★成績優秀者限定の就活|薬学生プレミア
問1 リポタンパク質のうち含有するトリグリセリドが最も多いものを次の中から1つ選べ。
① VLDL
② LDL
③ HDL
正解は①でした!
【解説】
①正。 VLDLは肝臓で合成された脂質(主にトリグリセリド)を末梢組織に輸送する働きがある。含まれるトリグリセリドの量は最も多くなる。
②誤。 肝臓で合成されたコレステロールを末梢組織に輸送する働きがある。末梢組織ではコレステロールが分解されないので悪玉コレステロールと言われている。
③誤。 末梢組織のコレステロールを肝臓に輸送する。コレステロールは肝臓で分解されるのでHDLは善玉コレステロールと言われる。
問2 脂質異常症と言える組み合わせを次の中から1つ選べ。ただし、採血は空腹時に行われたとする。
① LDLコレステロール:80 mg/dL
② HDLコレステロール:30 mg/dL
③ TG(トリグリセリド):130 mg/dL
正解は②でした!
【解説】
①誤。 LDLの基準値は140 mg/dL以下である。80 mg/dLでは脂質異常症とはならない。
②正。 HDLの基準値は40 mg/dL以上である。基準値を下回るため脂質異常症となる。
③誤。 TGの基準値は150 mg/dL以下である。130 mg/dLでは脂質異常症とはならない。
問3 脂質異常症の原因について、原発性脂質異常症に分類されるものを次の中から1つ選べ。
① 家族性高コレステロール血症
② ネフローゼ症候群
③ 甲状腺機能低下症
正解は①でした!
【解説】
基礎疾患の有無により原発性か続発性の脂質異常症にわけられる。
①正。 家族性高コレステロール血症は原因不明であり遺伝子が関与すると言われている。基礎疾患はなくとも発症しうるため原発性に分類される。
②誤。 ネフローゼ症候群自体が基礎疾患であるネフローゼ症候群により糸球体が障害されタンパク質が透過される。必然的に低アルブミン血症となりリポタンパク質の合成が亢進するためLDLやVLDLが増加する。
③誤。 甲状腺機能低下症自体が基礎疾患である。血中のチロキシンが低下するとコレステロールの異化が低下する。必然的に血中コレステロールの値は高まる。
問4 次の表は脂質異常症のWHO分類を表している。この分類の中で、診断と同時に薬物療法を開始する病型として正しいものを次の中から1つ選べ。
病型 | 増加するリポ蛋白 | 血清脂質 | |
コレステロール | トリグリセリド | ||
I | カイロミクロン | → | ↑↑↑ |
Ⅱa | LDL | ↑〜↑↑↑ | → |
Ⅱb | LDL、VLDL | ↑〜↑↑ | ↑↑ |
III | レムナント | ↑↑ | ↑↑ |
IV | VLDL | → | ↑↑ |
V | カイロミクロン | ↑↑ | ↑↑↑ |
VLDL |
① Ⅰ
② Ⅱa
③ Ⅲ
正解は②でした!
【解説】
通常であれば、脂質異常症の治療は食事・運動療法を3〜4ヶ月先行して行う。
食事・運動療法にもかかわらずコレステロールやトリグリセリドが高値の場合に薬物療法が開始となる。
ただし、例外としてⅡa型は虚血性心疾患の危険性が高く、診断と同時に薬物療法が開始となる。
問5 脂質異常症に用いられる薬剤とその効果の組み合わせとして正しいものを次の中から1つ選べ。
① フルバスタチン:主にトリグリセリドを低下させる
② コレスチラミン:コレステロールを排泄する
③ フェノフィブラート:主にLDLを低下させる
正解は②でした!
【解説】
①誤。 フルバスタチンをはじめとするスタチン系薬剤はHMG-CoAを阻害しコレステロールの合成を抑制する。
②正。 コレスチラミンやコレスチミドは腸内で胆汁酸と結合し胆汁酸の排泄を促進する。これによりコレステロールの吸収が低下する。
③誤。 リポタンパク質リパーゼを活性化させトリグリセリドを低下させる。
問6 脂質異常症治療薬で注意しなければならない副作用の中に横紋筋融解症がある。横紋筋融解症の初期症状として正しいものを次の中から全て選べ。
① 発熱がある。
② 褐色尿が出る。
③ 筋肉痛がある。
正解は②と③でした!
【解説】
横紋筋融解症は、骨格筋の融解、壊死により、筋体成分が血中へ流出した病態である。患者もしくは家族等が早期に認識しうる症状として「手足・肩・腰・全身の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」 などの症状が挙げられる。
①誤。 発熱は必ずしも起こるわけではなく、むしろ起こらない方が多い。
②正。 初期に自覚する症状として挙げられる。
③正。 初期に自覚する症状として挙げられる。
問7 痛風を起こす可能性のある血漿中尿酸値の数値として正しいものを次の中から1つ選べ。
① 6.0 mg/dL
② 7.0 mg/dL
③ 8.0 mg/dL
正解は③でした!
【解説】
尿酸の血漿中溶解濃度である7.0 mg/dLを超えるものが高尿酸血症と定義される。
高尿酸血症が持続することで関節内に尿酸塩が析出し、関節炎を起こすと痛風を発症する。
7.0 mg/dL以上ではなく、「7.0 mg/dLを超える」であるため設問としては8.0 mg/dLの③が正解となる。
問8 高尿酸血症の病態の型のうち日本人に最も多いものを次の中から1つ選べ。
① 尿酸排泄低下型
② 尿酸産生過剰型
③ 混合型
正解は①でした!
【解説】
①正。 日本人に最も多い病型である。高尿酸血症を呈する患者のおおよそ6割を占める。プロベネシドやベンズブロマロンで治療する。
②誤。 プリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、激しい運動や抗癌剤などで細胞が破壊された時にプリン体が増加し、それを代謝した尿酸が血中に多くなる病態である。高尿酸血症の患者のおおよそ1割を占めるに過ぎない。
③誤。尿酸排泄低下型と尿酸産生過剰型を合わせた病型である。各々を占める割合を全体から除くと、高尿酸血症の病型の約3割を占めることになる。
問9 次の3つの部位の中で、痛風発作を起こす尿酸塩の析出として最も起こりにくい部位を次の中から1つ選べ。
① 心臓
② 母趾関節
③ 耳介
正解は①でした!
【解説】
尿酸は温度低下、pHの低下によって溶解度が急速に低下する。
①正。 血流量が多く血液の温度低下やpHの低下が起こりにくい心臓では尿酸塩は理論的には析出しにくい。
②誤。 母趾関節は末梢であり温度が低下しやすい。したがって尿酸塩の結晶が析出しやすい。
③誤。 耳介は末梢であり外気に直接晒されているため温度が低下しやすい。したがって尿酸塩の結晶が析出しやすい。
問10 痛風発作時(極期)に用いる薬剤として正しいものを次の中から1つ選べ。
① コルヒチン
② トピロキソスタット
③ インドメタシン
正解は③でした!
【解説】
①誤。 コルヒチンは顆粒球の微小管タンパク質と結合し顆粒球の遊走に必要な微小管タンパク質の重合を阻害し白血球の遊走を抑制する。その性質上、発作前兆期に使用しなければ意味がなく、極期に投与しても効果がない。
②誤。 尿酸合成阻害剤は痛風発作時には使用しない。血漿中の尿酸値の変動により発作が誘発される恐れがあるためである。
③正。 痛風発作時特に極期に第一選択となるのがNSAIDsであるインドメタシンである。起こってしまった強い炎症を強力に抑える。特に極期にはNSAIDsの大量投与を行う。
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