実務

実務:注射剤・輸液の調剤(12問)

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問1 注射剤の投与経路と略語の組み合わせとして正しいのはどれか。

①筋肉内注射:i.c

②動脈内注射:i.m

③静脈内注射:i.v

正解は③でした!

【解説】

筋肉内注射はi.m、動脈内注射はi.aである。

 

問2 注射用バンコマイシン塩酸塩の添付文書に、使用上の注意として「60分以上かけて点滴静注すること」と記載がある。これによって予防できる副作用はどれか。

①回転性めまい

②下肢の浮腫

③顔や頸部の発赤

正解は③でした!

【解説】

短時間での点滴や急速なワンショット静脈注射を行うとヒスタミンが遊離され、顔や頸部の紅斑性充血、レッドネック症候群や血圧の低下などの副作用が発現する。

 

問3 完全静脈栄養法(TPN) 施行時のビタミンB1不足によって発症することがあるのはどれか。

①高アンモニア血症

②乳酸アシドーシス

③代謝性アルカローシス

正解は②でした!

【解説】

ビタミンB1が不足することで、ピルビン酸がアセチルCoAからクエン酸に代謝されず、乳酸に代謝される。

これにより乳酸アシドーシスをきたす恐れがあるため、TPNを施行するときはビタミンB1を併用する。

 

問4 塩素イオン濃度が低い輸液を用いる場合には、活性が低下するので生理食塩液で混和する必要がある医薬品はどれか。

①シスプラチン

②オキサリプラチン

③カルボプラチン

正解は①でした!

【解説】

①正。

②誤。オキサリプラチンは塩化物含有輸液により分解するため、生理食塩液での混和は適切でない。

③誤。カルボプラチンは、塩素イオン濃度の低い輸液で活性が低下することはない。

 

問5 K+を含まない電解質輸液であり、緊急時など病態不明時の水分・電解質補給の第一選択として用いられるのはどれか。

①開始液(1号液)

②脱水補給液(2号液)

③維持液(3号液)

正解は①でした!

【解説】

①正。

②誤。脱水補給液には、Na+、Cl-、乳酸イオン、K+、PO4-を配合している。

③誤。5%ブドウ糖と乳酸リンゲル液を2:1もしくは3:1に混合したものにK+を加えたものをいう。電解質濃度が血漿の1/3~1/4である。

 




問6 注射剤と溶解液又は希釈液の組み合わせのうち、正しいのはどれか。

①オキサリプラチン:生理食塩液

②ジアゼパム注射液:生理食塩液

③注射用アムホテリシンB:5%ブドウ糖

正解は③でした!

【解説】

アムホテリシンBは、溶解補助剤として界面活性剤が添加されている。

そこに生理食塩液などの電解質が添加されると界面活性剤によるミセル化が不安定となり沈殿を生じてしまうため、ブドウ糖液などに溶解して用いる。

 

問7 経腸栄養剤のうち窒素源がタンパク質であり、消化の過程を要するのはどれか。

①消化態栄養剤

②成分栄養剤

③半消化態栄養剤

正解は③でした!

【解説】

①誤。消化態栄養剤は、窒素源がアミノ酸と低分子ペプチドであり、消化の過程を必要としない。

②誤。成分栄養剤は、窒素源がアミノ酸だけからなる栄養剤で、消化の過程を必要としない。

③正。半消化態栄養剤は、術前術後の栄養管理や熱傷などに用いられる。

 

問8 活動期のクローン病と診断された患者に対する栄養療法として不適切なのはどれか。

①消化及び吸収障害が重篤な場合は、半消化態栄養剤を第一選択とする。

②重度な下痢が認められる場合は、TPNの実施を提案する。

③成分栄養剤を用いる場合は、脂溶性ビタミンや不足する微量元素の投与を提案する。

正解は①でした!

【解説】

半消化態栄養剤は、窒素源がタンパク質であり、消化機能がある程度保たれている場合に用いるため、不適切である。

 

問9 長期間(2週間以上)消化管栄養が不能な場合に用いられる栄養補給の方法はどれか。

①末梢静脈栄養

②中心静脈栄養

③経腸栄養

正解は②でした!

【解説】

中心静脈栄養は、経口や経腸で長期間の栄養摂取が不可能な亜場合に施行される。

静脈栄養の期間が2週間以内の短期間の場合は、末梢静脈栄養が適する。

 

問10 肝障害があらわれた場合に代謝されずに生体内に蓄積し、肝性脳症の原因となるアミノ酸はどれか。

①バリン

②イソロイシン

③フェニルアラニン

正解は③でした!

【解説】

芳香族アミノ酸のフェニルアラニンやチロシンなどは、肝障害時に代謝されずに生体内に蓄積する。

そのため、この過剰となった芳香族アミノ酸が原因で肝性脳症を引き起こす。

肝性脳症の症状を緩和するためフィッシャー比の高い製剤を用いる。

 




問11 量の少ない注射剤や血中濃度を急激に上げたい場合になどに用いられる輸液の混合方法はどれか。

①I.V.push法

②piggyback法

③Tandem法

正解は①でした!

【解説】

①正。I.V.push法は、輸液セットのゴム管の部分や混注口から注射筒を用いて注入する方法である。

②誤。piggyback法は、三方活栓を用いて2つの輸液を接続し翼つき静注針を用いて患者に注入する方法で、量の多い注射剤や刑事的な配合変化を起こす薬剤の投与に適している。

③誤。Tandem法は、2種以上の輸液を連結管で接続し、混合、投与する方法である。何種類もの輸液を投与したい場合に適している。

 

問12 高度催吐リスクに分類される抗悪性腫瘍薬(注射剤)はどれか。

①オキサリプラチン

②フルオロウラシル

③シスプラチン

正解は③でした!

【解説】

シスプラチンやシクロフォスファミドは、高度催吐リスクのある医薬品として分類されている。

対策として、NK1受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗薬、ジプレキサ(一般名:オランザピン)を併用することがある。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他 【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。 今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。 お問い合わせ・家庭教師の依頼

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