間を要している。したがって半減期T1/2は6時間である。
次に消失速度定数kelについて、その定義は
- kel = ln2 / T1/2
である。
したがってkel = ln2 / 6 = 0.693 / 6 = 0.1155 ≒ 0.12 (h-1) となる。
問14 問3 ある薬物を600mg急速静脈内投与すると投与直後の血中濃度が30㎍/mlであり、消失半減期が8時間であった。この薬物の全身クリアランス(L/hr)に近い値はどれか。この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。
①0.4
②0.6
③1.7
正解は③でした!
【解説】
計算問題のポイントは求められるものを先ずは求める。図がかければ図をかく。である。また最終的に求めるものを含む公式なども思い浮かべるとよい。
問題文から求められるものを求める。
先ずは消失速度定数kel
消失速度定数kelについて、その定義は
- kel = ln2 / T1/2 である
今回半減期が8時間であるためkel = ln2 / T1/2 = 0.693 / 8 = 0.086625 (h-1)である
次に今回の問題で問われているものは全身クリアランスであり、全身クリアランスCLtotを求める公式を思い浮かべると
- CLtot = kel・Vd である。(Vdは分布容積)
したがってクリアランスを求めるためには分布容積を求めればよいことになる。
問題文から「この薬物は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする」とある。
この条件下では分布容積は投与した薬物が瞬時に血中に広がり一定の濃度になった時の薬物を溶かしている容積を表している。
薬物を600mg急速静脈内投与すると投与直後の血中濃度が30㎍/mlであった場合、1mLの容積に薬物が30μg(0.03 mg)含まれていることになるため、薬物600 mgが含まれるだけの容積すなわち分布容積Vdは
- Vd=600mg ÷0.03 mg/mL = 20000 mL = 20 L となる。
以上から全身クリアランスは
- CLtot = kel・Vd = 0.086625×20 = 1.73
なお線形1-コンパートメントモデルに従う薬剤を急速静注した時の分布容積Vdは
- Vd = D / C0 である。
ここでDは投与量、C0は投与直後の血中濃度である。
成績優秀者ではなくとも就活は有利にできる!