★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 シトクロムP450によるO-脱アルキル化によりアセノアミノフェンを生じるものはどれか。
①フェナセチン
②コデイン
③メタンフェタミン
正解は①でした!
【解説】
フェナセチンのO-脱アルキル化によってアセトアミノフェンを生じる。
コデインもP450によってO-脱アルキル化を受け、モルヒネを生じる。メタンフェタミンはN-脱アルキル化を受けアンフェタミンを生じる。
これらのP450によるアルキル化においてアルキル基と同じ炭素数のアルデヒドを生じる。
問2 メタンフェタミンは20~30%は未変化体で排泄されるが、このときの主要代謝経路における水酸化はどの位置で行われるか。
①o位
②m位
③p位
正解は③でした!
【解説】
アルキル基はベンゼン環に対して電子供与性を示すので水酸化反応はo位、p位に起こりやすい。
シトクロムP450は大きいため立体障害の少ないp位に起こりやすいと考えることができる。
問3 第三級アミンのNの酸化は主に何によって行われるか。
①シトクロムP450
②フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)
③モノアミン酸化酵素(MAO)
正解は②でした!
【解説】
FMOはヘム鉄を含有していない一原子酸素添加酵素であり、NADPHと分子状酸素を用いてNやS原子を含む化合物の酸化を行う。
このFMOはミクロソーム画分に存在し、第一級や第二級アミンのN水酸化は主にP450分子種によって行われる。
問4 アニリンなどの芳香族第一級アミンはシトクロムP450でヒドロキシルアミンを生じメトヘモグロビン血症を起こすが、その原因として正しいものはどれか。
①ヒドロキシルアミンがFe2+をFe3+にするため
②ヒドロキシルアミンが酸素とヘモグロビンの結合を阻害するため
③ヒドロキシルアミンがヘモグロビンを分解するため
正解は①でした!
【解説】
メトヘモグロビンは赤血球内のヘモグロビンの中の二価の鉄イオンが三価の鉄イオンになったものである。
メトヘモグロビンは酸素結合・運搬能力が失い、血液中のメトヘモグロビンが1-2%以上に増加した状態をメトヘモグロビン血症という。
問5 エタノールは細胞質のアルコール脱水素酵素(ADH1B)によってアセトアルデヒドに酸化されるが、日本人においてADH1Bの活性が高い人の割合はどれくらいか。
①15-30%
②50-60%
③85-90%
正解は③でした!
【解説】
日本人はエタノールをアセトアルデヒドに代謝するADH1Bの代謝活性は高いがアセトアルデヒドを代謝するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性が低い人が多く(約40%)白人などと比較してお酒が弱い人が多い。
問6 MEOS(microsomal ethanol oxidizing system)とも呼ばれるCYP分子種はどれか。
①CYP3A4
②CYP2D6
③CYP2E1
正解は③でした!
【解説】
エタノールは、小胞体(ミクロソーム)のCYP2E1によってアセトアルデヒドに酸化される。
一般にエタノールからアセトアルデヒドへの代謝ではCYP2E1よりもADH1Bの寄与が大きい。
またCYP2E1の代謝にはビタミンB1を大量に消費するためアルコール依存症患者ではチアミン欠乏症のウェルニッケ脳症を起こす可能性がある。
問7 グルクロン酸抱合においてUDP-α-D-グルクロン酸と基質の間で生じる結合はどれか。
①α結合のみ
③α結合とβ結合
③β結合のみ
正解は③でした!
【解説】
グルクロン酸抱合では主にフェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基をもつものが、UDP-α-D-グルクロン酸とUDPグルクロノシルトランスフェラーゼによって基質とすべてβ結合してβ-グルクロニドとなる。
問8 新生児のグルクロン酸抱合活性は成人のそれと比較してどの程度か。
①約100倍
②約1/10
③約1/100
正解は③でした!
【解説】
生体成分であるステロイドホルモン、ビリルビン、チロキシンなどの内因性物質もグルクロン酸抱合を受ける。
抱合体は主に胆汁中に排泄されるが、腸内細菌のβ-グルクロニダーゼによって加水分解され、アグリコン(非糖部)が再吸収されることがある。
新生児はグルクロン酸抱合活性が低いため新生児黄疸になることがある。
問9 活性硫酸が合成されるときに使用されるATPは何分子か。
①1
②2
③3
正解は②でした!
【解説】
活性硫酸(PAPS)は無機硫酸と2ATPから酵素的な反応で合成される。
硫酸抱合においてフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基などが活性硫酸(PAPS)のS原子を求核攻撃して硫酸抱合体となる。
問10 アセチル化を受ける薬物として最も適切なものはどれか。
①イソニアジド
②プロカイン
③モルヒネ
正解は①でした!
【解説】
イソニアジドのN-アセチル化には遺伝子多型が存在し、このアセチル化能が低いSA(Slow Acetylator)の日本人の割合は約10%である。(白人はSAが約50-60%)
このアセチル化を行う酵素はNAT(アセチルトランスフェラーゼ)と呼ばれ、NAT1とNAT2が存在する。
NAT1はp-アミノ安息香酸のN-アセチル化に関与し、NAT2はイソニアジドのN-アセチル化やがん原性芳香族アミン類のN-アセチル化、ヒドロキシルアミンのo-アセチル化に関与する。
問11 グルタチオンを構成するトリペプチドとして正しい組み合わせはどれか。
①グリシン、グルタミン、トリプトファン
②グリシン、、システイン、グルタミン酸
③グルタミン、システイン、アラニン
正解は②でした!
【解説】
親電子性物質であるエポキシド、ハロゲン化合物、ニトロ基などをもつものが、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)によって、グルタチオン抱合を受ける。
電子密度の低い部分にシステインのSH基が求核攻撃によって結合する。
問12 メチル抱合において利用される補酵素として正しいものはどれか。
①S-アデノシルメチオニン
②酢酸メチル
③メチル馬尿酸
正解は①でした!
【解説】
メチル抱合は水酸基やアミノ基がカテコール0-メチルトランスフェラーゼ(COMT)などの酵素によって触媒されるが、いずれの酵素もS-アデノシルメチオニンを補酵素としている。
一般にメチル抱合を受けた代謝物は水溶性が低下する。
問13 腸内細菌環境に関する記述のうち誤っているものはどれか。
①腸内環境は好気的である。
②還元反応や加水分解が主反応である。
③主な腸内細菌酵素にはβ-グルクロニダーゼやβ-グルコシダーゼなどがある。
正解は①でした!
【解説】
①誤。腸内環境は嫌気なため主反応は還元と加水分解である。
②正。
③正。胆汁として排泄されたグルクロニドなどの抱合体は、腸内細菌によって脱抱合され再び腸管から吸収されることがある。これを腸肝循環という。
問14 グリシン抱合を受ける化合物はどれか。
①アセトアミノフェン
②安息香酸
③イソニアジド
正解は②でした!
【解説】
アセトアミノフェンは主にグルクロン酸抱合や硫酸抱合を受ける。
イソニアジドは主にアセチル化を受け、その抱合酵素のNAT2には遺伝子多型が存在するため薬効に差が出る可能性があるので注意が必要である。
問15 飲酒によって誘導されるCYP分子種はどれか。
①CYP1A1
②CYP2E1
③CYP3A4
正解は②でした!
【解説】
CYP2E1はMEOSともいわれエタノールを代謝するCYP分子種として知られている。
飲酒を続けていると、この代謝酵素が誘導されお酒に強くなるといわれている。
問16 生体内における次の代謝反応のうちCYP分子種による寄与率が低いものはどれか。
①パラチオンの酸化的脱硫化
②エタノールの酸化
③四塩化炭素の還元的脱ハロゲン化
正解は②でした!
【解説】
エタノールは約80%が細胞質にあるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH1B)によりアセトアルデヒドに代謝される。
このアセトアルデヒドはミトコンドリアでアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH2)により酢酸に代謝される。
CYP2E1は特に大量の飲酒時にエタノールの代謝で誘導されるため、寄与は小さい。
問17 メチルカチオンに代謝され、発がん性を示す物質はどれか。
①サイカシン
②2-ナフチルアミン
③アフラトキシンB1
正解は①でした!
【解説】
サイカシンはβグルコシダーゼで加水分解され、メチルカチオンを生成することで発がん性を示す。
2-ナフチルアミンはニトレニウムイオンを生成することで発がん性を示し、アフラトキシンはエポキシドが発がん性を示す。
問18 暴露により尿中の馬尿酸濃度が上昇するのはどれか。
①アニリン
②フェノール
③ベンジルアルコール
正解は③でした!
【解説】
馬尿酸は、安息香酸のグリシン抱合体である。
トルエンやベンジルアルコールは安息香酸に代謝され、グリシン抱合を受けることで馬尿酸を生じる。
アニリンやニトロベンゼン、フェノールなどからは安息香酸を生じないため馬尿酸濃度は上昇しない。
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