物理系薬学

物理系薬学:酸と塩基(9問)

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問1 ブレンステッド・ローリーによる酸と塩基の定義として正しいのはどれか。

①酸は電子対受容体である。

②塩基は水酸化物イオン(OH-)を放出する物資である。

③酸は水素イオン(H+)を放出する物質である。

正解は③でした!

【解説】

①誤。ルイスの定義である。

②誤。アレニウスの定義である。アレニウスの定義では水に溶かしたときにプロトンを放出するものを酸、水酸化物イオンを放出するものを塩基と定義している。

③正。

 

問2 次の平衡において、左向きの反応に注目したときの共役酸はどれか。

HA+H2O⇄A-+H3O+(H+)

①A-

②H3O+

③HA

正解は①でした!

【解説】

プロトンを与える物質を「共役酸」、プロトンを受け取る物質を「共役塩基」と呼ぶ。左向きの反応に注目した際に、A-は酸として働く。

 

問3 25℃において、pKb=9の薬物の共役酸のpKaはいくつか。

①4

②5

③6

正解は②でした!

【解説】

pKa+pKb=14であるので、25℃において、pKb=9の薬物の共役酸のpKaは5である。

 

問4 25℃において、水のイオン積(Kw)の値はいくつか。

①10-12

②10-13

③10-14

正解は③でした!

【解説】

酸、塩基の平衡において、水自体も弱電解質であり、ごくわずかはあるがH+とOH-とに乖離している。

これらH+とOH-の濃度の積は、水のイオン積と呼ばれ、25℃ではKw=10-14で一定である。

しかし、温度が上がると解離しやすくなるため、Kwの値は増加する。

 

問5 pKa=6のとき、酸解離定数Kaはいくつか。

①10-1

②10-3

③10-6

正解は③でした!

【解説】

pKa=-logKaであるため、Ka=10-pKaとなる。

よってpKa=6のとき、Kaは10-6である。

 




問6 希釈操作や酸、塩基を少量加えても、溶解液の㏗がほとんど変化しないことを何というか。

①緩衝作用

②平衡作用

③電離作用

正解は①でした!

【解説】

外部からの衝撃を和らげ、一定の状態に保つ働きを緩衝作用という。

化学反応において希釈操作や酸、塩基を少量加えても、溶解液の㏗がほとんど変化しない溶液のことを緩衝溶液という。

 

問7 弱酸とその共役塩基の濃度比がいくつのときに緩衝能が最も強くなるか。

①1:1

②1:2

③2:1



正解は①でした!

【解説】

緩衝能が最も強いのは濃度比が1:1のときである。

ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式から、弱酸とその共役塩基の塩との濃度が1:1のときに、pH=pKaとなる。pH=pKaのとき、緩衝能は最大となる。

 

問8 バンストライクの式は、何を表す式か。

①ある㏗における弱点改質の分子形およびイオン形の割合を表す式

②緩衝液の強さを表す式。

③物質の溶媒中における沈降速度を表す式。

正解は②でした!

【解説】

①誤。ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式

②正。

③誤。ストークスの式

 

問9 25℃において、弱塩基性物質(pKb=8)を水に溶解し、イオン形と分子形の存在比が1:1となったときの溶液の㏗はいくつか。

①4

②5

③6

正解は③でした!

【解説】

pKb=8のため、pKa=6である。

イオン形と分子形の比が1:1となったときpH=pKaであるため、pH=6である。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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